Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

● Iターンでマイホーム <1> ~土地が見つかりました~

苦節のシングルIターン(?)から、そろそろ満6年。
こんなに長く一箇所に住むのは、育った大宮の実家以外、初めてです。
 
うっかり決めてしまった極寒の長野県松本市
その寒さを上回るノンストレスさと美しき山さに、半年で永住を決意したのが、2010年の話―――
 
いえね、ちゃんと探したんですよ、永住地を。
 
なんたってIターンした時、既に35歳。
何歳まで生きてしまうかわからないこの恐怖の長寿社会において、養ってくれる人も無く大した資産持ちでもない一生シングルに必要なのは、マンションにしろ一軒家にしろ、とにかく不動産です!
 
「毎月家賃5万払っても賃貸は賃貸」よりは、「毎月5万払って不動産持ち」の方がいいに決まってますからね。太く短く生きたいとは思っていても、望みどおりに上手くいくとは限りませんからね。。。
本当に、60歳で死ねるとわかっていたら、普通に賃貸でいいのにねえ……
 
そして小さい頃から曾祖母や祖母に関東大震災の話を夜な夜な聞かされていたWは、超党クラスの平屋信仰者  自費で、自分の住居として建てるなら、平屋以外に有り得ません!
 
しかし、ここら辺で「平屋」と言うとほとんどが長屋調(現住居)か、プレハブ仕立ての昭和な家。冬は室内氷点下、夏は午前2時まで亜熱帯(屋外は涼しいのに)です。
風呂場のシャンプーやキッチンの醤油(窓際に置くから・・・)はシャーベット化し、冷蔵庫に入れないと野菜が冷凍障害を起こしますが、冬は着込めば人間はまあ、何とかなる方(若いうちはね)。
問題は夏です。「アンチ・エアコン」で「扇風機嫌い」のWにとって、夏の苦しさはユカタン半島といい勝負。死にます。アフリカの方がなんぼもマシです。
そして隙間だらけの家なので、蚊が大量に入ってくるのも大きな悩みどころ。
昔は平気だったのに、今は刺された痕が異常に腫れて熱を持つようになって、生活の質がダダさがり。歳なのか、こっちの蚊が強力なのか・・・ この解決策は電灯を一切つけずに暮らすこと。よって毎日、僅かな光を頼りに手探り生活。当然、原稿は出来ません(笑) とにかく不自由三昧。
 
でも、ペアガラスで断熱材の入った「新築平屋」や「建売平屋」なんて、田舎にはまず無いし…… 都会は土地が高いし……(←だからこその移住)
 
うん、自分で建てるしかありません……! =早くローンを組まないと!!
 
  土地探し  
「こんな田舎の土地なんて坪5万くらいだろ」
「シングルなので、20~30坪もあれば充分」
と、手数料や下水道設置費用やらを含めても、200~300万で土地が買えると思っていました。本気で。
これが大きな誤算でした。
 
確かに、希望している旧梓川村安曇野の旧三郷村辺りの田舎の坪単価は、5万くらいです。大宮の実家と比べると、路線価ではケタ違い(笑)
 
ところが、こういう坪単価の安いエリアでは、「狭い土地」を売りません
最低でも100坪ですね。。。切売もしてくれません。なんかそういう条例があるらしいです。30坪以下で売り出しているのは、松本市街の駅近の、坪単価20万以上のエリア。
 
ということは、田舎にしろ街中にしろ、最低でも手数料入れて600万ということに……??
 
シングルIターン(且つ異業種転職)する為に1年近くかかり、貯金をそれこそ600万以上消費。且つ、東京時代の半分(をとうとう切ってしまった)な現在のこの年収じゃ、借入できるとしても1500万。

医療や士業、技術職ならともかく、どんなに立派な資格やキャリアを持っていても、田舎の企業はそんなもの望んではいませんから、まっとうな職種だと年収はホントに東京の最低ラインです。時間が不規則な仕事――10時始業、夜遅くまで勤務、シフト制とか―――だと、もうちょい行くんですけどね~
 
とにかく建物だけでも1000万以上は確実にかかるのに、土地に600万以上は有り得ない……!!
 
建築会社、地元人の情報、チラシ、地元不動産屋、ネット、色々見て相談もしました。
が、希望項目どころか、第一優先事項である「金額・坪数」の条件に沿う土地が全く無い。2010年内なら波田に安い土地(200万とか)があったのですが、ちょっとの差で逃してしまい……
 
そうやってジタバタしているうちに、5年経過。
ああもう、この年齢じゃあ、ローンなんて審査降りないだろうなあ……
 
そんなわけですっかりマイホーム諦めモード。だったら趣味の神社巡りに使っちゃえ!と遠出旅行を頻繁におこない、貯金をどんどん崩していた2016年初頭。このタイミングで、見つかったのです、良い土地が。
 
  銀行が土地を見つけてくれた 
たまたま業務で地元銀行さんの法人担当B氏と話していたら、ノルマがあったのでしょうか、そのB氏から定額貯金のお誘いを受けまして。(法人担当なのに何故…)
 
どうせもう使い道の無い貯金なんで、いいですよーとお受けした時に、世間話的に土地探しの話をしました。
実はその地元銀行の当社担当の方(C氏)に土地探しをお願いしたこともあったのですが、それがまた全然話の通じない方で。入社2年目のゆとり世代みたいな「はあ、そうですか、はあ」なお坊ちゃんだったので仕方ないのですが、900万とか1200万の土地を何回も紹介され、さすがにキレたことがあったもので……
(その後退職なさったようですが、C氏、幣社内では有名なKY銀行員でした)
 
それはともかく。
だから、銀行には全然期待していなかったんです。
 
ところが。
「そうでしたかー。懇意にしている業者さんも居ますので、こちらでも探して
  みますよ」
 
それが12月半ばの話だったのに、1月中に何件か紹介され、それがまたきちんと条件に沿っている。さすが、法人担当なだけはある。日本語が通じる……!
「これもいいんですけど、もうちょっとこう…」と言うと、「あ、そうなんですね、じゃあこれは?」と、どんどん希望に沿った土地を紹介してくれるようになり……
 
2016年3月、来ました、希望に近い金額の、希望に近い土地が!!
 
因みに立地の希望は、「国道19より西、国道158よリ北、安曇野ICより南、周囲に高い建物はなく、道路も広く、角っこ」です。
実家も今まで住んだ賃貸も、偶然全部角っこだったので・・・
 
  土地条件 ~工務店に発注できる~  
そんな土地が、なんと約80坪で400万ポッキリ! 
すごいことに、下水道設置費用、土地(地盤)調査費用付、仲介手数料無し!!
 
……怪しい。
駅まで徒歩7分、スーパーまで徒歩1分の旧国道沿い、こんな好条件なのにこんなに安いなんて。。。。
昔は沼地だったとか墓場だったとか処刑場だったとか、購入した人が次々と不審な死を迎えてるとか……何か大きなデメリットがあるんじゃないですか??
 
 「はい、建築会社指定なんですよー」
 
なんでも、早く売りたがっている所有者さんから地元工務店が「モデルハウスでも建てるか~」と買い取った土地なので、その工務店で建築するのが条件だとか。
なるほど、ブランド信仰(大手会社至上主義)者や、建築会社をココ!と決めていた人には、デメリットですね。
 
幸いWはそういう変な信仰も無いし、ここはどうかなと思った住宅メーカーには全て断られてた(というか、雑な対応された)ので、もう地元の工務店しかないな…」と思っていたところ。
でもほとんどの工務店って、HP持ってなくて……
地元民に聞いても「え、うちはメーカーで建てたから」なので、どこの工務店が良いのか、全っ然わからない。
土地が見つかったら工務店探さないとと思っていたので、好都合です。
 
実際はこの土地、「希望と違う点」やデメリットは何点もありました。
しかし、土地探しにおいて「場所、条件、金額、全ての項目で100%希望に叶う土地が見つかること」なんて、まず、無いですよね。これはマイホーム計画を始動する前に受けた、とある「住宅セミナー」でも言ってました。
「夫婦双方が60%良いかも…と思った土地は買いです!」と。
 
私が80%いいと思った土地なので、決まりです。
欲を言ったらキリが無い。
追求し始めたらオワリが無い。
 
  土地の確認  
平日の朝、車の通勤ルートを確かめ、夕方、帰宅ルートの混み具合いを確認。うん、スムーズ。無理な右折は一回も無い。帰宅して駐車する場合と、出勤する場合の車の出しやすさなどもバッチリ(←角っこの利点)。
 
安曇野市ハザードマップをネットで確認すると、水害や土砂崩れの危険範囲外。
気になる鎮守の杜(=昔から地盤がしっかりしてるということ)はすぐそこで、オーソドックスな諏訪系神社。
うん、いいんじゃない?

「大きなデメリット」、実は地盤かな~と思ってました。
地盤調査をするのは土地を買った後 なので。酷い話だ。
その調査の結果によっては「地盤改良」が必要で、それは最悪数百万かかることもあるそうな。。。。(怪談)

しかしこの土地、前の地目は「田」だけど周囲に見える田よりも離れていて、一段上。歩いた感じではかなりしっかりしてる。そして梓川河岸段丘より遥かに外側。善し。旧国道沿い(=国が調査済)ってことからも、地盤の確かさが読み取れます。
ホントは幹線道路沿いなんてイヤなんですけどね・・・それを差し引いても、こんな好条件はありません。

工務店の人が向かいのお宅に聞いたら、「地盤改良の必要もなく建てられたよ」とのこと。イケる!
 
子持ちだと更に「学校までの距離」や「近所に変な人居ないか」とか、「自治会はどんな感じ」だとか。電車通勤だと「駅までの道が暗くないか」とか「遅くまでやってるスーパーは近いか」とか――もチェックするのでしょうが、シングルで車通勤なのでその辺はスルー。
と言っても、すぐそこに21時までやってるホームセンター兼スーパーがあり、コンビニも2つある。飲食店も2~3軒。
望んでもいない贅沢が、周囲に散りばめられています。
ホントはもっと田舎が良かったんですけどね……  ←しつこい

週末、売主の工務店担当者A氏と一緒に土地を見学して、日中の日当たりや条件を確認。紹介されて7日目、即決です。
 
「こんなに簡単に決めていいもんですかねえ……即決する人なんて居ます??」
「結構居ますよ。逆にコレかな?と思ったのに決めないで、売れてしまってから
  後悔する方が多いです」
 
ですよね。
既に5年も探しててこれを見送ったら、多分もうマイホームはムリだろうし……
 
生まれてから独立するまで、用意周到で締まり屋(※)な親のおかげで、金の心配は全く無く育ちました。
(※3人兄妹全員が高校入るまで「うちは貧乏だと思ってた…」と言うほどの締め具合/笑)
学生時代にはバイトで月12万以上稼ぎ、社会に出てからは体力勝負で働いて稼いで、その給料全部つぎ込んで遊ぶだけ遊んだし、呑めるだけ呑んだし、結婚も離婚もしたし(笑)、やりたいと思った事(主に同人と神社)は躊躇無くやりました。

そういうわけでもう、心残りは無い(はず)。
 
残り短い人生ですが、初のローン地獄 (しかもシングル…) に突入します!