Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

南ア・地蔵岳(山梨県) ~御座石ルート~

気の早い長雨と、発生し続ける台風のコンビネーションにより、9月に入ってからずっと晴れたり降ったりの不安定な天候が続き、それが10月まで持ち越しました。やっと「確実に晴れる!」な日が来たと思ったらたったの1日で、もう「北アでは寒くて死ぬよ」(私は)な時期。
北アより暖かい地域へ行かないとなりません…… 
 
北アより南で、1日で良い山へ行かれて、もちろん急坂で――――そう、鳳凰三山ですね!
2016年最後のテン泊は、人生二度目の南アルプス
 
★★★★★★★★★ 地蔵岳 (2,764m、山梨県韮崎市
登山タイム(/標準CT):登り4時間15分(/6h50m)---降り3時間35分(赤抜沢ノ頭経由/4h50m)
標高差:約1,700m  距離:約13km  出発地:御座石温泉  条件:一人、金~1泊、晴天・雨天
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本当は「ザレ気味なドンドコ沢で登って鳳凰三山を巡り、見晴らしが良いという御座石で下山」を予定していたのですが、新居のアレコレと雨天続きで登山は4週間もご無沙汰な上、翌日の予報は雨。見晴らし良い方は晴れの日に登りたいし、「アップダウンの多いザレルート」は雨天時の下山にはしたくないですよね……
仕方なく、御座石ルートのピストンです。

朝6時、梓川SAから高速に乗り、山梨県へ。南アルプスに向かうといつも、頭の中で誰かが「天・然・水」と歌います。八ヶ岳PAに停めてちょっと登ったとこから撮った鳳凰三山
オベリスクが目視でもクッキリ。その右手には、麗しの甲斐駒(山塊の左端)
 
R20の「宮脇」交差点(北杜市)を西へ右折して走って行くと、右カーブで「←御座石鉱泉」「←青木鉱泉」という看板が出てくるので左折。その後もずっと看板が出てくるので、迷うことはありませんでした。
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南からR20を上って来る場合は何回か出てくる「←鳳凰三山」の看板で西に左折すると、同じ道に誘導されます。
住地を抜けると最初1kmほどは均されたダート、その後舗装路(所々未舗装)が5kmチョイ、また1kmほど未舗装、最後1kmは若干舗装路(所々陥没)で、
←「御座石鉱泉」の市営無料P(H1,075m)
 
この御座石鉱泉↓、ネットでHP探したらサイトは無くて、代わりに悪い噂ばかりヒットしました。
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何でも青木鉱泉に営業妨害してるとか、P代やテント代ボられたとか…… でも、停めた時にベランダにお婆さんが様子見に出てきただけで、別に何もなかったです。コンパスで届出済なので「登山名簿(宿にあります)を書いていってください」という看板を無視したし、鉱泉に興味は無いので下山後もそのまま帰ったため、宿に近寄りもしなかったからでしょうが……
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バス停に時刻表示もあったし、鳳凰小屋の人にも何(青木鉱泉にはおりないほうがイイとか)も言われなかったですよ。どっちにしても、事前に下調べもしないで質問もしないで、言われるままに払う方がおバカさんなんだと思います。
 
それでは。
朝8時、登山開始    
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宿手前右手の登山口→
トイレはこの手前。
 
しょっぱなから修験道らしきモノが↓
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最初は木立の急坂↓
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木の洞に、見たことのないキノコが密生してました。小屋のSNSによれば「サンゴハリタケ」。ふさふさ。
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この後も色んなキノコがワラワラ出てて……さすが、秋の長雨期間
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木の根も美しい→
 
しばらく上ると何か白いモノが見えてきます。船窪みたいな石灰質の崩壊岩壁か?↓と近寄ると……
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ひええ~~~
こんな奥まで!! ↓↓↓↓↓
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ニホンの砂防ってすごいなホント………ダムみたいに、何か利権とか絡んでるんだろうか……
 
この左岸側を登って裏に行くと、なだらかな森林帯。迷わないようにロープで通路が作ってあります↓
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ここで、久々のカモシカ遭遇。(北アだと、カモよりライチョウの方が遭遇率高い)
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親カモは悠々と草を食んでいるのに、子カモは興味津々でこっちをず~と見ていました。
もちろん、報告
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←やがてググっと降ると、眼下の不自然な広場に車が見え……ええぇ?
 
←登山口から50分(1h)で「西ノ平」(H1,321m)
 
山地図には載っていませんが、御座石林道からここまで車両が入れるんですね。。。。プリウスも来ていたので、私のクーペでも通れそう。
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到着したばかりらしき人たちが交互に花摘みしていましたが、トイレが無いとわかっている登山口を選ぶなら、
済ませてから来るのがマナーであり礼儀ですよ~
 
西ノ平へ降りて、再び登り始めたところから振り返って撮った一枚→
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↑広いですが、ロープが張ってあるので左手の6~8台分にしか停められません。
 
さあ、ここから待望の急坂です
 
←岩混じりになってきた↓
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ちょっと広いところが「七合目」↓
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甲州街道を出発点としている模様。左の石碑には「立身山五竜不動尊」。
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ますます岩ゴロに→
 
北アでは既に花期の終わった(というか寒さで枯れた)ミヤマ?トリカブトが、ここ南アではまだまだ美しい↓
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どんどん急坂となり、ザレ崖が左手に見えた地点でやっと景色が拓けて下界が見えました↓
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既にガスがササーっとのぼってきたり、晴れたりの繰り返し。山頂に行くまでもつかなあ……
 
その直後に、「旭岳」到着↓
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狭い。修験道の重要地点のようですね。
この手前にあった石祠は、「猿田彦大神」。
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通り過ぎてから振り返って旭岳を撮るとこんな感じ→
うわー削げ削げ。
 
尾根は細くなって、更に更に急坂に。
 
お、ガスが晴れて、下界と八ヶ岳が見えた↓
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暫く登ると笹が多くなってきて……↓
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「西ノ平」から1時間(2h30m)で「燕頭山」(H2,105m)↓
読みは「つばくろやま」。
広いのに、ベンチは1個だけ。
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周囲の木には、入笠でもよく見た地衣類(菌類&藻類の共生体)「サルオガセ」がたなびいてます↓
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これ好き。綺麗
北アでもたま~に見ますが本当にチョロっとで、目を見張るほどの群生はやはり南アですね。
 
この緩やかな笹原を抜けると、少々くだった先にザレ場(砂砂)が↓
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振り返って撮った「燕頭山」↓
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ここから先は比較的緩やかで、苔が一層深く厚く、白石が美しいルートになります↓
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このルート、甲斐駒の黒戸並の急坂なのにその為のケア(ハシゴ)はほとんど無いけれど、谷間や岩間や窪地はしっかりサポート★↓
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ほんと緩い↓
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回廊のようなところも↓
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あ、山頂が見えた!!↓
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遠いな~。
甲斐駒から見た時はトンガリ帽子だったけど、どんな岩なんだろう…… 左手に観音岳らしきものも見えてきますが、超逆光でうまく撮れず。
 
緩いピークを右巻くとやがて水平道となり、緩く降り始め……↓
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「燕頭山」から1時間30分(2h)で「鳳凰小屋」(H2,382m)↓
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この受付棟の向こうにもオレンジの宿泊棟があります↓
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かなり収容人数多そうですが、この日は平日だったのでガラスキでした。
 
沢が目の前にあって、水は無料で流れっぱ↓
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炭焼小屋のような建物の前では薪がくべられイイ匂い。トイレはテン場の南にあり、洋式の簡易水洗(土足、紙アリ、箱捨て)。
平らなテン場(奥は段々)。トイレ代込で¥1,000↓
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北ア以上の高値ですが、森林に囲まれているので日差しも柔らかく、風も緩くて快適です
あ~でも、やっぱりここもスーパードライしか売ってないや……
 
テントを張ってE補給して、14時。三山巡りはムリだけど、地蔵岳なら行かれますね。
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小屋前の団欒広場(野外食堂??)を抜けた奥に「地蔵岳まで1km」の標識→
いざ、ピークアタック
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←最初はこんな岩混じりの道や、整備された段々坂を登っていくのですが、途中で谷の右岸へ移るようになっているので渡ると……↓
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ひゃ~ 砂っ砂のザレザレ急坂!
これは酷い。↓
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まるで富士山の須走り並。
しかも急坂。
ザザー・・・・  疲れる
 
振り返って下を撮ると………
左岸は森林で、右岸は崩壊した砂地。
 
一体どういう地質なの??↓
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山頂は早くから見えているのに、ザレザレ度がハンパ無い。
左手に見えるのは「観音岳」↓かな?
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ふとこの観音岳の左手の山裾を見ると…
「あ!富士山……!!」
―ー――と思ったら、カメラを出す前にサ~っとガスが出てきて隠れてしまいました……
この日は随時、そんな感じ。
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ウネウネ道をザザー…ザザー…と登ると、
やっと山頂が見えてきた。→
(奥の真ん中の岩が「オベリスク」)
 
おお~…
燕チックないい岩ですねええ ↓
花崗岩かな?
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ザレ急坂を登りきると、目の前にお地蔵さん↓
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ここを左に行くと「赤抜沢ノ頭」。
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まっすぐ行くと甲斐駒が見えるはずですが、北側はもうガスガスで真っ白でした。
 
←右手が地蔵岳山頂
花崗岩に混じって、茶色い岩が転がっています。
フシギ。
 
この先を登るとお地蔵さんのある広い場所に出て、まともな道はここまで↓
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先行のシニアグループはここで引き返していましたが、手を使えばまだまだ登れそうなので、大岩の真下まで行ってみた↓
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    天辺の岩↓
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あれならいけるかな~と思って更に近寄って真下に行ったら、最後は結構な大岩で、掴み処の無い垂直壁。こりゃムリだ。素手じゃムリだ。
地図を見ると「オベリスク」の横に(地蔵仏)。あ、これは例え登れても、木曽駒の宝剣岳と同じく登ってはダメですね。
バカ(若)者たちは登ってますけどね…
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鳳凰小屋」から55分(1h20m)で「地蔵岳」(H2,764m)
 
←直下で乾杯―――☆  
 
反対側から撮った山頂↓          この裂け目↓で手足を突っ張ってニジニジすれば登れるだろうけど・・・・ 普通に登れるのは↓この地点まで。
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ちょっと風が強くて寒いけれど、着込んで岩の陰に座ればさわやかな初秋といった感じ。誰も来ないので1時間近くのんびりしてました。
 
下を見ると、ガスが流れてきて白くなったり、晴れて向かいの「」赤抜沢ノ頭」が見通せたり・・・・・・→
 
15:40、下山時刻です。
 
まずは分岐点へ降りて、小屋(東)ではなく南へ向かうと、岩の陰にお地蔵さんがたくさんありました↓
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そして「賽の河原」↓ ここにもお地蔵さんがズラリ。
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ここから南に向かって、ハイマツの斜面を50mほど登ります。途中で1枚↓
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この角度だと、チューリップみたい。
 
アップで↓
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イメージ 60あの左下のエスカレーターみたいな部分↑が登り易いです。
 
地蔵岳」から5分(10m)で「赤抜沢ノ頭」(H2,750m)・・・は撮り忘れた模様。付近の写真→
ここを超えるとまた燕チックな風景に↓
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一部、砂砂↓
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降り始めるとザレザレ↓
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途中にあったコレ↓は何だろう…??
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「赤抜沢ノ頭」から25分(30m)で、「鳳凰小屋分岐」(H約2,700m)↓
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向こうに見えるのは観音岳。行きたいですが、時間が無いのでまた今度・・・
 
分岐の広場↓
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ここから小屋へ向かって下山します↓
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森林帯をゴンゴンくだり。
木立の向こう、最後に↓オベリスクが見えました
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鳳凰小屋分岐」から25分(40m)で小屋へ帰還↓
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17:00ちょっと前。急いで支度して、テントの中で酒を飲みながら読書。
夜半から風が強くなり始め、予報通り雨となりました。
 
2日目。
もし晴れたら三山を巡ってから中道ルートで下山しようと思っていたのですが、5時半に明るくなってきたのでチラっと外を見ると、霧のような小雨で真っ白。
……チッ。 下山決定です。
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雨もパラパラになった6時過ぎ、のんびり起きてコンタクトを入れ、炭焼きチックな爺様に
「お湯って売ってもらえますか?」
と訪ねると
「ごめんね、お湯はやってないんだ~」
と無情な答え。
あの、今、目の前で焼いてる、その薪の上にあるヤカンのお湯は……??
 
水が豊富だから余計なことはしない、んでしょうか。北アではどこでもお湯が買えるから、油断してました。
因みに青木鉱泉--御座石鉱泉の連絡ルートは、「下ばかり見てると迷う」「赤印を追っていけば大丈夫」だそうです。
 
8時半に出発し、コケやキノコを楽しみながらゆっくり下山。
 
←タマゴダケ~
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晴れたり降ったりガスったりのブレブレ天候、でも、テン泊装備の人が結構登ってきます。
やっぱり働いてると休日にしか来られないもんね……
 
12時チョイ前、山頂から2時間40分(3h30m)で御座石鉱泉に帰還。
 
コンパクトで景色も良く急坂も多く、岩もコケも綺麗。中々良い山ですね。
来年は、ドンドコ沢&三山制覇で挑みます。