Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

★北ア/表銀座(2)・西岳~大天井~常念岳

<3日目後半> ~喜作新道(折り返し)~

タイム:1時間40分(2h30m)、標高差:UP約300m/DWN約350m

距離:約4km、日程:8/4土曜日PM、晴天!

 

槍ヶ岳ピストンアタックが予定より短時間で済んだので、西岳の小屋上の分岐点で雨具のウィンドブレーカーを天日干し(夜間の雨の名残もあり、前半は森林限界じゃないから下草が多くて結構濡れた)。水も買って補給もバッチリ 西岳直登点より北で、問題なくザック回収。気力はややナイですが、体力と時間はたっぷりあるので・・・午前11時、予定通り大天井へ、GO! 

最初はユルリと右巻き↓             牛首展望台↓   大天井↓

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朝は見え見えだった槍も再び雲冠してしまって、またしても「ツンツン」な景色。おいいいいい。結局この、いわゆる「喜作新道」では、一度も「アッパレ槍」は見えませんでした。。。。

f:id:wistorian:20110102050803j:plainあまりにも天気がいいので、この途中の白砂場↑でコーヒータイムを取りながら、朝露グッショな靴下と靴を干します。このまま進んだら、とんでもなく早い時間に次の泊地へ着いてしまう・・・

 

その泊地ですが。

大天荘だいてんそう表銀座伯仲大天井岳山頂直下にある山小屋で、超華々しいメジャースポット。8月上天気の土曜の今日は、ゲキ混みな予感・・・・・テン場もあるので、最初はここに泊まる予定でした。

しかし、実は今朝、テント(皮)を風に飛ばされてしまい・・・―――

 そう、今日は小屋泊なんです。

 

 片やその手前の例の大天井おてんじょヒュッテはマイナーな燕~槍ヶ岳ルートにあり、テン場が無いことも相まって、若干「穴場」的な雰囲気。往路で接した限りは、マメマメしい良小屋の気配を感じました。 

  マメ例↓ (↓松本平の最高クラスなクラフトビール ↓土日に向けて布団干し)

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時は梅雨明け直後の、8月第一週の、土曜日。

テントの無い身でどちらを選ぶかなんて・・・ それはもう・・・・

それでも一応ヒュッテで試しに「どちらの方が混みますかねえ?」「予約はどんなものですかねえ?」と尋ねたら―――

「確かに大天荘の方がメインルートです」

「こちらは、今日は一人で一つの布団を使えます!」

決まりです。久々の山小屋泊は、大天井おてんじょヒュッテで!(素泊まり1泊7200円)

 

その前に―――――――――――――――――――――――――

まだ14時前なので、昨日スルーした「牛首展望台」(H2,766m)へ行くことに。

タイム:登り10分(15m)/降り6分(10m)、標高差:約120m、距離:約4km

  小屋のまん前の 登山口↓        ちょっと登ると、小屋の全景↓

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小屋からの標高差は約120m。それが「片道15分」って中々の急斜です。でも整備はされてる↓                 山頂あれかな?↓

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      「牛首展望台」山頂(H2,766m)↓  あ!お社がある☆☆☆☆☆

f:id:wistorian:20110102065508j:plainちょっと「チベットちっく」な柄の黄布が巻かれた標識が「修験道よりもっとカルト?!」な期待をさせておいて、お社はただの「大天照皇大神」。ち・・・っ 明治の余波がこんなとこまで!(それとも喜作の氏神?)

  あれは燕岳↓    目の前に、昨日通ってきた路↓(誰もが的に)

f:id:wistorian:20110102065733j:plainそして今日、通ってきた路↓    東鎌尾根↓       半見えの槍↓

f:id:wistorian:20110102071415j:plainそして明日、朝日が昇ったら↓行く山(大天井岳

f:id:wistorian:20110102065613j:plainんん?小屋から山頂への「直登っぽい↓ジグザグ路」が見える・・・ 獣道?

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      ←↑燕岳への巻き道        西分岐↑  ↑小屋この辺

                  大天井岳の右手奥には、私の常念

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 ↓高瀬ダム湖もよく見えた     確かに眺望◎!f:id:wistorian:20110102071758j:plain

でも、牛首山(H2,553m)は一体ドレだったんだろう・・・??

 

ここにお酒持ってくれば良かったな~ 昼寝しようかな~と思ったのですが、さすがに真夏の直射日光は強すぎた。顔や首がヒリヒリしてきたので、10分で下山。。

 

さて。小屋泊は、成人してからは「仕方なく」(テント装備を忘れたとか、テン場が無いとか)の場合だけで、この10年では2回くらいしかありません。小屋泊の度に、夜遅くまでヘッドランプで本読んだりプラ袋の荷物をガサガサゴソゴソしたりするおカバさんとか、病的なほどの大音量イビキで迷惑な男性とか必ず居るので、印象悪い。(イビキに関してはテントでもかなり聞こえますが・・・同室内では耳栓も利かない)

でも結果的にこのヒュッテ、凄く良くて!

 

もともと北アの小屋は、日本でも最先端で至れり尽くせり。トイレはバイオで綺麗だったり、衛星テレビが見られたり公衆電話あったり携帯充電も可能だったり、乾燥室はカンペキで休憩室は綺麗で、水は無料でいくらでも汲めたりします(その分、値段は高め)。反面、「山の良さ」も何もあったもんじゃありません。。。

このヒュッテは、バイオは一基だけで基本ボットンだけど綺麗だったし、テレビはあったけれど食堂ではなく小さい休憩室に設置されていて、山の雰囲気は損ねてない感じ。昨日干していた寝具はコダワリの品っぽくて、綺麗で新しめ(「発熱するから温かい」なんてタグが着いてる・・・)。

プラス「気遣い」がある!

まず宿泊部屋が布団6組敷ける広さになっていて、どうチェックインしようと「女性だけ」にしてくれたり、希望を聞いて「グループ部屋」にしてくれたりします。

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いや、接客業ならそれくらい当たり前なんですけどね・・・・山では当たり前じゃないもので。。。八ヶ岳なんかは繁忙期でも無いのにチェックイン順に有無を言わさず詰め込まれたし、布団も汚かった。。。

 

そして、部屋が汚れないように「ザック類は室内持ち込み禁止」。廊下にザック用の棚があり、荷物整理も廊下で! 素晴らしい!! 同室の人(燕山荘前泊)も「この小屋いいわねえ」「今まで泊まった中で一番綺麗」としきりに感心。あ、でも、携帯の電波はドコモでも入らなかったようです。iPhoneなんか当然ダメでした。

 

17時からの夕食(2R制)も落ち着いて、 20時消灯。

予想通り同室人のイビキが始まりましたが、小柄な女性だからか音はささやかなもので、気になりませんでした。ヒュッテ経営者の心配りに、感謝・・・・・・!

 

<最終日> 大天井岳常念岳 ~前常念・三股ルート~

タイム:縦走:2時間35分(常念山脈/4h40m)/下山:2時間40分(三股ルート/5h20m)、

標高差:UP約800m/DWN約2,080m、距離:縦走6.5km+下山7.2km、

日程:8/5日曜日、晴天!

 

小屋の朝食が5時のため、皆さん4時過ぎにはゴソゴソと動き始めます。

今日は7時に出発すれば余裕なのですが「まあいいか」とこちらも早起き。のんびり朝食を摂って、5:45、出発。↓牛首展望台       西分岐↓「常念岳5.5km」→

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 この5.5kmというのは、たぶん常念乗越までの距離だな・・・↑

 今日は天晴れ!↓   昨日通った喜作新道↓        槍っ↓

f:id:wistorian:20110102225806j:plain小屋からはずっとこんな↓岩ゴロの右巻き道を登り。槍眺望はどんどん良くなる

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つい、似たような写真撮りまくり ↓ナイス北鎌    ↓薬師の方(アコガレ

f:id:wistorian:20110102233859j:plain    小屋から40分(40m)で、大天荘だいてんそう(H約2,870m)↓  敷地すごく広い・・・f:id:wistorian:20110102234120j:plain

 小屋の背後が山頂↑      右手にはテン場↓  フラット!

f:id:wistorian:20110102234219j:plain次はここ泊まりたいな・・・でも、やっぱりビールはイマイチなラインナップ。周辺にはまだチングルマがピーク気味に咲いてました。

ここから、ちょっと前常念チックな↓大ガレ白岩の道を登って・・・・・

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      小屋から6分(10m)で、大天井岳おてんしょだけ(H2,921.9m) !↑↑(社は熊野系)f:id:wistorian:20110102235125j:plain  うん、もうイイ・・・ こんだけ見れば↑↓ もう下界に還ってもイイ。

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 表銀座全景↓↓          燕岳↓これ?   じゃあこれ↓は蓮華かな…

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     穂高↓     ↓喜作新道と東鎌尾根全景↓    ↓槍め・・・

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しかし、ここでも電波入らず・・・予定通り明日出勤するよって、上司に連絡しなきゃならんのに。。。

山頂から3分で戻り、小屋↓とテン場を後にして・・ってここも眺望いい!↓

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いよいよラストの常念路↓(勝手に命名)へ。    ずっと見えっぱ↓f:id:wistorian:20110103001805j:plain     最初は緩やかに稜線を↑天空散歩・・・・・・  振り返ると大天荘だいてんそう↓ 牛首展望台はもちろん、↓五色が原や↓↓裏銀座立山↓↓↓↓まで!!f:id:wistorian:20110103001839j:plain とにかく緩い↓   例の虫が入ってるみたいな花↓も珍しく群生していて・・・

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「のどかでライチョウなんかも暮らしやすそうなとこだな~」と思っていたら・・・

   うわ、出た↓

f:id:wistorian:20110103002946j:plainしかも7羽もの子連れ・・・ヒナ↓が人間の前後(しかも登山道上)にワラワラと

f:id:wistorian:20110103002907j:plain生存率2割だというのに、この警戒心の無さと言ったら・・・  この先で東大天井の山頂直下を右巻くと↓ 雪田が見えて東へガガっと降るルートに。↓横通岳と常念岳

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ここからの降りは繁盛したハイマツ樹林帯で、途中に廃道が幾つもあり、昔は全然違うルートだった模様。 ↓東大天井岳 右へ行って→ここから↓降り。 廃道の一つ↓

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この斜面↑の植生が結構面白かった。

再び登りになると次はガレ気味↓、広いのでここで休憩。東側がかなり削げてる ↓↓

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横通岳↓を右巻くと、いよいよ常念乗越に向って急激に降り↓

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槍方面はずっとアッパレなのに↓  東側はモックモク~・・・↓

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小屋の赤い屋根↓が眼下に見え、最後は荒れ道の樹林帯へ↓ ここ歩き難い・・・

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大天荘だいてんそうから1時間50分(3H)で、8年振りの「常念乗越」↓(H2,460m)

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この常念小屋も評判悪いのですが、初めて中に入ってみると西岳と同じく「田舎の古い人の乱暴な物言い」なだけな感じ。ただ、小屋の中年スタッフにルートの質問をしたら「やだそんな巻き道知らな~い、危ないからやめてやめて~」「遭難でもしたら救助に行かなくちゃいけないし~」だと・・・「いえ、来なくていいです」と言ったらキョトンとしてましたが。。。「山小屋は緊急避難や補導所の役割も兼ねている」んだから、小屋で働く以上は「山を把握する努力」をするなり、わかる人をきちんと呼ぶなりしてほしいな。。。まあ、人気小屋にそこまでのプロ意識は期待していないので、この「石室からの新しい巻き道」については後日、自分で検証します。

体力も時間も残っているし、久々に山頂経由しますか=3

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少し登ったところから、↑小屋            テン場↑      乗越↑
あの森林帯さえ無ければ良いルートなんだけどなあ・・・

標高差400mのこの斜面↓が一番急。ガスが晴れて、横通岳もくっきり↓ 暑い・・・

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常念小屋から50分(1H)で常念岳山頂↓(H2,857m) 人多。。

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さて、休みが取れるから思わず来ちゃったけど、8月上旬にこの山域は非常に暑い!晴れ予報を狙ってここまで実際メッチャ晴れて、しかもどんどん南下したから今日は最高に暑い。まして下界はもっと暑いので・・・下山したくない~

でも前常念のこの尾根↓は大好きなので、とりあえず石室へ・・・ ↓美しい

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これが例の、石室の前にある「新しい巻き道」の看板↓ かすれて読めなくなっていたので、設置されたらしき年(2014年)↓の画像を。

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   看板には「常念小屋まで1.5時間 八合目経由」 

下の「常念小屋」の板は「昔の巻き道分岐」(ここよりもっと上)に設置されていた方向指示板なので、右に行けば巻き道なのかと思っていたけれど・・・巻き道にしては1.5時間は長すぎる。もしかして「八合目」というのは山頂直下の「乗越からの道との合流点」のこと・・・??でもあそこは八合目というには上過ぎるし・・・

前常念のいつもの岩で、いつものように長めのコーヒータイム 30分くらいゴロゴロしていると、単独男性がヨロヨロヨロリと下山してきました。心配で声をかけると「こんな岩ルートだとは思わなかった」「登る時に岩で道に迷った」「一緒に下山してくれませんか」。誘われた。この岩がイイのになあ・・・ ↓下から前常念方面を撮影

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無事岩エリアも終わり、尾根出合いで単独男性とサヨナラした後はゆっくり下山。テン泊装備で通過するのは初めてなので、もともと危ない左膝をこれ以上壊さないよう、時間をかけてゆっくりと・・・ これが結構難しい

 

常念山頂から2時間40分(5h20m)で、「三股登山P」帰還★

 

総合評価

燕~常念間はお気楽縦走にイイ感じ!また通りたい!!!

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槍は、次は西鎌からか穂高からか・・・東鎌るにしても、槍沢から。