目的地は全て調べ上げ、いよいよお開聞に霧島に西都原だわ……とドキドキの出発数日前。最後に「古代 博物館」で検索をかけました。自分の興味は弥生時代ですが、前後の時代(縄文か古墳)の良い博物館があれば、行きたいですからね。
すると、霧島神宮の南東になにやらヒットしています。
国分ICの北東の丘陵上に、下調べ中いままで一度も出てきたことのない施設が。
「ショボい展示館かな?」
時間が無いので、とりあえず「時間があったらいく」リストにインし、出発。
その前日は薩摩半島南端の指宿。神社や展示館を色々見ていると、出てくるじゃないですか。「実物は上野原縄文の森にあります」とか、「上野原の高台は南九州随一の遺跡である」とか・・・・・・!!
むむむ………っ
急遽「絶対行く」に、変っ更――――っ!!
当日は指宿を5時半に出発し、小雨の下道を北上。
地図を見ると国分ICからすぐに見えますが、高台にあるので海側から直に入る道は無く、国道10号を大きく回って北東からアプローチ。
敷地は工業団地として開発しようとして掘ったのに、ドえらい遺跡が出ちゃったので「テクノパーク」として整備した、広い自然公園。Pも広大ですが、入って右側に停めると博物館が近いです。
縄文なので、古墳はありません(笑) ↓右が北。
敷地にあるのは古代家屋群、復元集落、遺跡保存館、地層観察館、埋蔵文化センター、「古代の大賀ハス」のある池、アスレチックなどなど…。
体験学習館では、お決まりのアクセサリー作りや土器作り可能。春秋に広場で催す市民祭りには、出店やイベントがあるようです。
エレベーターと螺旋階段↓↓
訪れたのは2月の金曜日。来館者第一号で、入るとスタッフ2名が展示入口まで親身に案内してくれました。↓展示室入口は古代住居のよう。和紙で出来てるとか!
こういう情緒的なものは無駄!と感じる方なのですが、この調理設備のミニチュア(下からせりあがってきます)↓や作りかけの家はいいですね。
この調理設備「集石遺構」も良かった↑↑ 平たい石の方が、放熱が高いとか 。
レシピや実際作ってみた記録もわかりやすく綺麗に展示↑↑ 他にはない良い取り組み!
シジミのスープに鯛のキノコ蒸し、猪のベーコンに木苺のデザート・・・・・・
あああっ、みんな旨そう~っ(><) 呑みたくなってきた
カロリー表示を見ると現代にも劣らず、その上素材はとてもヘルシー。米も無い時代ですから、タンパク質が多すぎかな。
↓南九州の考古学では外せない話題、火山灰による年代測定の展示。
え? 海を…越えて…??(怖っ)
※展示の最後の方では、火山灰を顕微鏡で見られます。
上野原は9500年前から住居跡や遺構が(たまに噴火で途絶えながらも)連綿と続く、一大遺跡。ピラミッドや三内丸山遺跡が5,000年前ですから、相当昔ですね~。
「縄文」というと、東北の方ばかり見ていました。まさか九州にこんなのがあるなんて、知らなかったなあ・・・
↓↓ 7500年前の深鉢土器(貝殻文角筒形土器)。現代の花瓶みたい。
九州では珍しい土偶(九州最古品)は・・・あれ?「レプリカ……」??↑↑
原品は「発掘された日本列島2014」に貸出中
ああ、11~12月に長野市でやるから行こうと思っていたのに、原稿が終わらず行かれなかったアレね。今は福岡県に来てるんだ――ー・・・・・・って!! なんてバッドタイミング この他、異形土製品や耳飾など、目玉品の半分くらいが「発掘された~」に貸出中でした・・・・・・
これも珍しい「岩偶」↓↓(しかも軽石製!)←噴石だな・・・?
これも凄い!↓↓ 時代別用途別の土器展示!!
用途別(煮る・盛る等)っていうのは初です。
これは資料としててげ便利!(いつ使う気だ!)
↓南海との交流を示す展示の一角 ↓この貝製のレンゲ、欲しい@@↓↓
そういえばここ、ミュージアムショップが無いんですよね。昔はあったらしいのですが、今は入口の小さいショーケースにちょこっと品物が置いてあるだけ。グッズは数種あっても、どれも安くて作りがチャチい。。。とりあえず図録と、ミニチュア土器を購入。「土器は焼き色が個々に違うので、お好みのものを選んでください」と5~6個見せられました。効率主義の施設には無い、好対応です☆
※スコップスプーンと↓↓包装紙は西都原の
ホールには展示品に紛れてモニターがあり、クイズラリーが出来ます↑↑ 吹抜けの端末で要事前登録。機械が古いのかちょっと反応が悪いですが、こういう閑散とした日は楽しめますね。
展示室の隣にはシアターがあって縄文アニメを放映しているそうですが、私一人のために勿体ないと思って断ってしまった(その後も来館者は一人も来なかったので、結局見ずに退館)
実はこの後に霧島神宮参拝に霧島登山を控えていて、それが終わったらその日のうちに宮崎市まで移動しなければならなかったので、のんびりはしていられなかったのですが・・・・・・ハっと気付くと展示館だけで2時間以上経過。行く予定だった隼人の穴などはオールキャンセルして、慌てて出発
やっぱり、博物館には半日以上欲しい・・・!
「西都原は明日行くから、あっちで本物見よっと♪」
と写真も撮らずにいたら、実際は「西都原から借りた展示品(本物)のレプリカ」という意味だったらしく。「本物も上野原にあるんです」と西都原(宮崎県)で説明されて、大ショック
ギョッとするほどの大きさ(長さ18cmくらい・・・!)だったんですようっ(><)
図録には載っていないし、チラシの画像は小さくて・・・・・・
あの勾玉の写真をアップで撮った方!画像をWに恵んで下さい!!
※追加:2022年5月
年代測定法の進展により、上野原の年代が更に1000年古いと判明しました。記事の年代は以前のものなので、「~年前」という表記には「プラス1000年」してください。