Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

『舞姫 テレプシコーラ』山岸 凉子:メディアファクトリー:ダ・ヴィンチ

山岸 凉子と言えば…――

オタク的には『日出処の天子』が一番有名でしょうが、私にとっては違います。
幼児期に読んだ『妖精王』が忘れられないファンタジー世界を象り、『アラベスク』がバレエ漫画としては一番
輝いて記憶に残る……! そんな作者です。
 
怖い話が多い――つか、目立ちますけどね。画風がコワイからなんでしょうが……
あと、人間の性的なマイナス(っぽい)部分を惜しみなく取り上げます。
しかしなんつーか……重要なのはストーリや絵ではなく、典型的なマンガ表現と安定した少女マンガ手法に
よる、淡々としながらも斬新な展開――がミソなんですよ、この方。
 
事実。
経済的一般日本家庭に生まれた小中学生(+親)のバレエに賭ける日常を ダラダラ 淡々と描いたこの漫画。
社会的な問題(イジメや拒食症や児童ポルノ問題 etc.)を織り込んではいるけれど、常に客観的。
なのに、漫画としては惹きこまれるんです、ひどく。
『Do Da Dancin'!!』なんて、全く目じゃない。
おかげで夏コミ後の八王子の漫喫に12時間も居た…
 
それに主人公の六花ちゃん、実はかなり好みな子です。
自分が男だったら、こういう子に惚れてまうわ~…くらい、おバカで可愛い。
実際一緒に居たらイライラするだろうけど(笑)
 
当然、「六花ちゃんがいずれ周囲を圧倒して黄門サマのようにヤっちゃってくれるのよね!!」という期待があることは否めません。作者の力量からも、最後は絶対楽しませてくれるという確信があります。少なくとも『SWAN』のようなワケのわからない言い聞かせエンディングはありえナイでしょう。頼むから。
 
途中経過ではハラハラさせるけれど、結果的には乙女(年齢不問)の期待を裏切らない作者。
そんな安心感と緊張感があるのです。
だからどの雑誌に描こうと、どんなに表現が際どくても、この方の作品は「少女漫画」なんデス!
 
とにかく読んでみなっせ。
 
と言いつつ、「第11回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞」には納得いかなかったりする…
 
第1部全10巻。 (お気楽な小学校~中学入学まで)
現在・第2部5巻。(いよいよローザンヌ挑戦! 連載は終了)