ここは「いつか行きたいと思っている博物館のなかで、二番目に遠いヤツ」でした。
「さいとばる」
異国チックでやや縄文チックな名称に加えて、ホームからかなり遠い南の国。
古墳密集地帯とは聞いていたのですが、近つ飛鳥とは違うものを期待して・・・・・・
Go to ミヤザキ!
なのにどうしたことか期待が大きすぎたのか・・・
まずここ、分業すぎてわかりにくいです。
遺跡全体は「西都原古墳群」、古墳巡りや物産館・レストランなどは「ガイダンスセンターこのはな館」、博物館は「西都原考古博物館」と、サイトが全部別。駐車場も別。リンクもほぼ無い。 ※今はだいぶ改善されてました(2021年確認)
博物館の周辺にある地図は、このように本当に周辺だけしか載ってなくて、しかもこの見にくい色合い ↓↓ どこへ行けば古墳が見物できるか謎・・・
出発前の下調べでは時間が無くて見つからず、全部帰宅してから気付きました・・・
ホームに「アクセス」とか「敷地内MAP」で出てたら、ほとんどの人が見つけられるのに・・・・・・このダンジョン作りはわざとなの?天然なの?
しかもサイトの全体地図、北は右なのに方位記号が無い。電話番号はかろうじて「団体申込」に載っているけれど、サイト内に住所の記載がどこにもない。
ホントにここ、学芸員いるのかな
「鉄筋コンクリート造」なんてどうでもいいから!
まあ、古墳は見渡せばすぐそこにポコポコ見えますが・・・・・・とにかく色々不親切で、まさかこれ宮崎県民性・・・?と心配になりました。
まず入ってみると、ディスプレイ産業特別賞やらユニバーサルデザインやら自慢気に賞状まで入口に飾っていますが、実際は「うわ・・・これは弱視の人や老眼の人には、キっツいわ・・・」というくらい暗い照明に暗い解説パネル、突然の段差。
↑↑入ってすぐの長廊下↑↑ ここも古墳の羨道のイメージ??
壁に「男狭穂・女狭穂」フィギュア↑↑
この手前右手に地下式横穴墓の実物大模型の部屋があり、玄室を上から見られます。
↓↓ 見づらいパネル
「遺物の劣化を防ぐ為に照明が暗い」のは普通のことだとしても、暗すぎる・・・ 撮影はフラッシュ禁止なので、光源不足でブレまくり。
↑↑ 時の長さを実際の長さに対比させた「年代フィルム」が廊下の手すりに
矯正視力1. 2の私でも、顔をかなり近づけないとさっぱりな照明と文字のサイズです。
↓↓「赤緑色盲の人にはアウト」な色彩
そしてほとんどの展示物に説明表示(△時代の××で、素材は○○で、どこで出土したとかの情報)が、無い・・・・・・
いやいやいやいや―――・・・ 無いわけないから!と探すと、ラミカード数枚がこういう風 ↓↓にまとめて置いてあって
実物の展示側に目印となる記号は一切ついてないので、どのシートがどの展示に当たるのか、さっぱりわからん
ましてこのシートのどの写真が、どの展示物なのかなんて・・・
↓↓「棚の上段中」って・・・・・・どの棚だよ??
そういえば、展示エリアに入るとボランティアガイドらしき人が後ろから黙々ついてきて、展示物の前にくると勝手に説明をし始めました。
前日に上野原でさんざん見たばかりの内容だったので「結構です」と断りましたが・・・
ここは館内ガイドと一緒に周るのが前提の作りなんでしょうか??
だったら黙ってついてこないで「ガイド無しだとわかりにくい展示ですよ」と、最初に教えてほしいですね。何にせよ、一人でゆっくり周りたい人には最悪なシステム。
あ~・・・デザイナーがデザインしちゃったんですかね?、ここ ↑↑
なんかイメージ優先というか、コンセプト強すぎというか・・・
そうそう、ここも展示物に混じって数台のPCが点在し、何やら「マイノート」が作れると表示されているのですが、それを作るために登録が必要らしく・・・しかしその登録用紙が、「○○にあります」と書かれているその○○にも、どこにも、無い
見終わって入口フロアに戻って受付で聞いてみると
「用紙は普段は展示フロアの○○(一箇所だけ)に置いてあるのですが、枚数が少なくなってきたので今はこの受付に置いてます」
おい・・・
土曜日の午後で観覧者は1ケタ。「忙しくて説明し忘れた」ならわかりますが、これは「聞かれなければ説明しなくてもいい」というスタンスだ。お役所か・・・?
まあ、悪口ばかりですが、展示物や出土物はさすが、一大古墳群だけありました。
展示の流れもまあまあ……
←煽り文句。押し付けがましくて疲れる・・・
いわゆる「遺物を見て自分で想像を膨らます」という余地が無いです、ここ。
子供をダメにする造りだな、これは。
それに比例して「金かかってる感」が凄い。
床下にも情緒的な展示が ↑↑ なんかテーマパークちっく。。。
あ、そうですね。博物館というより、この雰囲気と暗さは「万博パビリオン」に近い!
↓「九州全体を語り、中央と比較する構成」の為、ここの出土物ではないもの多数
長廊下よりも大きい「男狭穂・女狭穂」の壁に投影される、「被葬者は誰だ?」的映像展示。こういう壁面に ・・・↓↓ 投影するとこうなる ↓↓
説明は字幕(?)で音声ナシ。これはわかりやすい作りで○。
座席が少ないですが、何回も上映するし時間も短いので問題なさそう。
この映像も金かかってるぞ~。
なのに入館無料。・・・・・・財源どうなってるの?ミヤザキ??
↑↑ 最後のほうは、記紀などに見る隼人についての記録列記と、隼人盾
展示エリアの横に考古学の学習エリアがあり、いつでも行き来できるように所々繋がっていました。更に順路の指示が無く、「縄文」「弥生」などの見出しが若干大きめの字で記されているだけで・・・・・・縄文の次が何かは知らないような迷い子が、ウロウロ行ったり来たりしてました。
学芸員よ、自分の施設を再考なされませ
終了後はミュージアムショップで物色。
「ホテル代やレンタカー代は全て事前決済でETCカードもあるし、5万円で足りるだろう」と出発したら、3日目で既に現金が2,000円になってしまったのでここは「見るだけ」のつもりでしたが、え?クレジットカードOK??(珍しい!!) やたっ欲しい本が全部買える!!
と言っても「常設展示の図録」は無く(無い無い尽くしだなホントに・・・)、企画展やテーマに沿ったカタログがたくさんあって、たくさんありすぎて買う気になれん・・・といった感じ。
その代わり市販されている(が普通の書店にもネットにも揃えてないような)古墳や考古学関係の本や東京の博物館の刊行物、「発掘された~」のカタログまであったので、どっさり購入
←グッズは発掘スコップ型のスプーンを。
てげむじい…… ※ミニチュア土器は上野原で購入したもの
さて、展示館の外へ行くと、庭のようなエリアに何かあります。
復元古代住居→
いま問題になっている廃屋空き家のよう……
ここは詳しいサイトが無いですね。
講座内容は博物館のサイトに載っているので、付属施設みたい。
この風土記の丘は「丘」って感じではなく、海から少し入った扇状台地(なぜ一発変換できない…)上にある為、全体的に緩やか~な斜面になっています。
博物館の北側↓↓にはあるわあるわ、モコモコモコモコ、同じようなサイズの小古墳が。
西の斜面にはもっとあるみたい。「男沙穂・女沙穂」は「陵墓参考地」「立入禁止」なので、鬱蒼とした森が見られるだけ。
右の画像はイチ押しの「鬼の窟」。車道からもよく見えますが、上から見た画像の方がわかりやすいので展示写真を・・・ まるでドーナッツ
この北東にある石貫神社が大山祇を祀っています。まるでこの窟の鬼門を守るように・・・
博物館の展示はアレですが、遺跡としてはやはり一級クラスで魅力的。
古墳エリアの東側には神社も色々ありますしね・・・
次に行く機会があればガイダンスセンターを中心に、1日かけてじっくり周りたいところです。
【訪問前のオススメ参考書籍】
「隼人の古代史」中村明蔵:著 ISBN4-582-85119-3 (平凡社新書)