★北ア・白馬岳(長野県)~風吹・千国揚尾根~
久々にしっかり降った梅雨で楽だったけれど、明けたら今年もバッチリ猛暑な2019年。マイホームも庭造りもひと段落しました。「よし、涼しい山で過ごそう!」と久しぶりに真夏の縦走へ・・・
でも、標高が高くても遮る物も無い森林限界+ハードな行程では、丸焼きの暑暑で平地同然。夜は涼しいけれど、日中はドロドロです。。。そうだった。問題は標高ではなく緯度だった。やっぱり真夏は、
★★北ア・
標高差:往路UP約2,020m/DOWN約420m 歩行距離:往復約32km
登山口:北野P(中小谷) 条件:一人、晴天、オールセルフキャリー
日程:2019年8/16(土)~1泊
白馬岳は登頂ルートが沢山ありますが・・・・・・昔行ったロープウェイ利用の「栂池ルート」は登山道大渋滞でウンザリ、新潟側の「蓮華温泉ルート」は日帰りに最適ですが松本からは結構大回り、でも超大渋滞の「白馬大雪渓」なんて絶対行きたくありません そして9月中旬からは白馬でテン泊出来なくなる寒がりのWにとって、白馬は非常に「アタックしにくいエリア」。なのに山頂では毎回モヤモヤのガスガスで、一度も眺望を味わったことがないため「いつかは!/今度こそ!」リストに入ったまま、数年経過。。。。こんなのばっかりだな、もう・・・
しかし、見つけたのです。例え大繁忙期でもPにスルっと停められそうな、マイナー登山口を!!
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恐怖の9連休のラストの週末は、好天予報。
まずは朝5時に自宅を出発し、高瀬川沿いを北上。白馬から大人しくR148に入り、南小谷まで行きます。目当ての北野登山口は「道の駅 小谷」から南下するとわかりやすいのですが、今回は「南小谷駅」を過ぎた後の「下里瀬」交差点を左折し、「中土」の駅前で左折して西側の集落を縫いながら登ってショートカット。
この後T字路が2回出てくると思ったのですが実際は駅から4.5km程の地点に1回だけで、そのT字路を左折すると「道の駅 小谷」からの道に合流。直後のゲートには「林業用道路です」の注意看板に加えて、ここが小谷ヒルクライム「深山遊園コース」である旨を記す標識も。あ、このコース案内を見ると登山口のアクセスわかりやすい! へえ、この道、「6月一杯まで通行止め」なんですね。
以前土沢登山口から
わわ、木の枝が大量に道に落ちてる・・・ゆっくり踏み倒して進んでも、車とこすれて凄い音が 誰もここ、通ってないのか――っっ!! 3回ほど車を降りて、大枝を撤去。マイナールートならではの面倒が・・・
そうでなくとも、頻繁に出てくるヘアピンカーブにはミラーが1個も無いので、速度は出せません。サードギアでドコドコと、「深山遊園コース」の終点から更に坂を登ると・・ゲートから4kmほどの、↓舗装路の 終点突き当たりにP(H約1,100m?)。
無人。というか、何も無い・・・↓ 鳥獣保護区域の案内看板が一個だけ↓
地図を見ると北野Pはもっと上らしかったのですが、ここからは大きめ石のジャリ道。新車のお腹をこれ以上傷つけたくないし、このPには日陰になる場所があったので、ここに停めます。
ジャリ道では 蝉の大合唱。暑い・・・そしてやっぱり、ザックベルトの形状が合わない・・・3月の20%OFFでは靴を買い換えようと思ってたけど、ザックにしよう…
途中、舗装されていたり↑ 車が停められそうな場所↑が、2~3箇所ありました。下のPから500m(10分)ほどで、↓北野登山口(H1,333m)到着。ここ↓も数台停められます。
が、日当たり良好 唯一の車は、おそらく「山荘主人の車」↑↑
「
<1日目> 北野P--->白馬大池
標高差:UP約1,300m/DWN約230m、距離:11km、時間:4時間40分(8H)
落ち枝で予定より少々遅れました。朝7時、白馬登山、スタート!
最初は緩やかに↑↑草っこワサワサ・・・
何度か森林帯を緩く小さくアップダウンする↑とこが、唯一
またくだって登り↓この階段を登ると「2km地点」↓ ↓初のミニベンチあり。
この後、また急坂ジグザグが始まります・・・このルート、
この鉄のミニハシゴ↓を登ると「3km地点」を通過し・・・↓
尾根先に出ます↓。ここからまた緩くなって、岩が集合している横を通ると
植生保護のためらしき低い木道(区切りがあって歩きやすい)↑
前回下から見た階段↓(これも滑り止め構造があって降りやすい)を降ると・・・
土沢登山道との合流点です(右手が土沢方面)↑ ここを左手に進むと、北野登山口から1時間40分(3H)で、↓風吹山荘(H1,780m)。
今回の登山口~白馬岳の位置関係はこんな感じ↓ キャップ無しストック禁止!↓
ここから更に下草激しく、↓木道の上にも生い茂りまくり↓
誰も通らないからか昨日の雨をまだまだたっぷり含んでいて、あっという間に靴がグッショに つま先からやられるので、スパッツしても意味ありません。く・・・っキモチ悪っ まだ先は長いのに 風吹大池↓(この周辺は前回の記事をどうぞ)
山荘から10分ほど登ると↓風吹天狗原。
高層湿原の後期でもうあまり池塘は無いのですが、人が少なくて雰囲気良い ここで初めて他の登山者に遭遇。Pから栂池との合流点までに3名とすれ違い。
木道を進んで↓ミズバショウの道(3/13)に入って登り、左手が崩壊斜面な↓降りになると
山荘から15分ほど(1km)で、↓蓮華温泉方面(笹目尾根ルート)との分岐点(H1,837m)
いよいよ栂池の天狗原に向って↓千国揚尾根4kmの旅です。う・・更に↓↓下草が・・
森林帯だから日陰でうっそうとしてるにしても1800m超えのしかも「尾根」なのに、ここも凄い湿潤で・・・(土質のせい?) 隙あらばタルミや船窪で繁茂するミズバショウ(大型)↓↓ ゲタもたくさん設置されてましたが↓↓、追いつかない感じ。。。
=休憩場所が無い。たま~に倒木や岩があっても苔や腐敗でビチャビチャだし、なにより低地で窪地で蚊が多い 靴紐結ぶために1分立ち止まっただけで4~5箇所刺された・・・ またアップダウンも多い多い・・・ここ通るの秋にした方がいいかも・・・「13分の3」を過ぎると↓道が荒れてきてますますグッチャに↓
ところが「3km地点」を過ぎるといきなり道が乾き、ネマガリタケが繁茂。刈ってあるけど歩きにくっ そのうち段々緩くなってきて、「13分の2」からはしっかりした木道が出現↓し、湿原チックに。右手には白馬乗鞍岳の東斜面↓が見えてきた。
木道が壊れてる部分は、シノタケを刈った脇道↑(歩き難い)を通るようになり・・・
↓栂池天狗原の東端に、到★着!↓
うわああああ~・・・綺麗・・・ 高層湿原の段々池塘・・・↑↑ 凄いっっ
狭いですがここ、メインエリアよりステキ・・・なのに人っこ一人来ません(笑)
時間に余裕アリアリなので、滅多に人が通らないという「山の神尾根ルート」との分岐点の木道へ座り込み、湿原や乗鞍岳の斜面を見ながら長めのコーヒータイム
もっと滞在したかったのですが日差しが強くなってきて素兎になりそうだったので、20分で白馬大池に向って続行。歩き始めるとすぐ、山荘から2時間(3H)で、栂池ルートと合流↓(H2,200m)。←栂池 山頂→ 木道の幅が2倍になった↓↓
ここから人が多くなりますが、もう午後だったので意外にマバラでした。そして渓流岩道開始↓ この岩のまま登りがキツくなって水がなくなり↓↓10分ほどすると・・・
視界が開けて↓栂池天狗原が一望!↓ ←風吹方面 ここ↓が合流点 栂池→→
この斜面↑はとにかく岩ゴロ道↓(大好き) ↓雪田もまだ残ってた
雪田の後を少し登ると、また↓緩~く広~く なり・・・
合流点から40分で、白馬乗鞍岳のケルン(H2,450m)↑ 標識に「山頂」「2436.7m」とあるけど「2436.7m」の三角点はもっと下だし、実際の最高地点(H2,469m)はもっと南。ここから西へ進むと、↓雪倉岳、白馬大池↓、赤い屋根の↓白馬大池山荘。
相変わらずイイ立地・・・ 再び↓岩ゴロ路を降っていくと、池の畔に↓
池の水はとても澄んでいて、↓クロサンショウウオ↓が大量に棲息。 ちっさい・・・
オオサンショウウオを想像していたので、最初見た時コレ、足の生えたオタマジャクシかと・・・ 栂池合流点から1時間(2H)で、白馬大池山荘↓(H2,380m)。
ここのテン場は1張¥1200と高めですが、3方がピークに囲まれていて風は穏やか、フルフラットで段差も無し、トイレはテン場に近いのに綺麗だから匂わない、しかも雪解け水が豊富で無料な上にテン場に蛇口で供給!と↓ ↓ 、北アにしては環境が大変良いのです ↓白馬岳方面から見たテン場と山荘
しかし夜になったら・・・うわ、寒い!!しまった、そういえばお盆を過ぎたらもう、信州も山も真夏じゃなかった。。。 防寒寝具を持ってきていなかったので、急いでカイロ貼付
翌朝3時半頃。明るいので朝かと思って起きたら、恐ろしいほどビカビカの月が一帯を照らしまくってました。。。そういえば以前ここに泊まった時も、キモチ悪いほどギラギラの天の川や世紀末かと思うような流星群が見えたっけ(なのに翌朝は大嵐) でも今回は、雲ひとつない晴天!↓(朝5時) 月↓
テントはそのままですが食料は全部持って・・・軽装で出発!
<白馬岳ピストン> 大池山荘<――>白馬岳
標高差:UP約740m/DWN約190m、距離:往復11km、時間:3時間10分(6H10m)
しばらく歩くともう暑い・・・結局防寒着ゼロで往復できました。さすが、8月。船越ノ頭に登ると↓↓アップダウンが始まり、早々と山頂が丸見え↓ さすが晴天・・・
白馬大池山荘から50分(2H)で↓↓小蓮華山(H2,766m)。 健在↓
ここから山肌がどんどん白くなり↓ 小蓮華山から20分(30m)で↓三国境(H2,751m)
この稜線でずっと右手に見えている雪倉岳(富山県)↑がとても綺麗で、たくさん写真を撮ってしまった。。。。あそこもいつか行きたいけれど、テン場が無いんですよね。朝日岳とセットで一泊周遊、かな。 この先はもうアップダウンは無いけれど、何度か緩急を繰返し↓↓・・・三国境から30分(1H)で、白馬岳山頂↓(H2,932.2m)
肉眼では見えてた富山湾↓ 平野にうっすらと↓↓黒部川の流れが・・・
栂池自然園や栂池天狗原まで見えたし、この↓傾斜の差もまざまざと・・・
←信州側(ガケ) 山頂から↓南を撮影。 山頂↓ 富山側(なだらか~)→
これで目的は果たしました。8時チョイ前、下山です!
大池↓が見えてくる頃には、また信州側(右手)からガスが!><
予定より時間を縮められたので、頭手前でガスを背に、絶景を見ながら長めのコーヒータイム 山だと甘いモノがとても旨い。。山頂から1時間半(2H40m)で帰還すると、同じ白馬岳ピストン組がたくさん居たらしく、まだ3分の1のテントが残っていました。水や栄養を補給し、テントを撤収して、11時出発。
<下山> 大池山荘――>北野P
標高差:UP約230m/DWN約1,300m、距離:11km、時間:3時間25分(5H50m)
下山は栂池ロープウェイ組と時間が重なり、なんと乗鞍岳東端から雪田が渋滞
ここら辺↓(奥)が風吹。 栂池天狗原↓
子供が縄を伝わないと降りられず、後続の他人の大人たちまでヨロヨロと縄を伝っておりてます。この縄待ちが渋滞を引き起こしてる。階段状の足跡があるのに、何故・・・縄持たなきゃおりられない程度の登山スキルならアイゼン持ってくるべきだし、そもそもこんな傾斜も緩く危険の無い雪田(もし滑っても下が盛り上がってるから止まる)はストックあればじゅうぶんです。。。これだから意識低い系の素人が多い簡単人気ルートはイヤなんだ
10分以上待っても全然進まなかったので、行列から離れた処(=万が一滑っても他人を巻き込まないルート)へ行って雪田に降りて、カカト降り。ストック無しでも全く問題ありませんでした。。。 ↓待ち時間が長かったので風吹方面の崩壊部分を拡大撮影
この先でも、岩ゴロ道をスルスルおりられない人(主に女性と、ヤワっこい男性)が渋滞を引き起こし・・・
気の利く人は常に背後を確認していて、こちらに道を譲ってくれますが、自分のことで一杯一杯の人は全然ダメ。こういう人にいきなり「抜かします」なんて声をかけたら、こんな岩道では驚いて転びそうなので、仕方なく無言で後をつける始末。 クマ鈴は鳴らしているのに、こういう人ほど負けず嫌いなのか・・・背後に気付くと無理にスピードアップ(それでも凄く遅い)して危なっかしいので、一定の距離を取ります。まるでストーカーです 体力も筋力も無いなら、もっと余裕を持ってゆっくり行動して、優雅に譲る方がスマートなのに。。。
最近煽り運転がクローズアップされてますが、「異常な短気で煽る人」と同様に「煽られるような行動してる我の強い人」も、撲滅してほしいです。
おかげで山荘から50分(1H30m)で、分岐点(H2,200m)到着。この先休憩できる場所がしばらく無いので、昨日と同じ場所で再びコーヒータイムしてから千国揚尾根へ突入。乗鞍岳の雪田が見える↓のもここが最後・・ この地塘を過ぎると↓栂池天狗原は終わり。
帰りは草露も無く、日陰が多く風もあったので昨日よりは快適ですが・・・蒸し暑い。多分もう、このルートを通ることはないだろうなあ・・・
蓮華分岐から5分くらい降り、風吹大池の畔のベンチで休憩↓
ああ、直射日光が熱くて暑い・・・やっぱりもっと遅い時間に下山したかった
栂池との分岐から1時間30分(2H20m)で、風吹山荘(H1,780m)。ここからが、キツいんんですよね・・・まず最初の急階段の登りはイイとして、その先はアップダウン祭りだし、休憩場所2箇所しか無いし、↓この降り急斜面↓と言ったら!
段差がない急斜って本当にキツい。靴が前にズレて、爪が・・・っっ
早い時間に低地におりたくなかったので、ミニベンチと巨木のところでたっぷり休憩 風吹山荘から1時間5分(2H)で、北野登山口(H1,333m)帰還。そこから10分弱でP帰還。まだ16時前・・・蒸し暑い~~
そして帰りの車道でとうとう車のお腹に枝がひっかかってガリガリ言うので、「深山遊園コース」の終点で停車したら、「池のほとり」だけあって湿気ムンムンで車の中にハエがわんさか入り込み。窓全開にして追い出そうと手で払っていたら蜂も混じっていたらしく、うわ、右手刺された! もう、散々です・・・
総合評価・・・千国揚尾根は9月以降に通った方がいい!
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帰りは林道をまっすぐ降りて、「道の駅 小谷」で温泉
白馬や蓮華と同じくここも熱すぎ湯。でも施設は新しい方で、鉄臭い賭け流しのお湯は最高 何より日曜の16時だと言うのに、僻地すぎて観光客が全然居ない(笑) それに松本平に比べればとても涼しい。。。小谷、やっぱり好きだわ・・・