以前から目をつけていた100名山。
標高差が少ないので「ヘタレ気味の山の会の企画にどうかな」と思いながらも、登山口がよくわからなくて保留にしていたところです。御嶽山の影響で敬遠されがちないわゆる「活火山」ですが、御嶽山も浅間山も登ったメンバーだから大丈夫。(というか、そんな選り好みはナンセンス)
登山タイム(新・中の湯ルート/標準CT):登り1時間50分(/2h55m)---降り55分(/2h)
標高差:約840m 距離:往復約7km 出発地:中の湯P? 条件:一人、日帰り、曇天
←蝶ヶ岳から撮影した焼岳
※かなり望遠。私のカメラの性能ではこれが限界。。。
この写真ではわかりませんが、紅葉も散りまくった季節なのに、肉眼では綺麗な黄緑色が山麓を飾っているのが見えます。綺麗。
実際登ったら、あの黄緑は笹でした。
へええ……笹原なんて、北アでは珍しいのでは…??
<アクセス>
上高地の入口「中の湯ゲート」。
トンネル」の入口に向かいます。そこを左折してすぐ右折すると、国道158「中の湯→」に入ります。
岐阜側から来た人は、安房トンネルが終わったらすぐ左折です。
酷道と言うほどではないけれど、信濃側はたまに擦れ違い困難で荒い路面、前半はつづら折の急登道。そこをゴンゴン進み、中の湯温泉旅館を過ぎて3つカーブ(No,8-9-10)を曲がると、広い緩カーブの内側に駐車スペースがあり→
その対面(右手)が登山口↓ H約1,610m。
目立つものは何もナシ。
登山道から見た、登山口P↓ 無駄に広い・・・
ご覧の通り満車近かったので、もう少し先にあるスペースに駐車↓
そこからちょっと登って振り返ると、目指す山頂が見えます↓(更に登ると、白骨温泉への分岐点)
↓登山口Pの向こうには、穂高連峰・・・
いいロケーションですねえ
でもここ、9月に通った時は、朝の6時で全てのスペースが満車でした。紅葉の時期はもっと凄かったはず。
簡単でイイ山ですからね・・・
しかも混雑期は山頂直前で行列だとか
時期を外すか、平日登山をオススメします
そういう次第で時期を外しまくったW、更にここは標準コースタイムが往復5時間と短いので、今日はノンビリ登山です。9時、出発!
さっそく登山口に掲示物→
「焼岳小屋~上高地は冬期通行止めです」
ええ――…
しかし「中の湯」バス停がかなり下(中の湯ゲートの近く)なので、出来ればそこから始まる「中の湯ルート」を
登ろうとしたものの登山口がわからず、「今日はもうこの新・中の湯ルートの往復だなー」と思ってはいましたが…… トドメ↓
↑↑↑↑「中の湯ルート」、利用不可……(=廃道)
道理で登山口がわからないわけだ(ここかな~と思う広いところはあったけど、獣道っぽかった…)。
手元の昭文社地図(2010年発行)には両ルート載っていますが、最新版は直ってるかな?
国土地理院のネット地図には「新・中の湯」しか載っていないけど、他のネット地図には「中の湯」しか載ってないな・・・
これは、登山口からすぐに設置してあった、御嶽山の教訓的看板の図。(すごく新しい…)
←地図全面はこんな感じ。
なるほど、焼岳が「レベル3」になったらR158が沢渡から規制されて上高地に入れなくなるし、冬に岐阜側へ抜けることも出来なくなるんですね・・・・・・(※奈川から野麦街道で越県出来るけれど、あそこは冬期閉鎖)
登山口からはしばらく緩く右巻き→
やがて岩と木の根交じりの急斜が始まります↓
岩で歩きにくいですが、太い丸太で階段やら渡しやら、ベンチも2~3個あって、よく整備されています↓
緩い山かと思ったら、結構メリハリ。
しばらくすると、緩いタルミ部分に何度か降りて↓
道はどんどん緩くなり・・・
山頂が見えてきた!↓
登山口から1時間(1h25m)で、
「下堀沢出合い」(H約2,030m)↓
↑広場なので山頂がよく見えます。雪解けでグチャグチャですが、右手前にベンチあり。右手奥に、「中の湯ルート」がくっきり。まだ跡追えるくらい残ってるかな・・・?
↓左が南峰、右が北峰↓(の尾根先)
ん…?
南北の間の稜線に何か・・・盛んに噴き出ている・・・ような??↓↓↓
しっかり硫黄泉臭いし・・・・・・
いえ別に、噴出しているのはいいんです。火山ですから当たり前。御嶽でも阿蘇でも白根でも浅間でも、火口やどこかしらでモクモクやってますものね。
でも確かこの山、南峰と北峰の間の稜線に出たら、登山道は北峰に向かうはず。=モロ、あの前を通るってこと…??
昭文社の山地図を見ると「火山ガスに注意」
いや、注意してもね……
←下堀沢。「火砕流の跡」じゃないかな(笑)
笹の黄緑がキレイ
頭の中で必死に『風呂人』や『ネウロ』を思い出し(←色々間違ってる)、「火山性ガスは無臭のことがある」とか「下に溜まる」とか考えながら登りましたが、そういえば先に駐車していた沢山の人たちが前を歩いているはず。ヤバかったら、その人たちが既に倒れてくれているはず、です。
↓「出合い」からは、下堀沢の右岸を急登。
皆大した装備もなく無事下山してくるので、ドキドキしながらも進みます
ところどころハシゴが設置してありますが、段差も大きく全体的にキツめ。
←右手に霞沢岳が丸々見える
もちろん、穂高もチョロっと↓
例の場所に段々近づいてきた・・・↓↓
やがて沢上部で左岸へ移り、岩ゴロの斜面を通って稜線へ直登↓
吹き降ろす風が強くて寒い
「2300」と朱で書いてある岩を過ぎると・・・稜線です。
稜線から西の景色がまた・・・!!↓(立入禁止)
左は昔の?火口湖↓ 右のザクザクが火口↓
不思議なカタチ・・・・・・・・・・・・・・・ 火口からは、ほのかに煙が沸いてます↑↑↑↑
ふと右手を見てみると、「ほのか」どころではない、こちら↓↓↓↓
まさかの噴出孔真横通過(笑) 登山道は↑ここ。ほら、↑白丸マークが・・・
すごいわー。これは初だわー。
いや、別府とか熱海とかの街中はこんな感じですけれど・・・ 山で・・・!!
しかもここ、モクモクじゃなくてブシューってイってますよ(大笑)
←登山道は北峰を右巻いて、東から登らせるつもりです。行くしかありません。さすがに物凄いタマゴ臭で若干喉も痛いので、手拭いで鼻口を押さえて前進。
途中で撮った、南峰(H2,455.5m)↓
こっちの方が高いのですが、登山道ナシ。
山頂を右巻くと、上高地方向が見えました↓
そして進行方向の左手を向くと・・・・・・
うわ↓↓↓ モクモク
しかも黄色いよ… って言うか、
岩に硫黄結晶のツララが……! ↓↓
これ、高いんですよね。
今は工業的に生産できるので廃れたようですが、天然硫黄結晶の生産は一時期ニホンが世界イチだったとか。
←キケン(ドクロマーク)
そりゃそうだ・・・
でも、登山道のそこかしこからでモワモワ湧き上がっているので、もうどうでもいい感じ・・・↓
後日、地勢図を見たら、火口ではなく山頂に「噴出口マーク」がありました。うん、正しいね★
ここが噂の「行列を作る狭い岩部分」↓
狭いというか、一箇所だけ難儀な段差がある。ハシゴ設置したらいいのに・・・
そこからザレ気味の斜面をちょっと登ると、「下堀沢出合い」から50分(1h30m)で、山頂(H2,444.3m)↓
上高地↓
山頂には常時10人くらいでしたでしょうか。
焼岳小屋の緑色の屋根がよく見えました。
南峰の方へ行くと、さきほど真横を通った噴出口が真上から見えます→
ここも真っ黄っ黄。よくまあ、あんなすぐ真横を・・・ 登山道↓
火口は相当深そうで、底は見えません。 ↓昔は火口周辺を周れたのか、道がついてます。
火山が好きで色々見てきましたが、今のところ国内で一番ステキな火口はここだと思うんですよね。でも、ここは一目では見渡せないので・・・・・・北峰からiPhoneでパノラマ撮影 (7/27)
←信州 ↓噴出孔 ↓南峰 ↓火口湖 ↓火口 新穂高↓
夏の方が噴出量多いって噂を聞いたのですが、本当でした。
帰りはノンストップで下山し、山頂から55分(2h)で登山口帰還。
滞在4時間の、良い秋山でした
下山後の温泉は中の湯でも良いのですが、利用は17時まで。日帰り温泉の方が気楽なので、慣れない県外車やバス&トラック(トンネルで恐る恐る擦れ違い)でノロノロ渋滞の158を降り、元・波田町営の竜島温泉へ→
場所がわかりにくく、混雑時は使いにくいのが難点ですが・・・・・・お湯の良さはピカイチ。(松本平には本当の掛け流し日帰り浴場が少ない・・・) レジで売ってるお餅や饅頭は、安くて美味しいですよ~
W一押し!の温泉です
<2016年5/22の画像>
暖春効果で完全無雪!!でした。
広場から撮った焼岳↓ ピーカン
穂高から焼岳小屋の稜線↓
小さい青緑色が↑焼岳小屋
乗鞍↓
ちなみに例年の5月はこう↓(2017年5月14日)
あれ・・・・・・違いすぎる……8~9割積雪って……
下堀沢から見た南峰↓ もはや「焼岳大雪渓」と言っても差し支えない・・・
右端のアレはボーダーの滑降跡↑
通常「崩落激しく危険なので立入禁止」な南峰にも、雪斜面を直登すれば行かれます。
乗鞍岳↓↓
中々の斜度です。プラソリ持ってくれば良かった。