Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

北ア・燕岳(長野県) ~合戦尾根/東沢ルート~

 とりあえず、松本から近い北アの「メジャー処」 (日帰りで森林限界)でも登っておくか!
 
ということでリストアップされたのは、「常念岳・燕岳・蝶ケ岳」。
これら3岳の共通点は、「松本市安曇野市の中学生が、学校登山で登る山」。
中でもココは、一般登山者にも大人気です。
 
★★★★★★★★★★★★★燕岳(2,762.9m)(長野県安曇野市)★★★★★★★★★★★★★★★★★★
登山タイム(/標準コースタイム):登り3時間15分(合戦尾根ルート/4h40m)---降り3時間(東沢ルート/5h)
標高差:約1,300m  距離:約11.4km  出発地:中房温泉  条件:一人、平日日帰り、晴天
 
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 2015年に登った時の画像↑ この岩のザクザク感がたまらない。

読みは「ツバクロ」岳。 
白馬と同じく、雪形がツバメなので命名。200名山。
因みに、ツキノワグマで首に白い月型が無いのは「ミナグロ」(←余談)。
 
スタート地点の中房温泉は、中房川に沿った県道の終点。ゲートからは11kmで舗装はしっかりしていますが、かなりなヘアピンカーブの連続で、そそり立つ岩壁間際、擦れ違い出来たり出来なかったりと道幅がコロコロ変わるビバ山道。
楽しいです。
 
イメージ 1中房温泉へ近づくと最後に橋を渡るのですが、その橋の手前右にある第二P(3段で40台)に停めました→
8時到着で、空いていた最後の1台分を獲得。イメージ 2

←写真の方たちは、曲がって2台分のスペに停めている車を見て「この人がきちんと停めてくれたら、あともう1台入るのに…」と残念がっているところ。イメージ 11
橋を渡ってすぐ左にある第一P(50台)は、既に満車→
有明荘の裏にも第三P(30台)あり。
 
Pから10分弱、結構傾斜のある舗装道路を登っていくと
↓登山口。H1,462m。
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←中房温泉に入りに来た人や、観光客がウロウロ…。
真っ直ぐ行くと、秘湯を守る会の「中房温泉」ですイメージ 34
 
登山口にある日帰りの掛流し温泉「湯原の湯」→
この温泉に入るだけの人は、すぐ手前左のPに停めてOK。他にベンチ、売店、無料トイレ、登山届ポストあり。

ここから始まる「合戦尾根」は「北ア三大急登」の1つらしいのですが… 初心者ツアーや中学校登山に選ばれるくらいだから、どうなんでしょうね。
 
とりあえず、登山、スタート!
 
しょっぱなから急斜面をジグザグ小刻みに、高度を稼ぎまくります。イイですねえ~。
私としてはせっかくの「尾根急坂」、ジグザグしないで戴きたいと思うところですが、真っ直ぐ行けるような尾根ではないので仕方ナシ。人気ルートだけあって木段も所々設置してあり、整備の良い道が続きます。
30分くらい登るとちょっと緩やかな部分に出て、第一ベンチです。 と、ここで……
 
イメージ 36うわーっ!!
←噂の学校登山に遭ってしまいました
 
それはもう賑やかに騒ぎながら、ダラダラと延々と子供の団体が…教師も全員が登山慣れしているわけではなさそうで、追い抜かしのルールとか知らない模様。先行って下さいって、とんでもない急坂箇所で言うし…
 
ゆっくり登れば休憩変わりになるので、暫く同道。
今日は燕山荘で1泊するそうです。
途中、数人が「先生、俺もうダメ」とリタイヤ…イメージ 35
第二ベンチの後で一斉休憩になったので、一気に全員追い抜かして、→第三ベンチ→富士見ベンチと快調に登ります。登山道は大体こんな感じ→
まあ……普通です。
 
↓富士見ベンチからの遠望。富士山、見えません。
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←代わりに、大天井の稜線
 
↓登山口から2時間(3h)で、合戦小屋。H約2,270m。
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この小屋は宿泊不可の軽食&売店で、ウドンやコーヒーなど、色々出してます。さすが荷揚げ用ケーブルを備えているだけあります。横にテン場と仮設トイレあり。イメージ 6
←そしてなんと、スイカ(1切\800)の屋台が!
 
現在は松本市M&Aされた波田町は、スイカの名産地。観光客が集中する安曇野で売りさばこうという策略でしょうか、松本市内では見ない「波田のスイカ販売!」な季節屋台を、安曇野ではよくみかけます。
 
まさか、山にまで出るとは……
 
確かに、山で食べる果物は美味しいですよね。いや、何でも美味しいんですが…
 
しかし800円……
食べたかったら自分で担いでくるわ…
今年は猛暑でスイカも高いそうですが、やっぱり山値段な気がします。
 
そうそう、フリマで買ったリュックを早速使ってみました。もう、全然違います、重さの感じ方。これなら、ビール2本とか日本酒4合瓶とか担いでも余裕でイケル…!
 
小屋から10分位登ると「合戦沢ノ頭」。H2,489m。ここからプチ森林限界です。
目指す燕岳山頂がようやく見えました。(この右の台形のが燕岳山頂↓)
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白いのは雪ではなく、花崗岩の岩と砂斜面。飛んでいるのは奥多摩のようなハエではなく、トンボ
左手の建物は、燕山荘です。
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ここでもお槍さまがニョッキリと…→
 
この後は尾根が緩やかになるからか、ジグザグせずにH200差を詰めます。

この合戦尾根は、坂上田村麻呂と八面大王が決戦した場所だとか。
 
右手は高山植物山鳥のパラダイス
となっています。
 
 
 
「合戦沢ノ頭」から50分(1h10m)で、稜線に出ました↓ H2,704m。
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左は鷲羽岳(100名山)、正面は水晶岳(100名山)、右が野口五郎岳などの「裏銀座縦走コース」。大町市です。
イメージ 10←ふと左を見ると、燕山荘
 
途中同行となった方によれば、
 
  「雑誌で ”泊まりたい山荘No.1”になった、
   登山者憧れの山荘」
 
だそうな。
 
合戦小屋や有明荘、大槍ヒュッテと同じ経営者だとかで、初心者用の冬山教室や雷鳥観察会なども精力的にやっているそうです。
 
しかし、収容600人。 ……そんな山荘イヤだ……
何やら山荘からホルンみたいな楽器の演奏が聴こえてきますが、先を急ぐのでスルー。
 
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ここから稜線に入るのですが、またしてもガスが昇ってきてしまいました。
真正面に見えるはずの山頂は、常に雲隠れ。
独特な岩造の美しい山頂なのに…なんて残念……
いつもガスは、松本(東)側から昇ってきます。
 
しかし岩と砂地で、ステキな風景↓→イメージ 13
コマクサの群生(栽培?)も多く、至るところにホシガラス↓が飛んでいます。
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↓山頂の証。狭いです。既に周囲は真っ白。
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いつも通り山頂ですることは無いので、5分でおさらば。
※後日登ったら、山頂手前はどこを通ってもいずれは山頂に行き着く多様な岩迷路でした。楽しい…!
 
下山は燕山荘へ戻らず、更に北へ行きます。
 
このまま下山したらまたしても早すぎるし、合戦尾根は人が多いし、同じ道を帰るのもつまらない。
車があるから元のPへ戻らないとなりませんが、燕は幸いそういうルートがあるのです。
実はそのルート地図上に書かれた「ハシゴ」なんて、ステキな岩場を想像させる単語に誘われて…(^^;)
 
イメージ 37←燕岳から北は晴れ。先程より広いコマクサ群生地(栽培地?)があり、散策路が整備されていました。イメージ 16
北燕岳→
ここを右巻きする道はお花畑斜面をだいぶ降ってまた登るようになりますが、少々悪路。
お花畑は綺麗なんですけどね…
 
 
 再び稜線に出て、後ろを振り返ると……
 
↓お槍さま(右手奥)をバックに、北燕岳の岩稜が。
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イイ岩ですねえ~。この花崗岩風景は、燕エリア独特だそうです。
パっと見「前常念の岩」に似ているけれど、実際はもっとガラス質な結晶が表面に出ていて、素手で触ると少々痛いくらい。。。
 
イメージ 18←最後に看板が出てきて、ここで稜線は終わり。
下山開始となります。
 
因みに、地図上の例の「ハシゴ」↓
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………騙された!!
 
この最初の下山斜面は「遅くまで残雪あり」となっているだけあって、高山植物は最近咲き始めたばかりのようなフレッシュさ。綺麗です。一面のチングルマ
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しばらくすると、森林へ入ります。
あああ……帰りたくない…
イメージ 22稜線から40分(1h10m)で「東沢乗越」。H2,253m→
中房から登ってきた時の向きで撮っています。
ここを右へ行くと東沢岳や餓鬼岳で、左が燕岳。
 
ここから急斜面↓(下から上を撮っています)
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ジグザグはしますが大きく急で、30cm幅の砂道急坂。かなり滑ります。当然、脆い。これは登りも大変だ…
しかも谷側は笹で隠れていて、降りでうっかりズルっといくと、そのままスルっと……  ズバリ悪路。
地図には「急坂。降り注意」。ホント、要注意です。
これなら、合戦尾根の方がずっと楽。
帰宅して別の地図を見たら、「上級者向き」となってました。確かに…
イメージ 24
やっと砂急坂が終わったところで、沢に出ます→
この上には小屋など無いので、水は綺麗。ここで、カラになったペットボトルを満タンに。荷物を重くする為もありますが、この水で下山後の足を洗うのだ♪
 
沢を渡って左岸の山道に入りますが、やがては沢沿いの道(というか、沢の「水の無い脇の部分」)を降るようになります。岩ゴロゴロ。
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←「東沢乗越」から30分(1h)で「北燕沢出合」。
H1,820m。(地図上では「西大ホラ沢出合」)。

ベンチも何も、休憩するようなスペースさえありません。
そう、こちらはマイナールートなので、あまり整備されていないのだ。(この8月に誰にも遭わないなんて…)
 
この後、一旦沢から離れて、左岸の急斜面を登ります。で、また沢に向かって急斜面を降り。ココ、ちょっとキツイです。
イメージ 26「沢出合」から40分(1h)で「ブナ平」。H1,720m→
ここも同様、何も無し。
イメージ 27
又、道に設置してあるハシゴや橋は古く腐っていて、脆いです。踏み外すか折れるかしそう……
←こんな新しいフリをした回廊さえかなりグラグラで、「これ、そろそろもげるよ?」な感じ。
 
沢も何回か渡りますが、有名ルートの様な丸太橋なんてありません。川中の岩は妙に滑ります。
地図には「残雪期の初心者入山禁止」。
 
あと、下山だと一箇所わかりにくい処があります。
沢を下っていくと砂防堤にあたってしまうので、「ここは川を渡って右岸?」と迷う地点です(右岸に踏み跡が見える…誰か行ったな…)が、よく見ると遠くの堤のコンクリ左手に、↓白い丸印が… イメージ 28
今まで赤い丸印だったのに、どうして白にするのかなあ…(-'-;) この丸印の上を越えると、下に降りるハシゴがあります。
イメージ 29
←地図上の「吊橋」。
何ですかこの、片側一車線優遇の橋桁は……イメージ 30↓↓
予算不足? それともトラップ??
 
ここから、沢の右岸を緩やか~に歩いていきます。
岩も混じっていない土の道なので歩き易い。登りに選んだら、最初は優雅ですね。
 
終盤、沢から離れて、未舗装道路に出ます↓
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そのまま降りていくと、中房温泉の宿泊棟の横を通って、建物正面に出ます。
看板の右が登山道↓
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このルートを登りたい場合は、中房温泉の建物を目指して、この看板の右横に入れば良いわけですね。
 
中房温泉から舗装道路をやや降りると、朝のスタート地点。「ブナ平」から40分(1h)で、登山口へ帰還。
ちょうど15:30でした。
 
 トータル滞在時間は7時間15分。
 
今日の目的の北ア三大急登はそんなでもなく、高度をガンガンあげられるルートで整備良好、簡単快適。
思いがけず燕岳の稜線の岩景色が綺麗で、これまた満足。
 
今まで爪を庇う為に変な歩き方をしていて、それが定着した為に膝にも影響が出ていたのですが…
先日の「かもフェス」で正しい姿勢を復習したおかげで、今日は靴の当たりもなく、膝も快調です。
中々良い登山でした。
 
ツアーではない若者グループ(二十歳前後?)がやたら多いのは、燕山荘との関係ですかねえ…
 
さてさて、今日の温泉。
最近「高温源泉の掛流し」ばかりで疲れの取れない入浴が続いたので、完全掛流しは避けてみました。中房温泉は空冷などで湯温を下げてはいるそうですが、念のため…… 注湯直前の加水(沢水!)アリの有明荘へ!
 
イメージ 33Pから400mほど降ると、左手にある有明荘
内湯はヒノキ風呂で、温度は45℃くらいの設定。
うう、ちょうど良い…(TT)

脱衣所や洗い場の設計が良くて使いやすいです。平日だからか、人も少なくて快適。目のこまかい網戸があるので窓は全開、風が入ってきて内湯でも涼しい~@
露天はちょっと熱めで、虫が結構浮いているので早々に退散。網を置いておいてくれれば、自分たちで取れるのですが… 露天にも洗い場あり。
シャワーのお湯は温泉、水は沢水だそうです。
オススメ!
 (\600、10~17時、4月下~11月下営業。アルカリ性単純温泉、71.6℃。リンスinシャンプー、Bソープ、 ドライヤーあり)