Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

『夢見る惑星』 佐藤史生:小学館:プチフラワー

たぶん、一番好きな漫画ってコレなような気が……

1982年発行で、1996年に文庫本化。ジャンルとしては、SFファンタジー
現代で言う少女漫画っぽくはないです。絵的にもストーリー的にも……

主人公は細身で長髪でタフな性格の大神官・イリス(男)
私が好きな男性キャラは「がっしりした短髪の黒髪」タイプ(つまりケンシロウ)なのに、
見事に対極のこの主人公が、何故か気になってたまりません。

舞台は、いずれ地震で崩壊する王国首都。
その地震が予知できちゃったけれど、それをそのまま伝えても信用されないだろうから、
国民を首都から強制脱出させるために、色々あくどい事をやるっつー話です。

あくどいよー、イリス。

しょっぱなから無銭飲食、詐欺、窃盗(しかも船)。
女装で脱走(母似で美人なのだ)、、殺人犯隠匿。
国民を騙して大神官に就任、それがバレないようにサクっと殺人。
資金調達に裏取引(これは異母弟の王様にバレて焦ってた) 等々…―――

「こんなところで何をしているんですか」と聞かれて、
「知っていると思うが、ペテンだ」とかサラっと言うし。
図太い。

強制脱出も、心から「自分がやらねば!」ってんじゃなくて、なんかもう人生の流れ
で仕方なくって感じ。出生自体もアレだし。
しかし、文句言いながらカリスマ性もあますとこなく利用し、事を成していくネガティブな主人公。
最後は、生き残れたんだかどうかはっきりしない終わり方……

結局、この漫画の主題って何だったんだろう;;
この方の漫画って、恋愛も闘いも駆け引きも濃い設定なはずなのに、
描写が妙にあっさりしてるんですよね……。

よくわからないけれど、何度も読み返してしまう、そんな漫画です。
竜が飛ぶシーンとか、リアル路線で映像化したら綺麗だろうなあ……

住み処が決まったら、また買って手元に置きたいです。

全4巻(文庫)