Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

弥生の森博物館(西谷墳墓群:出雲市)

西谷墳墓群(国史跡)。

西暦2世紀から、日本最大の四隅突出型墳丘墓が次々と造営された、弥生時代で一番注目すべき墓群である。

しかし、マイナー。

卑弥呼の時代が3世紀ですからねえ…
そこからある程度メジャーな古墳時代が始まりますから、それより前なんて未知過ぎて。
ましてロマンな青銅器時代は出雲では既に終わっていて、今イチ一般人にはピンとこない遺跡なのです。

それ故その筋の人でないとこの遺跡は誰も知らず、私が初めて訪れた時は案内標識すらありませんでした。
以前の『出雲』本でも、「ここを完璧に地図ってるガイドは僅少」と書いたのですが…

事態はこの5年で大きく変わりました。

そう、このマイナー遺跡に、博物館が出来たのです……!!

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すげー…
 
作る気だとは聞いていたけど、
ホントに作っちゃったよ…
 
しかもこんな立派なモノを…
 
しかも入場無料だよ…
 
大丈夫か出雲の財政……

館内をウロウロしているスタッフの話によれば、ここは文化財の研究センターも兼ねていて、博物館はどちらかと言うとその宣伝的なモノ。市内の古墳(大念寺・築山・地蔵山)の無料ガイドの受付(1週間前まで)もここでおこなっています。

その為、展示は西谷墳墓群にとどまらず、私がずっと調べたかった矢野遺跡や天神遺跡の出土物まで陳列されています。素晴らしい!!

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しかし、それにしては懲りすぎです…
 
館スタッフをモデルにして作ったという、このジオラマ人形の数々。
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衣装やイレズミデザインは、全国各地の出土物から失敬(ダメじゃん…)。
あくまで「子供でも楽しめる博物展示を目指して」作られたものだそうですから、復元度についてはあまり信用しない方が良いでしょう。


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「触ってみてね」の土器は、
なんとホンモノ。
 
収蔵庫の一部も見られるようになっていて……→
 
触れちゃいますよコレ!;
 
てか、固定されてませんよコレ!!;;
 
 
あり得ない……

「知りたい情報をクリックしてね」のよすみちゃん(頭が出土物の青ガラス勾玉、体が四隅突出墳丘墓の、女型マスコットキャラ)は、画面上で妙に可愛らしいウィンクをします。オタクはイチコロだな…
ショップにグッズあり。

よく見たら、館長は発掘を指揮した当時の島根大の教授じゃないですか… コダワリに納得。

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←見て下さい、これ。
1階の床にプリントされた、
古代出雲の地図。
 
私、自分でこういうの作りましたよ… 当時の湖岸線を決める為に、1/25000等高線地図に色付けして…
 
でもこちらは「航空撮影写真に投影」。
ななな…なんて素晴らしいんでしょう…!
こういうのが欲しかった!!
ああっ ミュージアムショップに売ってない…っ?;;

「撮っていいですかあ?!」
と意気込んでバシャバシャ撮っていたら、
「こちらのパンフレットに一部印刷されてますのでどうぞー@」
とスタッフさん。

図書コーナーには各遺跡の発掘調査報告書やチラシ・冊子がズラリ。
あ、出雲市内の遺跡のしか無いってことは、この博物館、市営なんだ…
そうすると斐川町の遺跡なら荒神谷博物館だな……(確か、あそこも文化財センターを兼ねていました)

チラ見の予定が、うっかり3時間もガブリつき。
見事にWの本願ストライクゾーンな博物館です……!!

でも、一般人にとってはどうなのかなあ…;;
(土曜なのに、私以外は近所の人らしき子連れパパが2組のみって……)

見終わった後は、西側にある西谷遺跡を散策。
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手前が男王・女王が埋葬されていた、柱跡のある3号墓で、その奥が次代女王の2号墓。


5年前はまだこんな↓だったのですが、見事に復元されましたね~。
イメージ 8イメージ 9

ベンチ等も整備され、散策路も難なく通れるようになっています。

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←ガラス釧が出土した、2号墓
 
全面貼石まで復元してあって、中の展示室へ入れます(9~16:30)。
 
以前購入した調査報告書によれば、この貼石の向きとかも、色々地域でコダワリがあるようですよ。
 
四隅突出墳丘墓。
中国山地以外は、日本海側の出雲から北陸にかけて分布しております。


1958年にその存在が知られながら、今まで日の目を見ることのなかったこの重要遺跡(でもマイナー)。
ありきたりな出雲に飽きたら、まずはここから、どうぞ!☆