Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

☆北ア・雪常念(三股・林道閉鎖直前と開通直後)

毎年2回は登ることにしている、Wイチ押しの北ア日帰りベスト1常念岳(三股ルートに限る)
色んな時期に登ってはみましたが、記録をよく見たら林道閉鎖直前と開通直後は、無い……

林道の冬季閉鎖期間に歩いて登山口へ行くほど山狂いではないし、何よりお金がかかるから積雪期は登山しないと決めてはいましたが――――結局スキーやスケートじゃ運動不足解消にならなくて、最近冬でも低山(=信州では標高1,200~2,000mを言う)に入っているので、日帰り春山程度の道具(アイゼン、カンジキ、ピッケル等)が何となく揃ってきた。となれば、行かない手はありません。

 北ア・常念岳 (2,857m、長野県安曇野市)
登山タイム(三ルート/標準CT):登り/6 h 50 m--降り/5 h 20 m (トータル12 h 10 m )
標高差:約1,520m 距離:14.4km 出発地:三股P(H1,340m)

まずは林道閉鎖直前 > 2015年11月28日(土)
あづみの公園(堀金・穂高地区)の入口「須砂渡」よりも更に奥、ほりでーゆ~から始まるこの林道烏川線は、大体11月末か12月初旬の月曜日から冬季閉鎖します。安曇野市管轄。一ノ沢林道や扇沢と閉鎖日程はほぼ同じで、2015年の林道閉鎖は11/30(月)から。(サイトでは11/27になってますが…)

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暖冬といえども一応スタッドレスタイヤに替えて「なんとかなるだろ」と行ったらもう、林道に入った途端に落枝落葉で路面が見えない。そして川を越えた辺りから、とんでもなく、積雪。

この林道は冬季閉鎖するから当然、「積雪期の車両通行」を想定していない造り。
ヘアピン箇所がかなりな急斜で、その度にタイヤがキュルキュルキュル、ファーストギアでエンジンがウイウイウイウイ、それはもう、滑る滑る…FRじゃ絶対ムリ。これ、止まっちゃったらアウトだね~

何とか三Pに到着。
←Pから登ってきた林道の方を撮影。猿がワヤワヤ出てきました。ワダチの部分はバッチリ凍ってます。

あ、結構車ありますね↓ ホ。
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あともうちょっと積もっていたら、又は先行車がいなかったら、車高の低い私の車ではムリでしたよ。。。

まずは林道を登山口(登山補導所)まで↓
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まあ、とにかく、ず~っと積雪。
なのに、雪除けスパッツを家に忘れました。あ~あ……どこまで行けるかなあ
この日は何人かが踏み締めてくれた跡があったのでまだマシでしたが。。。雪除けが無いと、歩く度に靴の中に雪が入ってカカトが冷たい

補導所からすぐの鉄橋↓
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そのせいで変な歩き方をしたり雪の浅い処を選んで遠回りしたり、カカトから雪を掻きだす作業も加わって……うう、時間がかかる~

最初の急坂↓
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積雪期のルートは無雪期とは全然違うと言うけれど、常念はあまり変わらないですね。
尾根出合い~ハシゴ部分↓
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深い所は太ももまでありますが、サラフカ雪が踏み締めてある歩きやすい道。
ああ……雪除けさえあれば……っ

ハシゴ↓ ここから森林限界の岩斜面ですが…
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うわー、更なるフカ雪!
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このペースだと、前常念に至る前に折り返しリミット(この日は12時)。
は~…以前(11/3)登った時は、前常念~山頂の間に薄ら積もってただけだったから、ナメてたなあ…

登り始める時間も予定より遅かったし、仕方ない。
ここで引き返しました。来年、リトライ。

そして林道開通直後 > 2016年4月24日(日)
春は大体、GW直前の金曜に開通。
ビーナスラインの開通と同じ週か、その翌週のことが多いです。

今年は春が異常に暖かく、桜の開花が3/31と観測史上最も早く咲きました。一応スタッドレスタイヤで行ったのに、林道は無雪で凍結も無し。落枝や落石も綺麗に片付けてありました Pには5~6台。

①登山口~尾根出合い
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←期待通り、オール無雪

以前から「三股ルートはほとんど南面だから、早いうちに無雪になるだろうな」とは思っていましたが、これほどとは。。。さすが暖春。

扉温泉ほどではないけれど、倒木多し。
落枝を片付けながら登ります。

←塞がれて通れなくなっている所は一箇所だけ。

補導所から橋渡って分岐した後の、左手斜面に多かった、ショウジョウバカマ
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常念では見かけないなと思ったら、ここはこんなに早く咲くんですね。 フレッシュ
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←2.2km地点辺りから残雪がチラホラ出てくるけれど、この程度。

アイゼン、カンジキ、ピッケル、ストック、重り、他…と色々持ってきたのでいつもより荷物が重かったのですが、この区間は通常と同じくらいのタイムで登れました。
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②尾根出合い~ハシゴ
ここから先は、11月初旬や5月末もほぼ無雪でしたが……さすが林道開通直後、8割積雪 →

これも想定通り。今回は雪除けスパッツもサングラスも持ってきたし、バッチリです!

と思ったら、日焼け止めを忘れて愕然(笑) そして、足跡が全くないことに呆然…… →
ところどころに、かなり前のボヤけた足跡(単独)は散見されるのですが、踏み締めた1本の道が、無い。

林道開通したの一昨日なのに……
Pにあんなに車あったのに!!
なんでここ、誰も登ってないの??!
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そっか、Pの皆さんは、蝶に登ってるんだね。世間の皆様は、GW狙いなんだね―……
でも、地元の人くらいは、「やっと開通――っ!!」って嬉々として昨日登ってると思ったのに……(←だから日曜にした)。

誰かが踏み締めてくれていれば、積雪期でも割と楽に登れますが、一番乗り。。。脚力使います
更にフカ雪シャリ雪混合でカンジキを装着するも、雪の緩みが激しくランダムにズボっ。木の根周りや段差は空洞になっていてズボズボっと踏抜き、すんごい疲れます。

←急斜になってきたらカンジキも効果無し。
  キックステップ開始。あ…脚が……
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私もGWにすれば良かっ…いやいや、GWはもっと緩んでますよね。

良いタイミングでガスが晴れてきました→
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下界は曇予報でしたが、やった、雲上です

この周辺の雪は大量で、いつも6月くらいまで残ってます。木の間を頑張って縫っても良いですが、大きく右巻くと楽。そして主陵に戻ると…
←ハシゴです。
ここから森林限界で、穂高や乗鞍が見え始める★
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③ハシゴ~前常念
有り得ないほどの、カンペキ無雪→

そして雲を抜けたので、ギラギラの陽光。うはー暑い。
結局この日はダウンもウィンドブレーカーも出番が無く、タートルネックのカットソーにネルシャツで済んじゃいました。ヒラキ&ユニクロ

む、後ろから単独の若者A(ピチピチ)が来た。
最後はまた積雪ゾーンになる予想なので、抜かして先頭行ってもらいましょう♪

④前常念~山頂
9割積雪…↓ 一体何なのこの差は…
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1割弱、夏道です。
アイゼンやカンジキを装着しているから雪斜面を歩こうと夏道を外れると、ズボッ。
うう、ここも緩んでる…… 北斜面に亀裂も入ってる……(=そろそろ北側に雪崩れる)
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↑ここ、無雪期はこんな感じ→
この岩やハイマツ様の周囲に既に空洞が出来ていて……ズボッ。もう、腰まで。

       蝶槍↓の向こうに―乗鞍岳↓                     焼岳かな?↓
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   ※もう少し登ったら、乗鞍の左手奥に御嶽山  
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しかも踏抜いた時にカンジキが岩と岩の間に見事にカチっとハマり、隙間は雪でガッチリ固められ……脱出するのに20分かかったこと、かける2回。前方を見ると、あ、若者Aもハマってジタバタしてます(笑)
← 一面、踏抜き大会会場

右(北)手の常念小屋を見下ろすと……↓
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急斜の信濃(右)側がこんななのに、岐阜(左)側は無雪なんだ…… →
ってことは、稜線はオール無雪??
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常念小屋からの合流点↓に出ると……
     水晶岳方面
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うん、常念小屋方面→ は無雪ですね
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↑正面はいつものお槍さま。
山頂のある左手は…→

あらら。雪庇が全然残ってない… →

山頂から降りてくるのは、8~10人の地元シニアチーム(昨日は蝶ヒュッテ宿泊)。

「ここから先は、ズボってなりませんか?」
「なるよー」

「もう亀裂入ってるんで、山頂まではあまり東(左)側歩いちゃダメだよ。」(←雪崩れるから)
「今年はもってGWまでだねえ…」

↓あ、三股に下山してくれるんですね?
やった
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8~10人もが踏み締めてくれれば、最後に下山する私はラクチンです 
若者Aも前常念へ降りるピストン。東京から朝来て、日帰りで帰るそう。元気だね~。
因みにシニアチームと若者はアイゼン(踏抜く)にダブルストック、私はカンジキ(滑る)にピッケルでしたが、まあ、一様にみんなズボズボでした。

踏み抜きはすんごく体力消耗するけれど、はまった雪の穴の奥がとても綺麗なアイスブルーで、うっとり。
山頂から見た槍~↓
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                   穂高↓  やっぱり積雪期は美しい……って、ここも残雪少ないな~
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風も無く暖かいので、カップラーメンを食べながら山頂を堪能。11月と違って日が長いから、折り返しリミットは14時です。

←蝶側も、雪庇どころか登山道に雪が全く無い。

もうちょっと林道開通早くして欲しかったなあ~…

下山時の前常念尾根。もう、ステキすぎる
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南(右)側はもう無雪ですが、この部分の登山道(夏道)はほとんど北(左)側なので南側は通れません。多少ズボズボするも、先行チームのおかげで若干楽

17時、P帰還。
休憩入れて、無雪期は8時間のところを、11時間。

一番乗り区間を含めても、ここをテン泊装備で大天井へ通り抜けたいならもうちょっと頑張らないと、です。

余談ですが、雪焼けの威力は凄かった。
サングラス跡クッキリ、火ぶくれて顔真っ赤、もう化粧も効かず、翌日の会社では
「朝から呑んでんの?!」
と言われる始末(日頃の行いが・・・)。熱も出てクラクラ、3~4日腫れっぱなし。大変でした……

<2017年4月22日(土)>
どうせ一番乗りなら同じことと、今年は林道開通直後の土曜に登ってみました。(6時スタート)。
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林道は同じく無雪。しかし、登山口を過ぎるとチョコチョコ雪が。うわ、蝶の迂回路との合流地点からもう、こんな……→

今年の桜の開花は平年並みに4/13なので、これが通常なんですね。でも先行者が3人も居た!!ので、幾分か楽でした。
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←2km地点からは雪斜面直登! すごい急斜

この部分ジグザグしなかったおかげでかかった時間は前回と同じくらいでしたが、たまに柔らかくて踏み抜く……でも全面的に固い。アイゼンつけようかどうか迷います。(先行者はつけてない)
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「尾根出会い~ハシゴ」間はしっかり固くなっていて、ハシゴ直前以外は登山靴のみで楽勝→

ライチョウの足跡?がハシゴ付近まで続いてました。森林限界以上へ移動したな。冬籠もり終了か↓
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ということは、一番の懸念「ハシゴ~石室間」は無雪か??と期待したものの……

ハシゴ直前↓ メッチャ深いのにメッチャ柔らかい。
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うう、岩の間に半端に雪がある……↓
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左右の岩を伝っていくも、回避できない部分が4箇所ほど。ズボッ。上部では腰まで。
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石室到着→
当然、カンジキ装着。

ここから山頂までは去年と違って「アイゼンだと数回踏み抜く(かなり深く…)」けど「カンジキならスイスイ」
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←久々の空中散歩。
安い装備でこんなに簡単に「雪山稜線気分」を味わえるなんて。。。なんて素晴らしいんでしょう、前常念ルート。いつ来ても最高です。
ガス気味だけど、スキップ&鼻歌まじりに往復。
              山頂↓
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1泊装備の人も午後に3人登ってきて、重装備でかなり踏み抜いて体力消耗したらしく、私のカンジキを見て「いいもの持ってますね~」と羨ましそう。

因みにそのカンジキ↓
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去年、プラのカンジキ(¥2,500)にしたら滑ってひどかったので、今年は木製カンジキに。アイゼン装着してても履けますが、ロープがうまい感じにアイゼンチックな役割を果たします。積雪急斜面も岩の上も歩けるし、トラバースはちょっと苦手だけどコツさえ掴めばOK。難点は装着が超面倒なことだけ。ホームセンターで¥1,400。

下山は朝よりも緩んでいるので、8~9割カンジキ装着。
滞在は去年と同じ11時間だったけれど、13時折り返しで下山に4時間もかかったのは「尾根出会いから下」のかなりな急斜面が半端にシャリってたせいです。ここがもっと固ければ、アイゼンでガツガツくだれたのに…

ん~やっぱり、もうちょっと早く林道開通してほしい、です。