Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

『岳』(がく) 石塚真一:小学館:ビッグコミックオリジナル

救助関係をマンガにしたものは、今まで消防署の『め組の大吾』、海難救助隊の『海猿』(ドラマ化)とありましたが、『岳』はそれらとは全然違います。

主人公が民間ボランティアの山男で、海外の山で独自に鍛えあげた、技術的にも
精神的にも「できあがっている大人」。
故に成長を語るモノでは全く無く、上記2作のようなおバカなラブロマンスも無い。

ただただ、山の救助事件と人間ドラマを描いています。
(と言っても、伏線はほとんど無し)

舞台は長野県の上高地穂高
主人公が住んでいるのは山中の三つ沢!!(羨ましいぃ~っっ!!)
作者が登山家なので、描写も話もリアルです。

しかし「おお~っイイ!」というよりは、淡々と「だよね~…」な雰囲気。

私も山は好きですが、本格雪山は死んでもやりません。
寒さに弱いのが一番の理由ですが、拮抗して二番目の理由は「コワイから」。
兄は初雪山で、上から人間が落ちてきて、それが目の前でクレパスに消えるのを見てから、登山自体をほとんどやめてしまいました。
私は、そんなものをリアルに見なくても充分想像でコワイので、最初から行きません。
真冬はゲレンデから見て満足するよう毎年言い聞かせ、標高2000mくらいの里山散策で済ませています。アルプスは4月(残雪期)からでじゅうぶん!

『岳』は読んでいるとそんな感じで「そうなんだよねえ~…」な漫画。

美しいし素晴らしいけど、それを上回るほど恐ろしい。
だから美しいし素晴らしいし「楽しい」。

痛い目に遭ったって生きてる限り、作中でも現実でも、雪山を続ける人はわんさか(笑) 件の落下を一緒に見た父は「あの雪じゃ、捜索は春だねえ」とサクっと言って、また普通に雪山へ出かけていきました(母、諦め気味)。

山男って、そういんもんです。
処置ナシ。

余談ですが…
私は東京の山岳救助隊(by消防署)しか知らなかったので、このマンガで初めて「基本は県警の山岳警備隊」ということを知りました…。
穂高には行きますが、お世話になったことは幸い無いんで。

作中では夏山や、海外の山もチラっと描かれます。
読むとやっぱり、山へ行きたくなりますね(^^;)

現在9巻(連載中)

 

※2019年11月、初めて滑落し、骨折はしないものの結構な怪我を負いました。
幸い自力下山できましたが、赤十字病院で手当てしてもらって帰宅したその夜はフラッシュバックで何度も飛び起き。顔面は腫れあがり、額や頭も腫れ、体中アザだらけ。脚は肉が見えるまで擂れて、歩くとヨタヨタ。
なのに翌朝、出勤途中の車窓から美しい北アを見て「ああ、登りた~い!」と言った自分に驚きです。そうか、こういう気分なのか・・・・・・