Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

博物館◆尖石縄文考古館(長野県茅野市)

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あの国宝「縄文のビーナス」を擁する博物館です。
 
私の興味の対象は弥生時代なので、その前身である縄文時代は必須科目。それに、縄文土器、好きなんですよね。

しかし、このエリアに来るとすれば、八ヶ岳日帰り登山時。その帰りに寄るのは、時間的に無理……
 
今回は珍しく奥蓼科温泉で登山後泊をしたので、一緒に登ったM嬢と長崎嬢を連行して行ってきました@
 
この冬に「国宝 土偶展」があったのでご存知の方も多いと思いますが、国宝に指定された土偶
この縄文のビーナス合掌土偶」(約2000~1000年前、発掘&所蔵:青森県八戸市、1989年発掘、H21指定)
中空土偶(愛称「芽空かっくう」、約3300年前、発掘&所蔵:函館、1975年発掘、H19指定)の3つだけ。

そうなんです。
あの、恐らく一番有名であろう亀ヶ岡の「遮光器土偶(愛称「シャコ」・青森、重文)も、人気の高い「ハート型土偶」(群馬、重文)も、国宝ではないんです。前者は「足が欠損している」、後者は「個人所有物である」点が、難なのかもしれませんが……  
 
  「土偶は本来、欠損させるべき祭具」(←死に体の学論)
 
なら、完形じゃない方が正当じゃあないんですかねえ~?
 
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建物は、元々あった考古館をH12(2000年)にリニューアルした造りの良い設計。国宝指定がH7(1995年)ですから、その為に新しくしたのでしょうか。
 
※国宝に指定されると、一旦東京は上野のアソコに接収される。そして、地元で保管する博物館のシステムが悪いと返してくれない。
 
受付で「縄文のビーナス、今居ますか?」と聞くと、「居ます」とのお返事。
 
自動券売機でチケットを買って、入場です。
 
入って真正面に、縄文土器八ヶ岳一帯のジオラマ展示↑
ジオラマを見ると、このエリアって弥生遺跡より縄文遺跡の方が圧倒的に多いのがわかります。
 
右の展示室は、国宝や重文&遺跡の歴史を展示する「ウリの部屋」。 さっそく、メインルームへ。
 
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縄文のビーナス
縄文中期前半(約5,000年前)の完形土偶
S61(1998年)年発掘(棚畑遺跡)、国宝。
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他の土偶(特にシャコ)に比べて、ツルンとしたシンプル造。外国で発掘されている先史遺物の「ビーナス」群に、確かに類似しています。
 
頭にはターバンみたいなものが… →
 
 
 
 
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仮面の女神
縄文後期(約4,000年前)の完形土偶。H12(2000年)発掘(湖東中ツ原遺跡)、重文 (2014年、国宝に指定!)
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こちらも頭には帯?がついた「冠」を被っています →
 


今まで縄文時代の被り物なんて想像もしていなかったので、ちょっと意外。この時代も被髪意識は高かったのでしょうか。認識を改めました。
 
 
 
そして、次は期待の「土器の部屋」。
黒曜石も展示してありますが、八ヶ岳一帯で出土した土器が主です。
八ヶ岳エリアは、本州では最大の黒曜石産地。
 
イメージ 7こちらも、重文ではなくもイケてる土器が1~2個ずつガラスケースに入れられ、四方八方から見られるようになっています。

 
贅沢だ……
地方の博物館は、展示の仕方がホントに贅沢だ…
 

←こういう把手に痺れる。
  あの、下の無駄な飾りもイイ……
 
  土器デザインだけで言えば、弥生は負けるな…
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←椅子の前に剥き出しの土器が並べられた、堪能ブース。
 
「さあ、見てゆけ、心ゆくまで」
 
みたいな。
 
実際はここで、館内ガイドが土器についての説明をするんでしょうか。

しかし土曜日なのに人が少なくて、じっくり見られました。
 

館内ボランティア?の案内人のおじさんの声が、かなりうるさかったかな…
 
 
 
 
体験学習コーナーでは、粘土に縄目をつけたり(定番)石でクルミを割ったり(食べられる)などの簡易なものから、
土笛造り・土偶造り・土器造りまで。(粘土代¥280、1~2時間、9~11時/13~15時の間に受付)
縄文服の試着も出来ます。

図書コーナーは、八ヶ岳関連も含めて妙に充実。
小さなミュージアムショップの奥には、カフェカウンター&テラスあり。
 
周囲は史跡公園となっていて、考古館の北の与助尾根地区には復元住居と少年自然の森が。
考古館の南の、尖石遺跡がある尖石地区の整備はこれからです。
 
この考古館より更に西に、日帰り温泉縄文の湯」があります。
登山口「渋の湯」発・茅野駅行のバスは、考古館→縄文の湯と停まりますが…
昼下山してお風呂で汗を流してから、じっくり拝観したいものですね。
 
国宝ゆえに貸し出し不在が多いので、事前に調べてから行って下さい☆