★北ア/表銀座(1)・燕~西岳~槍ヶ岳
常念押し(三股ルートに限る)な私Wは、季節を変えて毎年2~3回は常念へ登り、燕にも足慣らしと称して年1は登っております。が――――――実はまだ、あろうことか、燕~大天井~常念の所謂「表銀座」(超・メジャールート)を通ったことが、ありま、セン。
なぜならばソロで避衆派で車移動で、「体力は払うけど金は払わない派」だから。
三股P、公共交通機関が無いんですよねえ・・・(=>タクシーで片道¥6000位?)
幸い燕岳の登山口には公共のバスがあるので「いつかは通る!!」と極力金を使わない方法をしつこく考えて悩んで幾数年。。。珍しくしっかりした長い梅雨が明けた直後の2019年8月最初の週。偶然、晴れ予報期間にドカンと有休取れるタイミングが来たので、行ってきました!
標高差:UP約m/DOWN約m 歩行距離:合計約km
登山口:中房温泉 下山口:三股P 条件:一人、晴天、オールセルフキャリー
日程:2019年8/1(木)~3泊
この山行、前半のキモは 交通手段(車)の配備です。
① バス停に荷物をデポ
まず初日(平日)の朝5時半、車で穂高温泉郷にある「しゃくなげの湯」へ行って、登山用P↓(北側の第5P、無料)へザックを置いてきます。こちらは南側の第1P↓
先着1台だけ↑ 穂高駅の登山P(無料)より、こちらの方が空いてるかも。
こんなの取っていく人も居ないと思うけど、一応日陰になるような外灯ポールの下に、鍵付ワイヤーで固定。
② 三股Pに車をデポる
さすが平日6時。最奥の三股Pが、まだ10台くらい空いてました(夏の土日は5時でもムリ)。なるべく長時間木陰になるような場所へ車を停めて、積んできた折り畳みMTBを出します。前の車(カローラレビン101)だとかなり工夫しないと積めなかったのですが、新車(フィットRS)は荷室がフラットになるので楽々
③ 自転車でバス停に戻り、バスに乗って登山口へ
念のため空気圧を再調整し、来た車道を一目散にくだります。点滅ライトをつけっぱにし、熊対策に鈴を鳴らし、途中にあった大きな落石をどけながら・・・この三股の林道は二箇所ほどアップダウンがあるので大変かなと思ったのですが、白沢に比べたら全くの無問題。MTBでも普通に座ったまま漕ぎ登れました。良し!
対向車もあるので慎重に進んでも、この林道区間は15分もかからなかったみたい。「ほりで~ゆ~」のあるゲートへ戻って「あづみの公園」を抜けたらT字路を左折、穂高地区へ向かいます。この区間も全体的に下りで、大したアップダウンは無いのでラクラク。おかげで「しゃくなげの湯」P到着は7時。しまった、早すぎた。。。ここから中房温泉行のバスが出るのですが、次は8:30発です
かと言ってこれ以上遅いと三股Pには停められない。こんなんだったら、もうちょっと早く出て6:40発のバスを狙えば良かったな。。。
仕方ないのでザックを外して自転車をポールに繋げ、周辺↓を散策。
凡例に「バス停↑アイコン」はあるのに、地図上の実際の場所に無い・・・置忘れ??中房行のバス停は、薄くて丸くて黄色い「芝生ひろば」の、左の太い道沿いにある小豆色の四角の、道はさんで反対側です。
このエリア、「しゃくなげの湯」の移転と同時にかなり拡張・整備されました。道の駅みたいな「Vif穂高」は8時オープンで、足湯は清掃中、トイレも閉まってるけど……足湯が昔あったラウンド十字路の場所に多目的トイレが設置されているので、ウォーキングしながらぐるっと一周。途中の東屋でのんびり朝食を摂りながら、iPhoneでちょっと仕事。 バス停↓ この奥のラウンドサークルの先↓右手に多機能WC
あ!↓ここから新宿行が出てる! でも中房線との乗継ぎ5分↓ タイト
中房温泉行のバスは穂高駅(登山者用P無料)から出発し、この「しゃくなげの湯」や常念坊、有明山神社P(登山用P無料)を通ります。所要30分ほど、片道¥1200。平日なのに、乗車率95%(全席着席)。燕山荘の影響か、若者・子連れ、多いです。。。
ヘアピン狭歪ロードに揺られること40分、中房温泉に到★着(H1,450m)。
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<1日目> 燕岳 ↓ には行きませんでしたが・・・ ~合戦尾根~
タイム:4時間(4h10m)、標高差:UP1,254m、距離:約4km
この部分は燕岳の記事でもご覧ください。
普段ここを真夏には登らないので、とにかく暑い、そして重い!
もちろんビールを積んでいますが、今回は少なめなのに―――新しいザック、ベルト部分をSサイズに変えてバッチリ!と思いきや、問題はサイズではなく構造だったようで。。。腰全体ではなく「腰の脇」だけが締まる仕組みなので、坐骨神経痛が再発しそう・・・っっ
登り続けるためにはベルトを緩めるしかなく、肩にかかってくる重量が凄いことに。
それでもゆっくり登って何とか登山口から4時間(4h10m)、15時前には燕山荘のテン場(H2,704m)に着くと、うわあ、平日なのにかなり混んでる・・・いえ、8月だから当たり前なのですが、他人のことを考えていない or どれだけ混むかわかっていない張り方をしている若い子が多くて、ムダに半端な隙間が多くて大きなテントはムリな感じ。結局夕方18時くらいまで続々とテント組が到着し(←これも酷い話)、これから夕食でも作ろうかって時にテント移動を促されて大変そうでした。最初から端に詰めて張っていればそんな苦労も無かったのにね・・・
小屋泊の方も若い子が多く、子連れ(4羽)のライチョウがテン場近くをずっとウロウロしていたのですが、発見しては騒ぐ、後追う、それで登山道外のお花畑に侵入するする・・・
燕山荘は財力があるというか何というか・・・山雑誌で「憧れの山荘1位」に輝く山小屋で、精力的に宣伝・営業。規模も大きくツアーや学校登山も多いです。晴れた早朝は下界から見てもビカビカ光ってます。その分、テン泊者(金を落としていかない)に対してかなり冷たっな感じ。繁忙期だからってのもあるんでしょうね。。。
小屋の中は快適なのかと思いきや、やはり繁忙期は「1畳に2名」だそうで「スタッフもゾンザイだった」(伝聞)。何が良いのかわかりません。。。立地かな。
★テント:1泊1000円。大きめの段々構造でフラット。水は1L¥200。
トイレはテン場の北にある小屋で、紙:持ち込み、ボットン。
<2日目> 燕山荘―>西岳ヒュッテ ~喜作新道~
タイム:3時間35分(5H50m)、標高差:UP約680m/DOWN約695m、距離:約10km
朝5時、テン場はもう賑やかで、こちらも何となく起きてしまいましたが、この日は西岳のテン場へ移動するだけなので、小屋でお湯を買ってゆっくり朝御飯を摂って、7時出発。 小屋の前を北へ↓
この斜面(登山道左側)↑は、コマクサが大量に生息。(半栽培?)
大天井岳(奥)↓ ↓↓「表銀座」全景↓↓ ↓槍はずっと雲っ被り・・・
大天井岳までは7.8kmだそう。 どこが「蛙岩」だったのかは、さっぱり不明。
ああ・・もう↓信州側からガスが・・・ このハシゴ(下から撮影)↓を降りると
反対側の登り↓のもっと右側→→の岩壁↓に、「喜作レリーフ」!↓↓(北アの英雄)
燕山荘から 1時間半(2H20m)で「大天井分岐」↓
←左へ登ると大天井岳山頂ですが、Wはここをそのまま真っ直ぐ進みます↑
大天井岳の西側を右巻いて↓・・・ 大天井岳直下↓ 岩とハイマツが美しい・・・
牛首山展望台↓が見えてきた 鋸刃岩↓ 「あと15分」!
眼下に赤い屋根↓が見えてくると・・・
この槍ヶ岳までのkm数↑は足りないと思うんだけど・・・大天井分岐から30分(40m)で、
わお!松本ブルワリーのIPAがある!!↑↑
ランチは牛丼って! >< 布団干してて小屋前にベンチ、造りも良さそう。「良い小屋」な雰囲気がビンビンします。でもここ、テン場が無いんですよね。
ここでエネルギー補給をしてから「喜作新道」へ入り、西岳へ向かいます。
最初は下り↓
この部分も↑クルマユリ、キスゲ、ミヤマキンポウゲがワサワサと↑ そのうち登りが始まると、やがて「ビックリ平」(H2,549m)に到着↓↓
牛首展望台↓(尾根道は廃路) ↓大天井岳
ここから暫くは緩く移動(↓砂の広い部分が多数あるので休憩に◎)
む、ちょっと見えた↑ ↓東鎌尾根はずっと見え見え。
←西岳。かなり↓→くだってから、登る→↑のも、丸見え・・・ これ↓は北鎌尾根
この日後半から同道したテン泊縦走者(明日は「槍ヶ岳山荘」泊)は「うわ~あれはちょっと・・・凄いわあ~・・・」と何度も唸って「あなた、本当にあそこをピストンするの?」と何度も言う。あのね、そういうことは、考えちゃいけないんですよ?
アップダウンが数回あって、やがて↓左巻くようになり・・・
ここ↑はチングルマ(晩期)、シャクナゲ(ピーク)、コバイケイソウ、ミヤマキンポウゲなどがワサワサ。 ↓たまに岩岩。 ↓左巻く、左巻く・・・
何、あのテン場・・・↑ 「西岳のテン場は槍の眺望が良い」がウリらしいのですが、あの立地は 強風祭りでは??
そしてこの小屋、評判悪いんですね・・・明日の予定を聞かれたので「槍ピストン」「状況によってはここにまた泊まる」と応えると―――
「テントは置いていかないでね!」「テン場はヘリポートになることもあるから」「小屋にも置いていかないでね!」
は??ピストンなのに、荷物持ってけってこと?
それってこの小屋の存在意義ゼロじゃ・・・・・・
「2泊する場合もですか?」
「そう、2泊する場合でも、テントは畳んで持ってってもらうよ!」
吐き捨てるように・・・まあ、田舎の古い人って乱暴な言い方しますが悪い人じゃないんですよ(翌日水買う時なんかはニコヤカで気味悪いくらいだったし)。でも、そういうルールだと知ってたら、大天井泊で組んだのになあ・・・
「戻ってこられない人も居るからね」「置いていかれると迷惑だからね」
と言っていたので、過去に色々あったのでしょう。だったらサイトにそれをはっきり載せたらどうかな? どう考えたってここ、槍ピストンに最適と思われて当たり前の立地だし。わざと載せないってことは、詐欺も同然。「北海道ではデポ厳禁」と聞いたことあるけど、北アでは初だわ。。。
まあ、おかげで「槍ピストン後に大天井まで戻る」という決心が着きました。
そうと決まったら↓テン場へ行って、さっさと設営!
幸い風はそんなに強くなかったですが、槍はずっとこんな感じで↑↑モヤモヤ雲被り。平日で僻地なのでそんなに混まず、しかし16時から雨がかなり降ってきたので、この日はずっと、テントの中で呑んで終わりました。。。
★1泊1000円、稜線なので斜め多し・・手前スペはフラット。水:1L¥200。
トイレは¥100で小屋前の屋外建物、バイオ?で綺麗。紙アリ、手洗水あり。
<3日目> 槍ヶ岳 往復 ~東鎌尾根(喜作新道)~
タイム:往路:2時間45分(4h30m)/復路:2時間20分(4h10m)、
標高差:往路UP約800m/DWN約320m、距離:往復14km
朝3時半、雨は小降りになり、外へ出た時はもうほとんど止みかけ。風はやや強めですが、予定通り決行です。
もちろん最低限の荷物だけにし、大きい荷物は小屋より北の、登山道沿いの広いところに放置。(年配の方たちはちゃんと担いで往復してましたが・・・)
小屋上の分岐(H2,690m)↓(暗かったので、戻ってきてから撮影)
小屋からはまず、200mほどガガっと下ります↑↑↑↓↓
↓槍 すごい高度差↓↓
ちょうど下ってる人↑が、ガレってる。
この部分が一番、テン泊装備ではキツいかも。。。置いてきて良かった。。 この最初の降りから100mほど登って、100mほど降りると・・・ 天上沢の谷間↓
「ヒュッテ西岳」から40分(1h)で↓「水俣乗越」(H2,475m)。狭い。。
この標識↑の向こう側へ降りると、北鎌尾根へ登る上級コース。手前の槍沢へ下りれば、上高地へ下れます。
そして、ここからが東鎌の真骨頂!という感じでした。。。。
最初は緩やかに移動するし↓ 槍もよく見えているのですが・・・↓↓
まず、朝6時前だというのに蒸し暑くて虫が多く、ゆっくり休憩も出来ない。これは時期が悪かったなあ~・・・↓登らせておいて、急激にくだる↓ なアップダウンあるし
全体的にザレガレの中、↓階段・ハシゴが多数↓出てくる↓↓
あと1.3km↓(槍ヶ岳山荘までの距離)。 ここまで来るとだいぶ近い↓↓
ここ、ハクサンイチゲ多いですね@ このガレガレ斜面↑をジグザグ登ると…
「水俣乗越」から1時間35分(2h10m)で「ヒュッテ大槍」 (H2,884m) 槍↓↓
おお~・・・・いいですねえ・・・
この先で3方向に分岐している↓ので注意(槍方面は右手に登り)。
ここから槍直下まではガレガレ&岩ですが、「緩やか~に登り」、楽ちん↑
左手眼下に↓殺生ヒュッテ 槍直下を更に左巻くと・・・↓
赤い屋根↓が見えてきた!
直下すぎると槍っぽくない↓ 天狗原(左)へ行く槍沢分岐(左)↓↓
「ヒュッテ大槍」から30分(50m)で、「槍ヶ岳山荘」(H2,980m)↓ どどーん・・・
でも、いい景色!(西鎌尾根方面)↓
↓野口五郎岳? ↓三俣蓮華岳 鷲羽岳↓ ↓水晶岳槍山頂までは↓ここから「片道30分」。
ご覧の通り大したことない岩道↓で、
「登り」↓と 「下り」↓ それぞれ片側通行と、問題無い設定なのですが・・・
追い越しは危いので自粛。そうすると、素人や「岩を怖がる人間」が一人でも居ると、大渋滞なんですね~・・・
↓最初のハシゴ(上から) 最後のハシゴ↓ 右奥↓は下山用
しかし!ちょうど登りは前に誰も居なくて(←8月土曜にコレは奇跡!)
10分で山頂↓↓(H3,180m)到着★ ↓北鎌尾根
え~と・・一応100名山で、ニホン第三位の標高デス。
山頂も私入れて5人くらいしか居なくて・・・登ってる時にすれ違った下山者が「山頂は渋滞、撮影待ちで社の前は行列してたので、諦めてすぐ帰ってきた」と言ってたので、本当に運が良かったです。
西鎌尾根方面↓ 次はここ通りたいな・・・
でも、山頂は狭くて休憩には不向き、大した用事もない・・・滞在3分。
さあ、東鎌尾根(↓一番奥は常念!)に向かって、帰りますよ~↓ ↓笠ヶ岳
しかし下りは、子連れの母親が怖がって渋滞引き起こしてて30分近くかかりました#
また槍直下を通って↓ 山頂から標高300m程一気に下り↓
「槍ヶ岳山荘」から20分(30m)で再び、「ヒュッテ大槍」(H2,884m)
これからガガっと降って、ここまで登るのか…↓ ↓テン場この辺
改めて見るとすごいわ、喜作・・・ この高度差!↓↓↓↓
さあ、ここから森林です。さらば、↓槍たち。
乗越から1回アップダウンした後の、↓この最後の登りが、一番急斜面・・・
ザレ・ガレ・ザレ! 難易度「小」でも、人が多いと大変
ここで。山口県から来ている高校生山岳部とすれ違い。うわあ・・・なんて元気で素朴で、とってもフレッシュ!さすが16歳!まさに夏のトビラ!!(笑)
この真(魔?)夏の過酷ルートに、とっても似合う若さだわぁ・・・
ホントにね、今日は3~4組のシニアパーティとすれ違いましたが・・・ここは、そのお歳でヒイヒイ言いながら通るのってどうなの?クラス、なんですよね・・・年齢制限あるわけじゃないですけど。
例えるならば、自治会の日帰りツアー(Ave.70)が原宿や大久保にきちゃったとか、チーマー(10代前半)が盆栽博物館にうっかり入っちゃった、みたいなもの。TPO(時と場合と立場)もカタチ(団体・・・)も、スペシャルミスマッチ。
私だったら、ツラいルートは若い時にさっさと通って、歳取ったらもっと相応で優雅なルートを通りたい(だから今、頑張ってる)。でも最近は「リタイアしてから山を始める人」が多いみたいで・・・
「北アの真骨頂」とか「ニホン三大○○」とか「山好き垂涎の・・・」とか雑誌やTVで煽られると、行きたくなっちゃうんでしょうね。そのキモチはわからなくもないけれど、だったえらもうちょっと準備(体力つけるとか、時間に余裕を持てる財力を用意するとか)しようよ~
良い反面教師になっています、悪乗りシニア。。。
そんなこんなで「水俣乗越」から50分(1h30m)、↓「ヒュッテ西岳」帰還。
10:25、余裕で間に合った!