Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

● Iターンでマイホーム <3> ~注文住宅の怪~

実家生活22年、賃貸生活20年。
 
その実家はWが小学生の時に平屋から2階に建て替えられたのですが(セキスイ)、新築に住んでみてガッカリしたのを覚えています。画一的な洋風内装。面白みの無い間取り。当時流行した「出窓」や「天窓」と陽射しが良い分、夏はすごく暑い(この時はまだ、ペアガラスも断熱材も常識ではなかった……)。2階に至ってはもう、灼熱地獄。しかも壁紙もカーテンも、大嫌いな花柄!!
その2階の洗面所は出るはずのお湯が出ず、「だったら要らなかった」くらい。
2階建てで広くはなったけど、収納力が低いから外に倉庫設置。
うわーアホくさ。
 
金かかってる割には、不便………
こんなんじゃ、前の平屋の方が良かったのに――。
 
親には言いませんでしたけどね。。。
その分「自分だったらこんな失敗はしない!」と、小さい頃からマイホームについてよくよく考えていました。
実家を出てから越県引越しを10回以上重ねたので、コンクリマンション、木造アパート、一軒家(純和風平屋)シェア、一軒家(洋風レンガ造り・平屋・暖炉付)、ホテル内、長屋(現在ここ)と、色々なタイプの家(部屋)に居住しながら良い点悪い点をチェック。海外ではメキシコのコロニアル風建築(街中に建てるならこれ!)や、英国統治時代のパテオ建築にも。更に知人や親戚で誰かが新築したと聞けば積極的に見にいき、比較検討。
 
そういう積もり積もった経験から、自分の好みは「平屋」「オール引き戸」「屋内外から入れる土間収納」で「和風」と、30代で明確に。   ※優先度順
プラス、利便性を考えて「ビルトイン」(住宅屋根と駐車場屋根が一体)です。
 
曾/祖母から関東大震災の話を聞かされて育ち、阪神中越・東日本(そして4月に熊本地震)と見聞きした日本人としては、わざわざ田舎に2階建てなど愚の骨頂。
まして一人ですよ、一人暮らし。
2階屋なんて、一体誰が掃除するんだ……!!
 
間取りの好みもうるさいし、田舎の建売やHMには2階建てしかないので、必然、注文住宅になりました。
 
  注文住宅  
建売に比べると基本、1.5~2.5倍の値段だそうです。
更に別料金のカーテンとか照明をこだわってしまうと、3倍位になるという噂……
 
幸いお世話になる工務店はHM化の途中のようで、注文住宅なのですが「施工面積(坪)定額制」
標準的な装備ならなんと、カーテンも照明もエコキュートもシステムキッチンもオール込み! ここに決めたのは偶然ですが、ホントいいとこにめぐり合えたものだなあ……
しかし、平屋は100万増し(笑)
 
  施工面積    →1坪=約3.3平米  度量換算
太陽光を乗せるとしたら、屋根面積(施工面積)が最低16坪必要です。
  定額で1098万円。」
「……じゃあ、とりあえず16坪で」
 
件の住宅セミナーでは
「とりあえず電源だけ屋根に設置しておいて、太陽光発電は竣工後に考えても良い」
と言っていたからそうするつもりだったけど、まさか最低屋根面積があるとは・・・???
大体、太陽光も絶対欲しいと思ってないし、今住んでいる35平米の長屋でも広いのに、16坪(53平米)も要らないよなあ・・・・・・? あ、でも「ビルトインを含めて16坪」で丁度いいのか。う~ん・・・・・・
 
と悩んでいたら、「すまい給付金」「住宅ローン減税」の対象条件が「延べ床50平米以上」(「ビルトイン」は延べ床に入らない)と判明し、当然
 
W 「16坪で!」

ってか、こっちが坪数で悩んでるの知ってんだから、アドバイスしろよ、A社!!
  ※「施工面積」に入るけれど、「延べ床」に入らないもの
     屋根、ビルトイン、ベランダ、縁側、ポーチ 等
 
  間取り  
さて、住宅ローンの「本審査」に必要な書類の中に、「見積もり」「図面」「配置図」があります。
土地が決まったらその土地代支払いの為に普通はすぐに本審査しないとなりませんが、大体の間取りや設計図が決まってないと借りられないってことです。
※だからと言って土地と住宅のローンを分離して借りると、手続きも手数料も2倍。
 
Wの場合は土地がこの工務店名義だったので、いくらでも猶予がありましたが……
通常は「土地が決まってから着工までの期間」が長いと、色々不利。
 
実は件の住宅セミナーで言われました。
「土地が決まってから家の設計をしましょう」
「自分で設計するのはやめましょう」
って。
 
でもそれだと、何度も何度もプランナー(設計士?)と打ち合わせしないといけません。
ヒアリング力がないプランナーだと、こちらの言っていることをまるで汲めなくて、それこそとんでもなく時間がかかります。
大人しい施工主だと最悪ですね。自分の意見を言えないので、時間をかけてプランナーに図面を作らせておいて、土壇場になって「やっぱりこれじゃイヤなんです」なんて言い出す……(伝聞です)
 
例え間取りが決まっていても、2Dの紙ベースで遣り取りです。
それはもう、ものすっごい時間がかかる
目の前にPC置いてCAD画面開いて、その場で直してくれればすぐ決まるのに……っっ
 
やっぱりある程度自分の希望を図に出来ないと、デメリットばかりです。
 
の場合は、既に希望の間取りも譲れない点も何年も前から決まってます。
一応1回目の打ち合わせでは黙っていたのですが、ヒアリングを全くされず……2回目の打ち合わせでいきなり勝手に作った図面を見せられたので、自作の間取りプランを提出。A社プランナーE、あっさり承諾。
 
「強度の面でダメなことって無いんですか?」
「そこは計算して、梁を余計に入れるとか筋交いを組むとかで工夫しますから~」
 
定額なのに、いいんだそれで。
 
土間収納は家からもPからも入れる設計で、屋内は段差ナシ、間仕切りもほとんどナシ。
トイレは車椅子が回転できるくらい広く、キッチンは踊れるほど広く。
リンビングは梁を出したままにして、簡易仕切りや蚊帳を設置できるように。
ベランダ・縁側・サンルーム・デッキは、あっても絶対使わないから不要。
 
自分のライフスタイルが確定された40代だからこそ、断定できると言えましょう。
これが「誰かと住む家」だと複雑だし、子供が居ると「成長を予測して変化するライフスタイルに合わせて」なんて
面倒なことを考えないとなりませんが、シングルはシンプルです。
「ブランドのキッチンに陶器のシンク」とか「カナダから煉瓦を取り寄せ、木材はオール国産で」とか、そういう変なこだわりも無いですしねー(笑)
 
しかしいくらコダワリが無いと言っても、言ったことと違うものを平気で作られるのはイヤです。
 
「棚は90cmの高さのものが入るように」
って言ったのに、「棚の高さ90cm」にしやがって(棚板の厚さが3cmあるから、87cmのものしか入らない)。図面の数値じゃこっちはわかんないし、現場でたまたま居合わせたから良かったものの・・・
 
この他にも「チェックシートも無いのか?」「今更言われても着工後でもう変えられないじゃん!!」ってことが何回かありましたが……ああそう、安いってこういうことなんですよね。
安い分、自分が気をつけて見張ってないといけない です。
 
 
  設備面  
間取りが既に決まっていたので余裕綽々、油断していました。
注文住宅には、自分で決めないといけないことが他にもたくさんあったのです…
 
   水道光熱関係                           
まず影響が大きくて慎重になるのが、これです。一番悩みました。
 
< 太陽光発電 >
「太陽光はパナソニックの認定を受けてます。設置に400万かかりますが
  10年で元は取れますよ」
「400万?? い…要りません
「勿体ないですよ!災害の時も自家発電できますし!!」
 
だから「最低坪」って何? しかも認定って?? 
認定なんて無くても、屋根に強度さえあれば設置はできるよね??
それに、三菱なら200万かからないのに、なんでパナ~??
 
そこら辺はA氏に聞いてもハッキリした答えが来ないので自分でよく調べたら、「元が取れる最低面積」という意味だったようです。他社だと確かに設置料金は安いけど、元を取る発電量を稼ぐには「最低32坪」。
それがバナだと16坪で、「認定」もされているとか。
 
この「認定」というのは「売電価格保証」の認定だそうで・・・電力自由化でH28では¥27/kwまで下がり、この先もどんどん下がると予測される電気が、今後20年間¥32/kwで買い取ってもらえるそうです。だから高いのかあ・・・
ここの年間平均発電量で計算したら、うわ、パナでも全然、お得……
 
「モジュールの保証年数は?メンテ保守は?20年後の消耗発電率は?!」
「25年です!20年です!2割です!!」
 
く……っ デメリットが無い……!!
 
実際太陽光を載せた千葉県野田市の妹に聞いたら
7年で元取れたよ!電気代すごい安いよ!災害時も日中なら使えるし!」
 
ローンの審査も降りたので、設置することにしました……

< ガスはどうする >
「標準装備はエコキュート(オール電化)です」
「え…ガスはダメなんですか?」
「標準料金内でガス(エコジョーズ)にもできますけど……
  プロパンは高いですよ?」
 
くううっ……確かに
魚を美味しく焼きたいのでガスコンロにしたかったし、「夜動く電化製品」「使いきるかわからないお湯を沸かして貯めておく」という行為が不自然でイヤ(だからうちには湯沸しポットも電子レンジも無いし、東京に居た頃は洗濯機も冷蔵庫もなかった)なんですけど、プロパンの高さにはくじけます………
 
ネットでいくら調べても、メリットデメリット両方載っていて、決定打が見つからず、決まりません。
再び、オール電化住宅(プロパン地区)の妹に電話。
エコキュートいいよ!お湯が足りなくなったことなんてないし、魚も美味しく焼けるよ!」
 
と、サンマをコンガリ焼いた画像を送ってくれました。
そうですね、安さと災害対策には勝てませんわ…… トホホ。
 
なんだか、思い描いていた(小さくて古臭い家にしたかった)のと、違う方向になってきたなあ……
あ、暖炉は「あれって結構掃除が大変ですよ」の一言で止めました(笑)
 
   水周り設備                              
まだまだあります、注文住宅。
普通の人なら「選ぶのが楽しいところ」らしいのですが……
 
E 「キッチン、バス、トイレ、洗面台は、どれがいいですか?」
「標準装備でいいですけど…
E 「標準で4社(クリナップ、TOTO、タカラ、LIXIL)から選べます会社毎に選べる
  色や形が違います。扉や形を変えるオプションも可能です。ショールーム
  見て決めてください」
「えええ?!カタログ見て決めちゃダメなんですか??」
E 「それでもいいですけど……カタログで決める人なんて居ませんよ? 皆さん、
  必ず実物を見にいってます。」
 
なに、この脅迫観念。。。(誤字ではない)
 
既に一軒家を建てた妹や知人に聞いたら
見にいった方がいいよ!全然違うんだから!!」
「見て決めないと、後で後悔するよー!!!
 
私、この部分に全然「夢」がありません。なので「バスは浅くて長い」「キッチンはコンロ左」な条件を伝えれば、業者さんが選んでくれるもんだと思ってました。。。。トホホ・・・・・・
 
見に行けと簡単に仰いますが、その工務店の標準仕様がどれだかは店に行ってもパっと見わからないので、いちいち予約して担当者の説明付でまわらないと何もわかりません。しかも土日はメッチャ混むので「予約できる週末は1ヶ月後です」。この為に有休を何度も使うハメに……
 
行ったら行ったで、シンクの材質やシャワーの種類も全部違う。バスタブの形はこっちがいいけど、パネルの色はこっちのがいい。同じ「開き戸を引き出しに変える」でも、値段が全然違う。
メーカーによってメリットデメリット混在。カオス。
しかもショールームには標準金額内のものより素敵なキッチンや洗面台が沢山あって、雑誌に載っているようなステキ生活がイメージできる商品がてんこ盛りです。
これに酔っていると、お金がいくらあっても足りません。
 
ここは冷静になって、よく考えてみましょう。
それを掃除するのは誰? ホテルで優雅に使うならともかく、日常でそれってホントに必要? 今までだってとてもいい設備があったけど、有意義に使ったっけ???と。
 
件の住宅セミナーでも、
「夢の家に人生を合わせるのではなく、自分に合った生活に家を合わせなさい」
と言っていましたよ。(=「夢優先で失敗した奴が山ほど居る」・・・ということだ・・・・・・)
 
つまるところ、「人も羨む雑誌のような家」は確かにステキだけど、そういう”ステキな生活”を死ぬまで何十年もまして今何十万も使って、あなたは最後まできちんと酔えるのか?って話です。 いやあ~ムリムリ
 
「水周り設備は40年も持たないので、そこにお金をかけてはいけない」
とも言ってましたもん
 
そこまで決意していても、後で「え、こんなのあったの?!」と後悔するのがイヤなので、ひと通り見て話を聞いて、各社の相違点の見比べ図を作り、考えて考えて……反動でうっかり力尽き、「標準価格内なら、もう何でもいいや…」と思ってしまう自分が居ました(笑)
それでも腐った脳で頑張っていると、あれ?このシンクはどうなってたっけ?これを十cmずらすのはオプションだって言ってたけどいくらかかるの??ああっ必要ないけど気になる!!! と泥沼に――
 
オプション価格を尋ねると、4~5日かかって見積もり書が届きました。遅っっ!!
 
そうやって得たデータを、エクセルで一覧化し、2~3日かけてベンチマーク
ああもう、登山シーズン始まってんのに!!(←4月)
 
   こまごましたこと                         
そうやって何とか水周りも決めて、床材・壁紙・天井・建具(備付けのカウンターや靴箱、クローゼット等)・外壁・屋根も決めた。よし、終わりだ!
やっと登山と原稿が出来る~ と、思ったら………
 
後から後から、色々色々ありました、注文住宅
 
E 「巾木の色はどうしますか?下枠は?窓枠は?框は??」
「え……? 壁紙や床に合わせてコーデディネートしてくれないんですか…?」
  何のためのプランナーなの??
E 「してもいいですけど・・・・・・自分で決めないと後悔しますよ?」
 
いやいや、自分で決めたって後悔はするだろ……
なんたって小さい布キレや板キレのサンプルだけで、部屋全体のカラー画像をくれないから、全部想像と妄想だもの。素人のカラーコーディネートには限界がある。(一応、東商と色彩の2級は持ってますが・・・

仕方ないので、またまたエクセルで3D画作成。うん、形はカンペキ。
ああでも、エクセルじゃ色の再現ができない……(持ってるんだから使え、CC!)
 
それだけではなかったのです。
 
E 「照明器具は?そのスイッチの位置は?」
 「コンセントの種類と位置どうします?」 ←着工後!
E 「破風は?雨樋いは?玄関のタイルは??」「外水道の位置と高さと…」
 「あ、下壁は??」 ←上棟後!!
E 「障子枠の色は??」 ←竣工一ヶ月前・・・
 
………「標準」の選択肢が広すぎる……
というか、どうして最初に訊かないの???  後出し大魔王め
 
もう、イヤになってきた。
建売の平屋さえあれば、こんな苦労は……
(このプランナーEは他にも色々やらかしてくれて、他の人も酷い被害に遭うだろうなってレベルだったので、最終的には本部へクレーム)

 

 「地鎮祭はしますか?こちらで手配すると4万円ですが」
「あ~勿論しますけどね……、安曇野市神職在勤神社は穂高神社だけですよね。
  自分で手配しても同じでしょう?」  ←もう投げやり
 「いえ、こちらで手配するのは御嶽神社です」 ←単立。祭神は大貴己と少彦名
 「お願いします……!!
 
あ、ちょっと楽しさ復活(笑)     ↓御嶽式~

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