Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

●15年振りにテント泊

信州に越してはや3年。
日本帰国時に全て手放して以来、ゴアテの雨具以外に「正式な登山用品」を持っていなかったワタクシも、カモシカのおかげで登山靴、靴下、バックカントリー用20Lリュック(フリマで\2,000)と、着々と揃えて参りました。
そしていよいよ、テントです!
 
実は東京に居た時、「防災用に使えるな」という代物の、安い「ビニールシートテント」を買いました。
ワンタッチテントじゃないから、いざとなったらコレでいいや、と思っていたのです。
しかし北アは皆様素晴らしく良い(=高価な)テントをお持ちで……とてもじゃないけど安いビニテンなどを広げる勇気は無く、日帰りばかりしていました。まあ、どうしても山泊したかったら山小屋でいいやと。

しかし、去年久し降りに山小屋泊してみてビックリ!
北アの(というか日本の)山小屋って、電気も水道もトイレもテレビも電話もあるんですね………!?
今まで私が泊まったことのあるのは、水道ナシ電気無しトイレ無しの3ナシ小屋。
でも、それで不快だったことや困ったことはありませんでした。だって、山ってそういうものですものね。
それに、メタンな酸度で目の痛い屋内トイレより、壁があるだけの野天トイレの方がよっぽどマシ。
海外の山小屋なんかは暖炉と薪があって、近くに川もあったので沐浴もできて、逆にかなり快適でした。
 
なのにこれは……
うわ、工事現場のような仮設トイレ(ストレートぼっとん式&日向に設置)まで……
 
衛生・環境面からも、トイレは仕方ないですが……仮設はちょっと……
人口密度が高いくせに、水場も無い稜線に山小屋を建てるからこうなっちゃうんですよね。特に北アの信州側は、急斜すぎて山腹には建てられないみたいだし。
 
そして山小屋は、平日だろうと週末だろうと料金体系は同じ。北アの相場は素泊まりでも¥6,000~7,000です。
片やテントは、1人用の安いヤツで4万円位。つまり、山小屋6回分…?!
だったらテント買った方がマシなのでは??!!

それに気付いて「来期はテントを買う!」と蝶ヶ岳で意志を固めた、その翌年の3月。
来ました来ました。カモシカより、会員限定20%OFFのバーゲンハガキが!!
 
実はカモシカ松本には、とある信州メーカーのテントしか置いていません。
なんでも「これが最良で最強と信じているので、他のメーカーのテントは勧めない為、最初から扱わないんです」とか。(本気…?) でも、選択肢が多すぎると疲れてしまって、なかなか「買う!」まで辿り着けない私には、大変良い状況です。万札掴んでカモシカへGO!
 
取り扱いテントのラインナップは3種類。
A) Wウォール構造「ソロ」(フライ付、春夏秋用、1.61kg)¥42,000
B) 内張り付き超軽量「ソロウィンター」(冬用、1.45kg)¥48,000
C) シングルウォールでフライ不要の「ソロX」(オールシーズン、1.41kg)¥50,500
 
全て、1人用(幅100cm)の値段です。カラー展開は無く、全部同じ緑色(テープラインは紺)。
マネキン売り子に「1人で使うにしても1~2人用(幅110cm)にした方が良い」と言われたのですが、狭い空間は大好きなので無視。「フライ無しだと外に置く場所が無いので、荷物や靴をテント内に入れないといけませんよ」
確かに、日本ならサソリが入っちゃう心配も無いだろうし盗人も山には居ないんだろうけど、「靴を外に放置」って海外生活を経た私的には「かなり危機管理の出来ない人」です。なので、ソレも無視。
 
そうやって売り子のアドバイスを悉く無視し、面倒臭がりな自分の性格をよく考えると……「ソロX」かな。
「強雨でもフライ無しでイケる」(本と?)と言うし、一番高いけど20%OFFだから¥40,320だし……買いです、C)!
さっそく「試しテント泊」へGO!!
 
何故「試し」なのか。
だって、私が張ったことがあるテントは、バラバラの直線ポールをワンタッチ傘のような突起でカシャンと嵌めて組み立てる、中央に支柱がありロープを張らないと自立しない、四角錘型の太古のアレなんです。
海外ではまだまだ見ますが、日本では既に絶滅したと聞きました。
「最近のテント」はゴム紐内臓のパタパタ折り畳める「しなるポール」で、ロープ無しで自立する―――という噂。
「フルコネクティッドポール」って言うらしく、設営は簡単で一人でやっても5分で終わるらしいのです。
しかし「騙された…!」なんて可能性は常にゼロではありませんから、まずは組み立ててみようと。そして平地で試しに組み立てるより、早めに縦走する為にも山頂まで行ってお試しした方が良かろうと…。
 
なぜなら、テン泊装備は日帰り装備と重量が違います。自分の体も試さないとならないのです。
実際、日帰り装備でも余計な水や重しを入れて訓練はしていたのですが……
コースタイム6割だったルートを、8割かかりました
 
イメージ 1敗因はコレです。
←「荷物は縦長に」が基本な荷造りの、超悪い例。
(大きいリュックも、持ってないもので……
 
色々くくりつけたせいで、歩く度に横や後ろに重心が大きく揺れ、振り回されました。
そうなると、疲労も強くスピードも出せません。
 
山で会った人々には
「今時、中々みかけない装備だねえ…」
と褒めて戴きました。(←呆れてるんだって
「これで本当にテン泊したの?本当に全部入ってるの??」と驚かれもしました。

テントも防寒着も雨具も着替えも食料2日分も救急キットも、全部入ってますとも。
でもビールが1本しか入れられず、小屋販売の缶ビールに¥2,000も使うハメに(意味ない!)
次はリュックだな……(ザックカバーもね!) ←現在厚手のレジ袋で代用中。
 
さて、小屋前で呑んだくれ、テン場に16時到着。設営です。
既に単独男性と、男性4人グループが居て、私の後にもう一人単独女性が到着し、全部で4組。
お盆過ぎると優雅ですねえ。ピーク時は14時には着いていないと、場所が取れなくて大変だそうです。
何でも最近の若者は、グループで登ってもテントは一人一張なんだそうで、だからテン場は小屋より混み混み。「一人ではイヤだから皆で山に行くけど、寝る時は一人がいい」?? ワケわかりません。
平らな場所を選んで石を取り除き、テントを広げ、テントの片側から2本のポールをX状に差込みます。
折り畳まれた状態のまま、ポールの先をスリーブへ入れ、押し込みながらポールを少しずつ真っ直ぐに。
カシャカシャカシャカシャ…おお、内臓ゴムの反動で、勝手にはまる……!

あちらの先端がポケットに入ったら、最後、ポールをしならせこちらの先端をポケットに。
これは少々力技ですが……
イメージ 2うわ……簡っ単過ぎ!!
 
ペグなんて、風がない時は不要な感じ。なのに昔のテントより安いのですから、凄いですよねえ……
 
8月最終土曜日。
日没近く、17時過ぎから急激に冷え始めます。
大阪と同じ位暑い盆地・松本市街とは大違い
 
テントの中で、ウトウト幸せな気分。。。。
 
内部は↓こんな感じ。イメージ 3
小物入れメッシュ(オプション)を取り付けるループに紐を通し、色々干せました。
通風孔やメッシュなど、造りも良いです。
リュックと靴を足元に、ライトや小物を脇に置いても、じゅうぶん広い。
 
そして予報の通り、20時頃から結構な雨が降り始めました。下界は例によって、雷ショーです。
おお、フライ無しでも本とに平気だ!!
朝起きたらちょっと水が内部にありましたが、結露かな?ってくらいで問題ナシ。
 
20時のテント内部は10℃。ダウンを着、耐寒6℃のシュラフで全然オッケー。あああ…快適
真夏のド暑い日は、「眠りに山に行く」ってのもアリだな…
 
テン泊に必要なアイテムも大体合っていたし、
リュック問題さえ何とかすればバッチリです。

よし。
来年はいよいよ、テン泊縦走へ……!!