Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

北ア・常念岳&蝶ケ岳 ~三股ルート~ <2>

(続き)
 
小雨の日にちょっと登ったことはあっても、登山中に雨に降られたことが無い私。
初めてゴアテの雨具を取り出すも、勢いが凄くて一気にびしょぬれ。
とにかく電子機器や着替えは死守しないとなりません。ゴアテは荷物に被せ、フードだけ被って、森林帯へ駆け込みます。
 
ここでかなりなタイムロス。
&森林帯といっても雨をしのげる場所は皆無で、更に雨具を取り出したりすると、荷物まで濡れる危険が…
気温は低いけれども風も無く、体はまだ熱いので、強行です。
幸い、雷の気配はナシ。いや、音も光もなくても、撃たれる時は撃たれるんですけどね…
 
常念山頂から1時間(1h50m)で「2592mピーク」。勿論H約2,592m。
写真なんかとても撮ってはいられません。雨で岩や木の根が滑るので、慎重にアップダウンを繰り返します。
途中、地図上にある登山道沿いの小さな池が、雨で増水して登山道水没。
ああもう……どうにでもなれ…  バシャバシャバシャバシャ……
 
雨脚は一向に収まらず、「下手すると今晩はこの調子でずっと雨かな」「日が暮れてから到着って恥っずかしいなー」とグルグル考えましたが、1時間ほどでこれまた突然サーっと……―――
 
 うわ、晴れました…         これが常念岳で↓              こっちが前常念岳
イメージ 14
 
「2592mピーク」から55分(1h20m)で、ようやく「蝶槍」です。
このちょっと南にあるのが、昔「蝶ヶ岳山頂」だった「2,664.3mピーク」 ↓バックに見えるは穂高くんたち。
イメージ 15
 
イメージ 16
やっと蝶ヶ岳とヒュッテが見えた……!! →
 
もうお腹ペコペコです~;;
しかも風が出てきて、濡れた体は拭いたものの、さすがに寒くなってきた……
ヤバイ、長袖!
 
イメージ 17←「蝶槍」から10分(20m)で「横尾分岐点」。
  H約2,625m。
イメージ 18「横尾分岐点」から25分(30m)で「蝶ヶ岳ヒュッテ」→
H約2,660m。手前の展望盤は「瞑想の丘」。

ヒュッテ到着時間は16:15。
雨で足が遅くなったのと荷物の出し入れをした為に、
予定時間ちょい超過。
ホント、凄い雨でした。
 
ヒュッテに入ると皆さん既にくつろいでいて、私は最終到着者な模様。
受付で1泊申し込み、2段組の広い就寝エリアへ案内してもらいます。噂通り、綺麗な小屋です。
 
しかし、1泊1食で\7500/人って……。麓のビジHの値段を考えると、た…高い…;;
しかも山小屋って、平日料金とか季節料金とかってほぼ無いんですよね。不思議…
 
イメージ 19素泊まり(\6,000)予定だったのですが、持ってきた食料の残り具合を考えて、朝食(\1,500)をオーダー(夕食と同料金…!)。
夕食は持ってきたオニギリ2個とソーセージ&ビールを、ラウンジ(?)で食べました。

←小屋はこんな感じで酒やつまみ、カップヌードルなど色々売っていますが山値段なので、大体のものは持ち込みます。
販売酒はカップ酒、缶のカクテルサワー、缶ビール。ワインもあったみたいです。水・お湯・お茶は1L単位で有料販売され、ココアや紅茶もオーダーできます。
 
大抵の小屋はバーナー持込みでの自炊も可能。逆に、テン泊の人が食事だけオーダーすることも可能。稜線は大体水不足なのですが、蝶ヶ岳ヒュッテは手や顔を洗う水は洗面所の蛇口から出ました。バイオトイレが小屋内と外にあり、ラウンジとは別に衣服乾燥場や読書エリアも兼備。なんと、薄型テレビ(地デジ)と公衆電話、LAN(貸出PC)まであり……(公衆電話は調子が悪いこともあるようです)
「最近の山小屋」の便利な噂は聞いてはいましたが、ここまでくると風情が無いですねえ…
 
ちゃんとしたテントは帰国する時に手放してしまい、手元にあるのは5,000円で買った妙なテントだけ。
北アでこれを使うのはちょっと(いや、かなり)恥ずかしいですが、来年はテン泊にしよ…っと。
 
日没前。外へ出ると月が綺麗に出ていました。
真ん中あたりの遠くに見える小さい山が↓御嶽山 その右が乗鞍岳↓です。
イメージ 1
19時にさっさと寝てしまったので、消灯が何時だかは未確認。
 
翌朝、5時起床。
外へ出ると東側の下界方面はこんな感じ↓で、富士山も何も見えず。残念。 
イメージ 2

                                            朝の槍↓ 
イメージ 3
 
                                   常念方面↓ あの稜線を雨の中歩いたのか…
 北の方の野口五郎あたり↓は光ってます。
イメージ 4
 
下界の予報気温は13℃。そうすると+2000mのココは1℃ですが、そんなには寒くなかった模様。真冬の徒歩通勤で着ていたユニクロの普通の薄手ショートダウン(\3,990)&手袋で、充分防寒になりました。
それより、夜寝る時が真冬の長屋並みに寒かった… 
 
5:30の朝食は、ご飯・味噌汁・薄い切り身鮭・出来合いの惣菜3種盛・漬物・お茶――
味は悪くないけれど、夕食に比べると少ない… 「温かいこと」に多大な料金がかかっているのでしょう。高地なのでご飯が固めでしたが、固いご飯が好きな私には丁度良し。燃費が悪い体質の上に「一ヶ月に一度来る食欲増進週間」にあたっていたので、少ない副菜で3杯戴きました。
 
2日目は気が向いたら大滝山へピストンしようかと思っていましたが、どうやらその道中も森林帯のようなので遠慮なくパス。大人しくさっさと三股へ降ります。
 
その前に――
 
イメージ 5ヒュッテから3分で「蝶ヶ岳」山頂。H2,667m →
ヒュッテのすぐ裏です。
 
ここも「雪形が蝶の形をしているから」という命名なのですが、松本市街地からは鍋冠や大滝に隠れて見えない山。雪形を見るには、北へ行かないとムリそうです。
 
この山頂の西には、上高地の徳沢へ降りる「長塀尾根」への分岐点あり。山頂から少し小屋方面へ戻って東側(右手)に降りると、下山道や大滝山への標識が↓イメージ 6
昔は「蝶槍」の南にある「2,664.3mピーク」が山頂だったので、いまだに間違った標識が出ています(山頂は本当は奥向こうを指す「長塀」の方)。
 
ここから「三股下山口・大滝山方面」へ行くと、すぐに森林帯へ入り…分岐点から5分ほどで、今度は大滝山と下山道の「分岐点」↓イメージ 7
この辺りはまだ間隙のある森林。
蝶槍が遠くに見えます↓
イメージ 8
更に10分降りると、「最終ベンチ」↓ H約2,500m。
イメージ 9
こちらは比較的整備されている、普通のルート。
ヒュッテで前常念を通ってきたと言うと「あっちはキツかったでしょ。ここから三股へ降りる道は整ってるし、緩いからラクよ~」と言われましたが、その通りでした。
イメージ 10
←山頂から50分で「2.1K地点」。H約2,000m。
イメージ 11
山頂から1時間10分(1h40m)で「まめうち平」→
3.9K地点で、H約1,900m。倒木ベンチあり。イメージ 12
←登りの場合は最後の水場「力水」。残りあと800m!
イメージ 13
ここから水場豊富になり、大きいガマガエル(両手で掬うサイズ)が道にたくさん出てきました。
両生類って、なんて愛らしいんでしょう…
 
鉄製の吊橋→
結構揺れます。
 
この左岸が「迂回路」の合流点。
 
迂回区間は枯れかけのような浅い沢を何度も渡るのですが、増水時は通れなくなるようです。橋の下の本沢はもの凄い水流。
前日が雨の場合は注意が必要です。
 
 
そして、「まめうち平」から45分(1h20m)で昨日の「三股分岐点」。H約1,350m。
ここからジャリ道を10分(20m)で、「三股P」に帰還です。
 
 トータルCTは8時間55分。
 
縦走を含むので、こんなものでしょうか。
初日の「標高差登りH2,000m&降り620m」を1日で走破できたので、目的はまあまあ達成です。
でも、この程度の傾斜を登った程度では、「甲斐駒初日アタックby黒戸尾根」(標高差2,300m)の成功確率はまだまだ未明。寒くなってきてしまったし、またしても甲斐駒は来年かな…
 
ああ、もっと瞬発力と持久力をつけないとなー…
普段原稿ばっかりやってるので、運動なんて全くしないんですよね(--;)
 
いやそれより、燃費の良い体に改善しないとな……
1日目に推し押しになった一番の原因は、お腹が空いて50分置きにオニギリやら饅頭やらをせっせと食べて、通常の2倍の休憩時間をとったから。食欲の高い週に登ってしまったのも原因ですが、そうでなくても登山中はいつも空腹なのです…
 
家を出る前に一合は食べているのに、もういい歳なのに、どこも成長しないくせに……――
何かの病気じゃないかとは思うのですが、健康診断には全くひっかかりません。
 
まあいいか。
 
さて、次はどこの山にしましょうかね……