Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

博物館◆弥生文化博物館(大阪府和泉市)

弥生ファンとしては、わかりやすくて大歓迎な館名です。
実質弥生時代がメインの博物館でも、誘客・宣伝のためか普通は施設名に「古代」とか「銅鐸」とか「~の森」とか冠して、ロマンチックにしてますからね~。

なのにピンポイントで「弥生」。
私らの時代と違って500年も延びた「弥生時代」ですが、「縄文」や「青銅器」や「奈良飛鳥」「天平」に比べたら一般人にはとてつもなく響かないワードなのに、なんて潔いんでしょう。

それもそのはず。ここは、あの池上曽根遺跡 (国指定) の隣接博物館なんです

                                                                                                         
     弥生文化博物館大阪府和泉市)                        

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場所は大阪の南も南。
黒潮に触れるほどミョ~っと伸びた、和泉国和泉市にあります。

池上曽根遺跡は明治大正からチョコチョコ出土していたのですが、大規模遺跡じゃ?と判明したのは昭和になってから。大規模な「環濠集落遺跡」だとわかったのは、平成になってからだそうです。
しかしそこからが早かった。
何しろもう博物館も作ってしまってるし、大型高床式建物では?という柱跡も出土したし、これはもう、町をあげて復元するしかありません!

というわけで今は↓こんな感じに。
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やっちゃったよ…
「80畳、弥生時代最大級の高床建物」 

この建物の姿、当初はCG画像が「発掘された日本列島」で紹介されていて話題を呼んでいたのですが、まさか復元していたとは……

遺跡内で出土した線刻土器の建物を採用し、弥生風の衣装で斧入れの儀式までして山から檜を切り出し(ヘリ輸送)、柱跡の太さから高さを推定。屋根上の鳥や飾り板の彫刻などは、もうやりたい放題→

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「環濠集落」というとまさに「戦う弥生時代!」って感じですが、実際はほとんどが「生活の為の溝」であった模様。
最盛期の人口は約1,000人!
弥生時代の遺跡としては、確かに十指に入る規模と内容でした。

P(無料)は、国道26号から入る場合は北上して「池上町」交差点を過ぎ、すぐ左。金網ゲートが見えるだけで案内看板は何も無いし、車の場合は北からのアプローチでは入れません。(その場合は隣接の式内・曾禰神社から入った方が楽)


敷地内には遺跡のガイダンスセンターである「弥生情報館」と体験施設の弥生学習館があり、出土物の展示や宣伝啓蒙活動をしているのが南にある「府立弥生文化博物館」です。
(URLが「関空シティ」…)    ※灰色の横断線が国道26号↓ Pは薄紫の四角の下あたり。
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普通はこの博物館P(無料)に停めて遺跡散策へ行くのでしょうが、週末の市民セミナーで満車のこと多し。

そして府民の知人が言うには「昔は入館無料だった」らしいのですが、2014年にリニューアルを果たしてから有料¥300となりました。しかも特別展開催中は、特別展など観たくもなくても入れてしまう構造の為、入館料が一律¥600になります。さすがオオサカ。

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1Fは受付とホール、セミナー室、ラウンジ?で、展示は2F。規模はそんなに大きくなく、ジオラマが目立ちますが、テーマを立てた展示の流れと、参加型を目指した作りは中々でした。

というか、「オオサカの弥生博物館」だっていう意識が無いというか………「大阪都構想」チック? 府民に対する弥生の啓蒙」を超えているよなあ…っていう点が多々。

←大阪で出土してないものも多数展示。


総合的な理解にはいいのだけれど…
銅鏡の総展示↓
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そして、スタンダードな邪馬台国候補でもないのに、「ヒミコヒミコ」しすぎ。

↓「卑弥呼の食卓」
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 なんだか「ヒミコ=弥生時代」なイメージで使ってる模様ですが、弥生時代晩期ですよ、ヒミコ。

復元ジオラマ卑弥呼のムラ」↓
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福岡で出土した金印を象徴的に扱って、レプリカ販売までしてる・・・

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そしてリニューアル前はメインであっただろう、
←「池上曽根遺跡部屋」

屋外に復元してある大井戸は板材を繋いであるものですが、出土した刳り貫きはこちらに展示。

←床には現在の遺跡周辺の航空写真が。

出土した土器類も一斉展示されていて、復元に関わるVTRも観られます



ところで、
常設展示に柴犬マネキン?があって、昔東京でやっていた大特別展「縄文VS弥生」に出ていたカイト君にそっくりだな~と思って見ていたら、本当にカイト君でした。

確か、実際出土した骨から復元したんですよね。海を渡ってきた渡来弥生犬なので「海渡くん」、でしたっけ。
特別展終了後、ここに引き取られたんですねえ。

常設展示エリア入ってすぐの、実物大・竪穴式住居の入口に居ます。 
                   ここ↓
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