何だかよくわからなくもミステリーな字面で人を惑わす、まるで呪文な古代の四文字熟語A。
この国際標準神話の比定地は九州に多く、中でもこの山は支持者が多い有望株で、日向神話の礎となっております。
メインの峰は、高千穂峰以外の全部「立入禁止」でした。ましてシーズンオフ、おかげで人が少ない!
登山タイム(/標準CT):登り1時間5分(/1h30m)---降り35分(/1h)
標高差:約600m 距離:往復5km 出発地:高千穂河原P 条件:一人、日帰り、快晴
この山、不思議な境界線をひいてまして、御鉢(内側)は鹿児島県だけれども山頂は宮崎県。
↓高千穂河原にある航空写真。 ちょっと自分が映っちゃってる ↓
↑ここらへんから登って、御鉢のフチをまわって、山頂へ行くんですよ~
本当は宮崎県側の、狭野神社や霧島東神社が起点となる「まさに登拝」なルートから登りたかったのですが、あちらは標高差1,100~1,300m。当日は「指宿を早朝出発し、上野原を見てから霧島神宮参拝、登山したら宮崎市へ移動して焼酎!」というキツめ行程だったので、時間的都合上、この鹿児島県側を選びました。
神宮の大鳥居を抜けて左折すると、国道223。これを東へ進むと「←高千穂河原」の青看が出るので、左折して県道480号へ。
細いくねくね道をゴンゴン登ると、最高地点が「高千穂河原ビジターセンター」(H965m)。P¥500/台→
ビジターセンターはこのエリアの散策・登山基地で、登山バッジや携帯トイレの販売、ヘルメット貸出もしています。私が行った時は閉まっていたので、何の役にも立ちませんでしたが・・・
←本日の「やる気」情報。自己判断で登れ、と。
Pにある万が一の時のための避難壕↓
Pから石鳥居をくぐって広い道を東へ進むと、
約10分で「霧島神宮古宮址」↓
鳥居は軽石製の模様……
ここから右手(南)へまがって、自然探勝の「霧島神宮の森散策路」へ入ります↓
「ここから登山よ★」のポイントで散策路から左へそれると、いよいよホンキの登り開始↓
お、登山者カウンター。
そして果てしなく砂砂……↓
一昨日、鹿児島市の屋台村で呑んでいたらお隣が登山する人で、「高千穂なんて良くないよ。砂ばっかりで、まるで富士山」と言われ……
私もこういう砂道が嫌いだから「富士登山は絶対しない」と決めているのに、まさか九州でこんな……
でも、ここ以外に「神社な山」は無いので仕方なし。登ります。
ザザーザザー……
ところどころイイ斜度で、ザザー。こりゃ疲れる。
おりしも体は旅行開始前から絶不調。
激鼻炎&マスクで呼吸も苦しく、皮膚疾患でステロイド漬け+睡眠不足(痒くて眠れない)。そこへ毎晩の「焼酎祭り」で、悪化してきました(当たり前)。何度も止まって鼻をかみ、咳止めに水と飴と服薬、皮膚がピリピリするので軟膏塗布……とやっているものだから、異常に時間がかかる
←右側通行です。
追い討ちのこの砂道で英気も削がれ、もうほとんど苦行です・・・
横を見るとこんな感じ→
溶岩がチョロっとありますが、モロいです。
ザザー・・・・・・
これが混雑期だったらと思うとゾっとしますね。幸いこの時は前も後ろも他の登山者は接近しておらず、遠くに見えるだけ。右側通行をわかっていない(もしくは無視する)シニア5~6組と擦れ違いましたが、許容範囲です。
←下を見るとこんな感じ
これは下山時の北側道から撮った写真で、こっちの方が溶岩が少ないので、砂走りで降りられます。おそらく「溶岩が多い方がしっかりしていて降りやすい」と思って彼らは「右側通行」を無視したのでしょうが、降りはこっちの方が楽でしょう。人の言うことは守った方がいいってことです
御鉢に近づいてきましたよ~→
ほい、御鉢の中(鹿児島県)↓
ここの火山灰は「高原スコリア」。明治・大正にも噴火しているとか。
砂坂が終わったら左(北)へ進み、御鉢の縁(宮崎県)を時計回りに緩やかに登ります→
右(南)は立入禁止。
溶岩っぽくない噴石↓ オブジェのよう。
県道480沿いの巨石もここの噴石らしい。
ふと左を見ると、崩壊現場の層に装飾古墳や洞窟壁画のような見事な色彩が→
原始の黒赤信仰って、この火山色から来てる?
いよいよ御鉢から本体へ↓
この繋ぎの部分「脊門丘せとお」(H約1,400m)にある、「霧島神宮元宮」↓
西暦540年、ここでニニギ奉斎を開始。
しかし噴火で消失したので「古宮址」に遷宮し、13世紀にはそれも噴火で消失したので、現在の場所に遷ったとか。
この先からチョイ固めのザレ道になりますが、斜度がキツめなので崩壊激しく、丸太の補強ももう追いつかない感じ。
ザザー、ザザー……
狭いし急だし、混雑期はホント大変だろうな
シーズンオフに来て良かった
←そして2月だというのに、雪はコレだけ。
さすが南九州!
↓↓そして山頂(H1,574m)!↓↓
うわ、「天の逆鉾」近づけ――ん
戯れにひっこぬくバカ者が多いからこんなことに……?
左手にある白い碑には「霊峰 高千穂峯」。
←韓国岳方面と眺望盤。
さすがにモヤってきましたが、この日は雲ひとつないド快晴。昨日まで小雨続きだったのに、恵まれていました。
↓南東側の登山道↓ 霧島東神社がある御池?↓
山頂にある霧島東の奥社(バラック小屋)は閉まってました。
鹿児島で大量に買ってきたのに、もう残り僅か・・・
開聞岳と同じく、到着時は山頂に誰も居なかったし、誰も来ません。こんな景色を独りで。贅沢だ……
これで体調が良かったら本当に最高でした
15時。さすがに寒くなってきた。
宮崎で焼酎しなきゃいけないし、そろそろザレザレ下山しますか。。。→
登山道を崩壊させないよう気を遣いつつ、ノンストップでくだります。
御鉢を過ぎて砂道をザザーっと降りながらふと左(登りの南側)を見ると、これから登ってくる奴が!!
しかも軽装(薄着)・単独・荷物ほとんどナシ。若者もいれば、いい歳したおっさんもいて……
うんもう、こういうおカバさんは、一度痛い目に遭わないとわかんないんだから。
今こそ噴火しちゃえ、御鉢!
砂道も終わって登山道開始ポイントに戻ったら、今度は南へ進んで散策路経由でPへ。
この散策路沿いもミヤマキリシマが自生しています。花の時期はさぞ混雑するんでしょうね~。
※本場の群落はPから左手に登る散策路の方ですが、新燃岳に近いので上部は立入禁止。
もっと晴れていれば、この展望台から開聞岳が見えるそうです→
滞在は2時間45分。
イヤな砂道でも火山でも、この眺望の良さと簡易さを考えたら大変魅力的な山ですね。
←下山後は宮崎へ向かう途中の極楽温泉へ。
大岩を刳り貫いた岩盤浴槽に、鉄味のオレンジ湯。
外には稀有な炭酸風呂もあって、「コレだよ、コレ!」といった感じ。脱衣所は狭いけれどたまたま人が少なかったようで、快適(いつも凄い混雑するらしい)。
総合的に、とても良い登山でした
↓下山後に撮った御鉢と高千穂峯。