Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

北ア周遊2・平の渡し~五色ヶ原~黒部湖(富山県) ~刈安峠/ザラ峠/東一ノ越~

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そして対岸の船着き場も大崩壊→
 
階段を登ると丁字路になり、皆さんは黒部ダム(右)の方へ、私は一人、五色ヶ原へ行かんと左の平ノ小屋へ↓
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丁度お昼時。実は小屋の食堂で食事したことが無くて、そろそろ食糧も尽きるし、ここで昼食を摂るぞ@と、ちょっと楽しみにしていました。
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この小屋は渡しの業務があって人手が多いからか、「宿泊予約不要」。小屋の前にもメニューが掲げられています。しかし……

「すいませ~ん、ご飯、なくなっちゃったんですよね~」

え…?
なくなったって、連休2日目なのに?それとも炊いてないってこと?ラーメン(乾麺)も無いんですか??

「ラーメンも、無いですねえ。」
小屋のおばさんはそう言うと、呆然とする私を残してとっとと小屋の中へ戻ってしまいました。
そんなバカな……
 
小屋から見た黒部湖↓
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小屋前の標識↑ 標語があるのはここだけ。
 
他に全っ然客が居ないので、用意するのがイヤだったんでしょーか。渡しのスタッフが3人も居て、これからお昼ご飯なはずですから、無いわけ無いんです。渡しの金が入るから王様営業なのか、はたまたダム経由で帰るだけ(CT3h55m,UPDWN100m)の客だと思って「ダムまで行けば何でもあるから大丈夫」と決め付けたのか……
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仕方ないので、非常食や今夜のツマミに残しておいた干し肉類に手をつけ(それでも足りない…)、「食糧はあと栗饅頭(特大)だけ!」というジリ貧状態で、
CT5h、UP1,000mへGO!(涙)
 
最初は緩やかに左巻き。小さな沢を2~3度越えて斜面に取り付くと、急坂ジグザグの始まり。
 
←平ノ小屋から1時間(1h30m)で刈安峠(H1,881m)
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峠から15分ほど登ると何かの観測施設や謎のスペースがあり、眺望は峠よりも良いので休憩にオススメ。

峠からは「まっすぐダッシュ」な尾根道です→
 
尾根には低木が並び、視界は良好。結構歩きやすく、常に針ノ木岳が見えました。
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それにしても。
せっかく稜線に居たのに、1,000m降って直後に1,000m登るって、文字にすると何かホントやる気なくします。なるべくこの事実を考えないよう努力しても、空腹がそれを阻害。
ああ…お腹空いた……
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人類がこんなキノコ↑を食べてみようと思うのは、こんな時かもしれない。
 
でも、大丈夫。この体は贅肉という名の良質な栄養分を沢山持っているはず。今こそ、消費するチャンス!
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やがて2回ほど小ピークを越えると、真夏は湿地帯?な広場に出て、右手にザラ峠が見えてきます↑

池塘もチラホラ。
そして木道が出始めて森林限界となり、
←「五色ヶ原」に入ると…
 
一面のチングルマ!↓
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ここ、
花の時期(7~8月)は、さぞかし凄い景色と混雑なんだろうなあ……

だからこそ、9月に来たのですが。
 
他にも色々な高山植物の「咲き乱れた跡」が見られました。
(保護の為、五色ヶ原内の登山道は全て木道)
  
 
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刈安峠から1時間50分(2h50m)でテン場(H2,410m)。
 
 
 
←テン場
 
既にテントが5~6張。最終的には15張くらいでしたが、花のシーズン後なので静かなものでした。
 
 

 
イメージ 12水場は水道になっていて、流れっぱなし。トイレは倉庫みたいな建物の中で、和式ボットン(紙持込み)。
 
テントを張って一通りの支度を終えたら、木道を登って
テン場から10分(15m)、60mほど上にある「五色ヶ原山荘」(H2,486m)へ→
 
ここでやっと食糧補給。
食堂はもう閉店時間だったのでカップラーメン¥350を購入し、ビールとツマミも買って、山荘前のテーブルで
酒タイム&相席願った酒盛り中のおじさまペアと、暫し歓談。やっぱり花の時期を避けて来たそうで、明日は薬師岳へ行くとか。いいなあ……
ああ、ボスが明後日も出張だったらなあ……
 
<4日目> 五色ヶ原-->獅子岳-->龍王岳-->一ノ越--->東一ノ越-->黒部ダム
           Up700m/Down1,450m/距離約13km/5時間10分(CT8h40m)
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翌朝は天候も回復して、ギラギラの好天!
 
 
 
 
山荘前の景色。
 
←昨日は見えなかった三山(獅子岳・鬼岳・龍王岳)がクッキリ★
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 21これはテントとシュラフを干す絶好のチャンス!
もう帰るだけだし、早く着きすぎると下界は暑いしね。時間潰しに、道具メンテです
夜露たっぷりのテントを拭いて、立体のまま満遍なく陽にあてて乾かし、中を掃除。あー、撥水スプレー持ってくれば良かった。そのうちテン場が無人になったのをいいことに、あたり一面にシュラフや道具を広げて干しつつ、山荘のお弁当(¥1,000)で朝食↓
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誰も居ないテン場↑
 
3日振りのマトモな米とお魚……
山値段も気にならない程の旨さです。
 
8時半、薬師岳方面からの通過者が到着しました。
そろそろ帰るか…
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←テン場から
北へ、まずは緩~く登り。
 
五色ヶ原の縁に出ると、ザラ峠へ向かって150mほど降ります。
 
 
 
イメージ 24本日のピークその1・「獅子岳」→
登山道見え過ぎ…
 
テン場から30分(45m)でザラ峠(H2,348m)↓
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噂の「ササラ越え」ルートが通った峠ですが、何もありません。
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そういえば、富山県側の標識は、距離も所要時間もあまり記されてないんですね。五色ヶ原エリアの標識はほとんど擦れて読めなかったし、老舗人気エリアならではの不便でしょうか。いつか刷新するといいな。
 
さきほど見たままの登山道をジグザグ登り、アルミのハシゴを越えると……
←ザラ峠から45分(1h20m)で獅子岳(H2,714m)。
ガスってしまったので何も見えず、スルー。
 
少々降って、ピークその2・鬼岳……は、山頂を辿る道は無く、緩やかな登りの右巻き道↓
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山頂付近はステキな節理ある岩だらけ。
登山道も岩岩です。
 
そして向こうの山の斜面に、予定している下山路が真一文字に見え……↓
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イメージ 15あんな切れ込みみたいに真っ直ぐ真横な登山道、初めて見た
 
鬼岳を過ぎると、ピークその3・龍王岳へ向かって、最後の登り。
 
←岩岩の急登
 
これを登りきってしまうと、もう「登山」が終わり。そう思うと、キツさ・辛さも嬉しく感じます。
と言うか、もっと登りたい。

やがて岩塊を左巻くと、緩やかに↓
ああ、終わってしまった……
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龍王岳山頂↓(道アリ)を横目に過ぎて……
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獅子岳から1時間15分(2h30m)で、
龍王岳観測所」(H2,835m)↓
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バスターミナル「室堂」から1時間位で来られるので、ここから先は軽装の観光客がわんさか。
 
「下界」が近くなってきた……
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ここでしみじみと「登山終了」のコーヒータイムをしていると、段々とガスが晴れてきて
←目の前に立山が。
 
立山剣岳アルペンルートのおかげで日帰り可能になった分、人が多くて避衆派には中々行く機会が無い山域。
自力登山のマイナールートが長野県側から見つかれば、来年にでも行ってみたいものです。
 
さて、下山開始。
 
龍王岳観測所」から15分(20m)で「一の越山荘」(H2,693m)←あの臙脂の屋根。
 
ここも、
ものすっごい人だかり
 
 
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バスターミナルから300mくらい登るだけだからか、時間的にもこれから立山へ行くのはムリだからか、マナーの悪い観光客ばかり………念のため山荘のスタッフに登山道状況を訊く予定だったのですが、あまりの人の多さにスルー。
 
一の越山荘の先は、待望のマイナールート
鬼岳から見たあの真一文字道です。ハイマツやナナカマドの斜面を緩やか~に降る、岩ゴロの右巻き道→
 
花の時期は高山植物も多そう…

且つ、先ほど登ってきた三山が裏?から見えて↓
景色もバツグン☆ 
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「一の越山荘」から30分(1h)で「東一ノ越」(H2,480m)↓
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山荘からここまでの間に3人抜かしただけで、この先はダム湖まで誰にも会いませんでした。
 
「東一ノ越からロープウェイ駅まで行く巻き道(現在廃道)」があった時代は、最高のお散歩コースとして多くの人が通っていたでしょうに……
良かった、廃道になってくれて。
 
「東一ノ越」からは、ダム湖が見えます↓
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この先は何度か礫沢(枯れてたり水アリだったり)を横切り、頭上を行き来するロープウェイに手を振り手を振り、
ゴンゴン降り。
 
 
←登山道から見た、ロープウェイ駅「大観峰
 
よくまあ、あんな処に建設したよ……
 
ローウプウェイとケーブルカーの乗継駅に近づいてくると道が少々笹薮チックになりますが、長袖なら問題ないくらい。
 
「東一ノ越」から1時間(1h30m)で「黒部平」(H1,790m)。そこから200m左手に登ると、
ロープウェイの「くろべだいら駅」↓
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広場には「山の清水的」な水場から常に水が流れ、柄杓が設置。駅の中は、土産や飲食店が大賑わい。勿論トイレも普通に水洗無料。
久々の文明……
しかしこの後、ケーブルカーやロープウェイが駅に着いてすごい人だかりになりました。うひゃあ
「りんごソフト」を買おうとするも中国人の大行列で(少し聞き取れた!)近寄れず、諦めて下山路へ…
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黒部平から下も、暫くは笹藪茂り、やがて段差の大きめな木の階段になり……15分ほどで「国有林」の標識のある広い尾根に出て、杉や松の巨木が乱立するステキ空間に。
 
あ~……
こういうとこってすごく綺麗で好きだけど、黒トトロが居そうでヤな感じ。
 
「黒部平」から30分(45m)で「くろよんロッジ」(H1,470m)
なんとここには、自販機があります!!
 
どの小屋も某スーパードライしか置いてなくて、欲求不満な3日間(持参した3本は初日に全部飲呑んじゃった)。
 
あれ、ビールじゃないですから!
つまり物凄くビールに飢えていたところへ、まさかの自販機!!
 
350ml缶は¥400。
  「ダムまで行くと、¥50安くなるよ?」
いえ、待てません。小屋¥600より安いしもう限界。「キリン一番搾り」―――!!
 
というわけで、
「今日はここに泊まって、明日は”上の廊下”なんだ」と小屋前でくつろぐオジサマ2名と、酒盛り開始。
(なんか多いな、このパターン……
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凄いですね。「上の廊下」って、「下の廊下」と同じような上級コースですよね。
「いやいや、下の廊下に比べたら、上の廊下は簡単だよ。最近はペンキマークもあるしね」
へええ~…… そしたらいつか「上の廊下で雲の平」なんて妄想も……(←それはムリ)
 
ロッジからすぐ降ったところのキャンプ場→
そこからアスファルト半舗装の道をなだらかに1回アップダウンし、「くろよんロッジ」から15分(25m)で、黒部ダム(H1,450m)↓
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初めて見た、くろよん。
 
この後、遊覧船「ガルベ」の最終便待ちをしていた方に「登ってきたの?!」「凄い荷物ね?!」と話しかけられ、
「何泊したの?」と訊くので「3泊です」と言うと、「嘘みたい!」と大ウケされました。
 
たった3泊にこの反応。
 
ふうん、一般人の感覚って、こうなのかあ……
 
 
 
 
 
なのに、この格好(風呂ナシ4日目)でダムのあの観光客の中に突入しなきゃいけないのが憂鬱です。
一応毎日清拭して、頭は昨日、川で丸ごと水洗いしたけれど……ゴメン、一般人。
 
と、ここで目出度くカメラの電池切れ。
まあ、くろよんの情報は巷に溢れているから、ここに載せる必要もないでしょう。
トロリーバスは片道¥1,500、「10kg以上又は1m以上又は50L以上の荷物」は1個¥200。
3連結で、立ちで良ければ列に並ばなくてもで乗れた感じ)
そんなわけで16:40、扇沢駅到着。

終わってみた感想は、素晴らしいコースでした、針ノ木谷。
人の居なさと、谷川の(崩壊、流木ひっくるめた)「自然な自然さ」、そして豪快さ。
何よりも「ほったらかしプラン」な渡渉の楽しさ。とにかくもう、岩、岩、岩。
あそこだけ、何度もやりたい気分です。
 
それに、3泊ってちょうどいいみたい。
いつも「もっと山に居たいのに…」と渋々下山し、下界に着くなり「山に帰りたい」と不満だらけな登山でしたが、今回はかなり満足しました。帰ってからも「暫く下界に居てもいいや」と思えた程。
 
折りしも気温が下がり始め、夏山仕舞い。
良いタイミングで良いコースに行かれたものです。
 
ここで、来年の抱負。
もっと鍛えて、ビール6本(500ml)担いでテン泊縦走できるようにする。