Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

オンライン受験をしてみた(ビジネス実務法務検定)

ビジネス実務法務検定


 ↑こんな検定があると知ったのは、実は2020年10月でした。そのずっと前から長年転職を考えていて、でも田舎では良い求人なんて全然無くて・・・・・・いつものように条件にヒットした見当違いな求人をズラズラ適当に見ていたら、その1つの採用条件にあったのです。「2級持っている方」と。

 

 その企業は場所がイヤだったし、法務部でやっていきたいとは全然思っていなかったのですが、ちょうどその時の勤務先で「契約書担当」をしていたので「おお、これは力試しに良いかも??」と思って興味を持ちました。何しろ社内で誰も法務を教えられる人が居らず、独学やセミナー行脚で凌いでいたもので・・・・・・ そこですぐに検定について調べたら、なんと申込期限が1週間後! 試験はその1ヶ月半後、且つ「次の試験」は半年後でしたf:id:wistorian:20190926193801p:plain

 半年後なんて生きているかどうかすらわからない・・・・・・かと言って内容も知らない試験でいきなり2級は、ちょっと・・・・・・ → 仕方ない、まずは3級申込みf:id:wistorian:20190926193801p:plain

 間際だったからか松本会場には申し込めず、上越市まで1泊旅行(もちろん帰りは日本酒と魚介で観光!)です。

 

 何故「仕方ない」かと言うと、3級ってどの検定資格でも「社会的には確実に意味が無いから」です。入門編というか、「誰でも取れる感」が凄くて。。。秘書や簿記なんて、高校生でも2級取れますし。

 この検定も、3級の合格率は75%(2020年)。そもそも法律関係は、読解力(国語力)と記憶力があればイケます。実際私も、1ヶ月間で過去問2冊解いただけで97点取得でした(←70点以上で合格)。

 

そこで半年後の今回は、2級に挑戦!
2級の合格率は40%台、且つ、人生初のオンライン受験です★

*************************
<オンライン受験:IBTについて>
東商は2021年からオンライン一本。
 回によってはまだ会場受験(会場でPC受験する)もできますが、アナログ受験はもうありません。2024年からは、会場受験も無くなる可能性があります。

 場所は「自宅じゃなくても良い」ですが、公共スペースは不可。「機器は机に置く、他人が居ない」が条件。他人の声が入ってもダメなので、漫画喫茶やレンタルスペースもアウトですね。

 「自宅以外」ってたぶん職場の一室を想定しているんだと思いますが、企業だと「画面共有」にロックがかかっていることが多いとかで、「当日発覚して受験できなかった人が続出してる」という注意書きがありました。

 試験サイトはGoogle Chrome指定なので、IEしか使えないように制限されているPCもアウト(←今時そんなのあるかな?)。 モバイル端末やタブレットでの受験は不可です。

 

<受験の流れ>
 1)申込前に事前の動作確認(カメラ、マイク)

     https://www.kentei.org/pdf/dousa_annai.pdf
 2)東商サイトで申込&受験料払込 → メールが届く
 3)2)のメールのリンクから試験サイトにID登録 → 登録メールが届く
     ※GoogleIDが使えます。
 4)数日前に事前確認メールが届く  ※サンプル試験(無料)あり
 5)当日30分前になったら3)のメールのリンクから入室可  
 6)本人確認&動作確認、室内確認

 

この5)で入室したら、初めて出たんです・・・
「カメラをまわして部屋を360度映してください」という文言が。 ひええええ・・・f:id:wistorian:20190926193105g:plain 自分の後ろだけを綺麗しておけば良いと思ってたあああ・・・

確かにね、「不正防止ってどうやって保つんだろう??」と思っていましたよ。注意事項やマニュアルにはこんな事どこにも載ってなかったからっっf:id:wistorian:20190926193801p:plainf:id:wistorian:20190926193801p:plain

時計を見ると開始20分前、叫びましたね、もう。。。慌てて吊るしてある服やゴチャゴチャしたものを隠匿。


 6)で「本人確認、カメラ、マイク、画面共有、室内確認」が出来ないと、受験不可となります。私のPCも、今回は大丈夫でしたが、Zoomではスペック条件を満たしているのに背景壁紙が出来なかったので、1)の動作確認は必ず申込前に完璧にしておいた方が良いです。

 

 「机の上のマウス以外の物を片してください」「ええええと(大型ディスプレイも??)」「動かせないならタオルをかければ良いです」「はいいいf:id:wistorian:20190926193801p:plain」「はい、OKです!」と言われて「試験開始」を押せば、すぐに画面に設問が表示されます。「え?もうやっていいの??」喋るとアウトなので、多分始めていいんだろうな・・・と、開始。


<オンラインの利点
① 7日前まで申込める
 =勉強の進み具合や身体の都合等、受験を悩んでいる場合は直前まで様子見ができます。以前は1か月前くらいに申込を締め切ってました。

② 試験日時が選択できる
 期間内なら好きな日時を選択できるので、忙しい人には凄く便利

③ 移動時間不要
 自宅にPC環境を整えている分、移動にお金も時間もかからない♪

④ マスクも不要
 これはありがたいf:id:wistorian:20190926193502g:plain マスクは気が散るし、夏なんかホント辛いしf:id:wistorian:20190926192927g:plain

 ⑤ 試験終了直後に合否がわかる!
 これは嬉しいf:id:wistorian:20190926192750g:plain 以前は結果出るまでに1ヶ月は必要でした。

 ⑥ 解きやすくなった
 電子処理の関係か、選択肢候補が5つから4つに減り、設問文もかなり簡潔になりました。そのため受験時間が2時間から90分に減りましたが、全体的に「楽になった」と言えます。

 画面の文字が小さくて読みづらかったのですが、途中で「画面拡大できるのでは?!」と気づいて「ctl+スクロール」してみたら、拡大もできました(できないこともあるかもしれませんが)。これも老眼年齢者には大助かりf:id:wistorian:20190926193526g:plain

 

<オンラインの欠点
① メモができない
 アナログ試験の時は、問題用紙にガンガン書き込んで頭の中を整理できたのですが・・・ オンラインでは、画面上の文章をマウスでなぞって「一時ハイライト」にするくらいしかできません。

「メモ不可」は、オール文章問題(設問も選択肢も)だと結構キツいです。
ただでさえ記憶力が低下している老化脳でメモ無しに「〇×の組み合わせで正しいのはどれ?」問題なんかやると、「これは×、これは〇、最後はええと(←設問読んでる)・・・ん?最初は〇だっけ?×だけ??」となるf:id:wistorian:20190926193801p:plain

まして法務問題は「商事寄託の場合、寄託者による受寄者への通知の有無に関わらず、受寄者が受託した物品についての・・・って、はい?」「債権者が第三者への譲渡権を債務者に対抗するには、第三者が債務者に通知すれば・・・んんnn~???」と、ただでさえややこしいので。。。画面上にメモ欄ほしい!><

過去問集(電子書籍)を解く時にメモを取らないで練習することで、まあ何とか慣れましたけど・・・・・・この点は本当にアナログ受験の方が楽でした。

 

② 試験問題が保存できない
 受験期間が数日あるから仕方ないですね・・・
試験結果で点数が出ても「どこを間違えたか」すらわかりません。
サイトに模範解答がアップされるまで復習が出来ないので、間違えたまま覚えてしまいそうです。

 

③ 受験料が高くなった
 これはオンライン化関係無く、世の当然の流れです。
 コロナも相まって、これから人件費は高くなっていく一方でしょう。

 

④ 合格証が有料になった

まあ、勝手に送ってきた以前に比べたら、その分受験料を割引いて設定しているんですよ・・・ね?

*************************

<2級について>
 3級より難しいと覚悟していたのですが、考え方によっては3級の方が難しかったかもしれません。確かに2級の方が突っ込んだ内容になってます。でもその分、範囲は狭いというか設問の傾向が一定というか・・・・・・

 2級は実際の現場で起こる状況を設定した上で色んな分野の設問が出るので、逆に理解がしやすかったです。おかげでこちらも、過去問1冊解いただけで92点合格★

*************************
<ビジネス実務法務について>
そんなわけでこの検定。

法学部の子なら受かるか?と言うとそうでもなく、現場で実際取引してる人や、契約書を見てる人なんかの方が受かりやすい―――かも、しれません。「実務法務」なので、実際会社で働いたことがないとピンとこないというか・・・・・・

 

 実は企業契約って、法学部でも特に学ばないんです。なので弁護士でも、よくわかってない人が居ます。裁判になれば強いんでしょうけど(笑) 契約書に貼る収入印紙に至っては、正解をわかっているのは「税務署の人」であって、会計士どころか人によっては税理士でもムリだったりします。

 当時在籍していた会社は非公開でも規模は大会社だったので、大きな契約ともなると確実性を求めて「契約している弁護士」(高額タイムチャージ)に確認してましたけど、その弁護士が企業専門でない限り、専門チームに調べさせて回答するだけです。←わかりきってる内容でも回答が激遅い

 しかし働いている人は、分野によっては「いや、普通こうでしょ、これはあり得ないわ」というのが身にしみついているので、学ばずとも知ってるか、又は簡単に類推できるんですよね。もちろん担当分野以外の法律がたくさん出るでしょうけど。

 

 私は海外と取引のある製造会社で契約書のチェックをしていたり、民事再生の会社で役員秘書として取締役の常務アシストもしていたので、請負(下請法)や売買(民法・商法)、債権全般、会社法、労働法はすんなり頭に入りました。旧会社の清算ファイナンスリース、手形割引、貸付、危険負担、所有権、日常の常識でしたねえ。。。

 でも特許関係は技術部の担当で、貸借や不動産関係もあまり関わったことが無いので、受験の為にイチから勉強。脳みそ溶けるかと思いましたf:id:wistorian:20190926193801p:plain 家族法なんかは相続くらいしか興味なかった・・・(そういや2級には過去問にも家族法が出てこなかったような・・・)

 

 更に、この検定資格取ったら就職に有利かというとそうでもない
東京なら2級資格者を法務課で募集している会社もありそうですが、田舎では中々・・・・・・ ※1級(合格率15%前後)に受かれば、会計士の受験資格が手に入るので実アリ

 そのせいか、3級は高校生でも受験してるみたいですが、2級となると大学生すら少ない。「俺は法務一本で生き延びるゼ!」という強固な意思でも無ければ、学生のうちに取得する「就活上のメリット」は全く感じられません。https://www.kentei.org/houmu/data.html

 

 でも、この検定の範囲を知っておけば就職後、つまり 実際に働く場面でかなり、色々、役立ちます。営業で顧客と交渉する時、店舗で接客する時、トラブルがあった時――――私ももっと早くこの検定を取っていれば、日常の業務がもっと確かで迅速だったろうし、社員を説得・納得させるのも効率良かっただろうにと思うと、悔しくてなりません。

 

 しかしそれ以上に、一般人が普通に生きていく上ですごく役に立つと思うのです。なぜかと言うと、物を買うのはもちろん、旅行に申し込む、就職する、結婚する――世の中全てが契約だから。
 更に長く生きれば、家を建てるとか、子供が生まれたとか、遺言無しに親が死んだとか、ローンを組まなきゃとか、起業独立したいとか、節税しなきゃとか、人生のイベントは目白押し。今はインターネット上のトラブルもありますし、詐欺に遭う、パワハラに遭う、交通事故に遭う等、不法行為を受ける可能性も高いです。

 

 弁護士に頼めば間違いは無いけれどだいぶ費用がかかりますし、そもそもどうにもならない・自分の立場が弱いから仕方ない――と思い込んで、抗わずに払ってしまったり請求しないで気づいた時には時効、なんて人もいます。
(例:法定利息の超過分、クーリングオフ、送付け商法、損害負傷)
知らなかったせいで不利益を被った、損をした、騙された、実際周囲にそういう人が少なくありません。

 

 ところが法律を知って入れば、「効果的な一言」で敵は大人しくなったり、手を引いてくれたり、こちらに有利な条件で契約できることがあるんです。

 父が法学部だったので、学生の時から「法律を知っておいて損は無い」ではなく「法律を知っておけば人生とても有利」と学びました。+金融ですかね。社会に出てから、この考えは正しかったと実感することばかりです。

*************************

ビジネス実務法務検定
受験せずとも、若いうちに目を通すことをオススメします。