アイヌの先住民族認定に伴い国立化されたこの博物館。
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◆◇◆◇ 国立アイヌ民族博物館(北海道白老町) ◆◇◆◇
立派な建物になったものですねえ・・・
完全予約制ですが、それは入館時間だけ。しかも1時間おきです。
現地で確認した事項含めて、以下のようなルールでした。
① 「予約した時間から1時間以内」に入れば良い
② 一旦入ったら何時間居ても良い
③ 一旦出たら、また予約しないと入れない
④ 入館料は「入園料込み」だが、特別企画展は別料金
んん・・・? つまり長時間滞在するオタクが多いと、入館人数はどんどん増えるということ?? ダメじゃん・・・・・・ 展示室自体、そんなに広くないのに・・・
予約状況はエントランスに掲示↓↓ うわ、予約した時間だけが満杯だ
予約者9割がこの特別企画展(ゴールデンカムイ)↑↑ 目当てだったようで・・・・11時に予約して11:30に入った常設展示は最初ガラ空きでしたが、12時チョイ前一斉に大量の親子連れやペア者たちがザザーっと流れ込んできてかなりな人密度に。うひゃあ
幸いアイヌにそこまで興味あるわけじゃない人たちだから「へーほー」で流れるように出ていき、30分位で再び閑散としましたが。。。こんな予約方法じゃ効果は「入館ゲートの混雑回避だけ」、コロナ対策としては無意味ですね 西側から見た博物館↓↓
↑この辺りがライブラリ横の入口 右側が正面玄関↑↑
気を取り直して―― 1Fが シアター、ショップ、ライブラリです。
博物館ショップ*****************
ショップ横一面は「アイヌ関係の漫画」の展示 ↓↓
もちろん『ゴールデンカムイ』入ってます
しかし『不思議の国のバード』(←江戸発山形経由の探検踏査の最終目的地が蝦夷)や『シャーマンキング』(←アイヌ系っぽいキャラが居るだけ・・・)まで入ってるのに、『狭医 冬馬』(←江戸時代にアイヌへ種痘するストーリがある)が無かった。
ショップは陳列も品物も洗練されていて、ポケットムックリ(←携帯用ミニ。いつでも
どこでも??)とかプレミアムムックリ(←超豪華)とか、マニアックさにも溢れていますが、「泥臭い民芸品」が一個も無い・・・ 「熊の木彫り」は、きちんとした造りの普通の卓上サイズが1点だけ。やっぱポロトミンタラ行きたかったな・・・
ストラップやキーホルダーも、オヒョウ製、アットゥシ製、鹿の角(本物!¥1650)、ヒグマの爪(本物!小で¥8800!)と色々あって、どれもモノが良いです。鹿角なんかは別の観光地で同サイズのものが¥4,000でしたから、絶対「買い」!↓↓
オンラインショップにはこういう地場産工芸品は一切出ていないので、現地に行くしかないですね。。。。どちらにしても、以前は書籍ばかりだった博物館ショップとは一線を画しています。というか、書籍が少ない。キャッシャー右側は民族人権関係や学術用レベルが多くて・・・今回は「初級用のアイヌ語辞書」が欲しかったんだけどな。
キャッシャーの北側(↑上記画像の左側)ではコーヒーやスナックが販売されていて、北側窓際のテーブルで休憩できます。
博物館ライブラリ **************
館の東端(↑上記画像の左奥)に、小部屋がひっそりと。
狭いため、コロナ対応で「10人まで」という人数制限がありましたが、誰も居ない。壁一面にアイヌ関連本が積まれ、読み放題・・・!
「貸出不可、画像は撮っちゃダメ」だけど、自分ノートにメモOK、申請すればコピーOK。やった! 専門図書館は普通厳しくて、筆記具の持込み禁止だったりするので緩い方です
でも、これもコロナ対応か「触った図書は全てここに返却してください」となっていて・・・多分一冊一冊滅菌するんでしょうね(←そういう機械が安曇野市の図書館にも導入されてた)、気軽にパラパラ見てまわるのが難しい状態なのは残念でした。
仕方ないのでタイトルと表紙だけで選んで窓席で読んでいると‥‥ 巻末には「5冊でワンセットのシリーズもの」らしきことが書いてあるのに、棚には3冊しかない。
W「あと2冊、閉架にありませんか?!」
すぐに対応して、2回目の訪問時に出してくれました。←空き時間がコマ切れだったので4回入室。
展示室 2F *******************
1Fエントランス入って右手にシアター入口、左手がゲートです。ゲート先の自動ドアを経てエスカレーターであがると、2Fフロアにはホワイエのような広い空間があり、北側一面がガラス張。 ↓↓ ポロト湖の展望。 右手が「チキサニ広場」↓↓
「チキサニ」=ハルニレだったかな? 企画展は別料金なので、ここでチケットチェック(=行列が出来る)や教育旅行の混雑対応するための広さ、でしょうか。
↓↓常設展示へのアプローチ。この壁に投影展示が出る。これも行列対策??
ワンルーム造りで広い↑↑
解説板は日本語・英語・中国語・ハングル。アイヌ語はあったり無かったり・・・
ポロトコタンの博物館はイナウくらいしかめぼしい物が無く、規模も小さく解説も浅く、何がアイヌなんだかさっぱりでした。帰宅後に札幌の本屋や博物館ショップで買った書籍たち↓↓を完読し、やっとアイヌの世界感がわかったくらいです。
その点、ウポポイは充実&カンペキ。
展示のメインは、所蔵数からここも「衣装」↑↑「イナウ」↓↓「イクパスイ」って感じですが、「より詳しい解説」と「系統に沿ったレイアウト」でわかりやすい。
これなら本を何冊も読まなくても、ここの展示で大体の世界観がつかめます。
イナウみたいなの、群馬にもある↓↓ んだ!? イオマンテの飾り ↓↓ 高!
アットゥシ(樹皮布)の機 ↓↓ 長! 供物の様子↓↓ ↓シト(団子)
小物も色々↓↓ マキリ(小刀)とテクンペ(手甲)↓↓
中央の「言語に関する展示」にはユカラの製作映像や研究者(※)の著書・メモ等が↓↓
※バチラー夫妻、金田一京助、知里真志保、知里幸恵 等
知里幸恵の資料館は登別にあるけど、駅からちょっと遠くて行かれなかった 「銀の雫ふるふる」は本当に綺麗な和訳ですよねえ。。。
展示室の南側一面には、縄文土器から始まってアイヌの歴史が明治~昭和までどーん!と時系列。わかりやすい。 所々の図説もバッチリ↓↓
コシャマイン → シャクシャイン → クナシリメナシ 覚えた!
最後の「アイヌの(?)職業コーナー」が現代の人にまで及んでいて「???」でしたが、天龍峡で測量した技師の展示に「飯田線マップ手ぬぐい」があって食いついた↓
エレキ・・・トンコリ!? ↑↑
出口近くの図書コーナー(子供向け?)には、北の動物のぬいぐるみが。
コロナじゃなければ、↓↓ここでアイヌ語講座もやるんでしょうね。
「触れる学習展示」も色々ありましたが、コロナでシャットアウト↑↑ 黒いベルトで遮られてるので、身を乗り出して鑑賞(老眼には厳しい) 豊富なシャケ展示 ↓↓
これがあったらもっと時間かかったと思いますが、滞在1時間20分で何とか終了し、次に予定していた体験プログラムへダッシュ! ウポポイはやる事一杯で、でも8時間しか滞在できなかったので、企画展を観る時間はありませんでした=3
今回の企画展の内容からすると、たくさんのブツが常設展示からあちらへ流れていたんじゃないかな・・・という感じ。「ストゥ」無かったし。そうすると、本来は常設展示だけで2時間半は必要だった、んだろうなあ・・・
それでも十分な内容でした 満足です!
『ゴールデンカムイ』はまだ10巻くらいまでしか読んでないので、帰信したら漫喫で一気読みするぞ~
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余談ですが。
ようやくアイヌが先住民認定され、2019年にアイヌ新法が施行されても、まだ民族侮蔑するアホっこが居るそうです。ビックリ!
相手の弱点を突いて自分が偉いとイイ気になりたがるアホな子供ならわかりますが、イイ歳した大人である親たちが「あそこはアイヌだから」とか言うとか。。。。
私にとって「人種差別する人」って「教養が無く、世界観の狭い人」なんですよね。
イジメっ子と同じで「誰かを貶めないと自分を保てない、可哀そうな人たち」。
なので、人種差別する=「自分は教養の無いバカで哀れな人間です」って証明する行為。そんな恥ずかしいことする大人なんて、この現代には普通居ないと思ってました。ホントに。でも、世間的にはそうでもないみたいで驚きますね・・・
他の多数と違う「特異的な源流」を持っている人は、はっきりした方言も習慣も無い関東出身の自分には結構羨ましいです。「夏休みに田舎に帰る」すら、羨ましい。
かと言って、その「特異的な源流」を税金で保護すべきというのは、ちょっと違う気も。税金使うなら、もっと生命の危険にさらされている人が優先だし、人種差別をするおカバな人の質の悪い脳内を何とかすべきだし・・・・・・
「アイヌが軽んじられているから侮蔑するんだろう、だからアイヌ文化を高尚なものとして大事に扱えば差別はなくなる」と言う人も居て、それでこんな立派なものを造りたがった節もありますが、問題はそこじゃない。
人種差別する人は「侮蔑するネタ」なら何でもいいんです。アイヌがダメなら他を探してでも貶めたいんです。そういうダメ思考を何とかさせる方が、差別根絶の近道。
そして「権利を主張するのにやっきな人」もまた、実は見ていてウンザリするものなので・・・ ええ・・・↓↓こんなのやってるんだ 鮭イベント!!↓↓ 行ってみたい
こういうイベントとか、ゴールデンカムイみたいなコンテンツとか、もっと娯楽として広めていって、アイヌであることを堂々と自慢してほしいですね。もし侮蔑する人と会ったら「アイデンティティが脆弱で哀れな人だ」というスタンスで是非。
あまりにひどいようなら証拠揃えて名誉棄損で訴えてもいい(まずは内容証明→民事訴訟)、これこそ当然の権利です。侮蔑する方が悪いに決まってますから。
周囲の人は、そういう差別主義者が居たらたしなめるか、「それは恥ずかしいことですよ」と教えてあげると良いと思います。
間違っても保身のために同調しないように!←日本人ほんと多い!