Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

北上山地・早池峰山(岩手県) ~準備編~

久しぶりに遠出の登山をしてきました。
岩手県にある、「花の名山」&日本百名山」です。
固有種や珍稀種が多く、山頂は岩尽くし、そして早池峰神社が祀られていることでも有名。

ここに何故だか登りたいと思い始めて5年弱。
行ってみたら意外と簡単で、しかし素晴らしい山だったので、後続の為にも計画・アクセスから記
させて戴きます(--)ゝ

★★★★★★★★★★★★★★早池峰山(1917m、岩手県花巻市)★★★★★★★★★★★★★★★★★

早池峰湖(ダム湖)や早池峰神社を擁する南西側は今は花巻市ですが、昔は「稗貫郡大迫町」(ひえぬきぐん・おおはさみまち)。
山頂の北東側は今も「下閉伊郡川井村」(しもへいぐん・かわいむら)。
東北自動車道や新幹線が走っているので、普通の人は大迫町側から攻めると思います。

<アクセス>
地図を見てください。
基本ルートは「花巻ICから国4→県214→県102→国396→☆→県43→県25」と進む快走路。
曲がる箇所には往復ともに必ず青い看板が出ていますので、迷う事はないでしょう。
花巻ICから「河原の坊登山口P」までは1時間半くらい。
☆の部分はショートカット。大迫の街中を通ってもいいのですが、道が狭いのでオススメしません。
また、紫波ICから道の駅「紫波」を通って縦断する県25号や盛岡から南下する県43号は、途中の
峠道が狭くてよく土砂崩れ等の通行止めになります(&冬季は閉鎖)。

夏季のとある期間(6月~8月第一日曜日)の土日祝のみの日中、早池峰道路(紫波川井線)はマイカー規制早池峰国定公園)あり。区間は「早池峰ダム公園-岳集落-河原の坊」で、シャトルバス運行。
同じ日程で、盛岡駅花巻駅からもシャトルバスが出ます。
シャトルバスについて、詳しくは岩手県交通を参照。


<日程・登山前後について>
スタンダードな登山道は、高山植物が楽しめる「河原の坊コース」と「小田越コース」。
両方ともコースタイムは2~3時間、日帰りの山です(コースについては「登山編」をご覧下さい)。
もし早池峰山鶏頭山の縦走(5時間弱)をする場合は、登り:小田越/降り:鶏頭山にして早朝に出発すれば、日帰り可能です。

ニセ鶏頭近くと早池峰山山頂に避難小屋(無人無料)がありますが、水場もないしトイレの使用は推奨されていません。マナーガイドには「避難小屋は宿泊施設ではありません」と書かれているので、早池峰は「日帰りの山」と思った方が良いでしょう。

上記のマイカー規制期間が高山植物の見頃なので、規制日の土日祝が一番混みあいます。
東北のお盆(=祭り時)は8月第一週目。この後に行くと、高山植物も見られて人も減るのでオススメ。

遠方からの場合は、車なら藤三旅館(花巻南温泉、掛け流し、露天あり☆)の自炊部やフォルクローロいわて(東和ICすぐ)に泊まって早朝に登山口へ。今年オープンした空港近くのルートイン花巻も便利です。
もしくは河原の坊登山口にある「河原の坊キャンプサイト」や手前右側にある「うすゆき山荘」(P6台)、小田越登山口にある「小田越山荘」(P無し?)に前日入りするのが楽。山荘はどれも無人無料。
早池峰神社のある岳集落に宿坊が3~4あり。一番大きいのは峰南荘(5~10月営業)。ここの宿坊は、早池峰神社例大祭(7/31-8/1) の時だけ神楽を見る人で満室になるのでご注意を☆

最後の食料調達スポットは、大迫町の市街地に入る手前、国396号の南側にある大きなスーパー「みずかみ大迫店」(~21:00)。酒もなんでも大体ここで買えます。国396号の更に盛岡側にはコンビニ2店あり。「大迫産直センター・アスタ」(~18:00)でも野菜、地場のお菓子が買えます。

登山後は温泉!ですが、あいにく近くには浴場なし。
時間があれば、一源泉一旅館の花巻南温泉や古い温泉街の花巻台温泉に後泊してみて下さい。
オススメは花巻南温泉の幸迎館(山ノ神温泉。掛け流し、露天あり)や愛隣館新鉛温泉。掛け流し、露天あり)。花巻温泉郷はほとんど掛け流しではないし大型ホテルがメインなので、家族連れ以外にはイマイチです。

日帰りでオススメは日高見の霊湯(東和ICすぐ☆)、精華の湯(台温泉、掛け流し☆、小規模)、美翠館(新湯本温泉、掛け流し、露天あり)。
※「☆マーク」がついている温泉は、朝6~7時から営業しています。

お土産は道の駅「石鳥谷」で南部杜氏の日本酒やワインを♪

イメージ 1<山について>
標高1917m。
遠野物語宮沢賢治の童話にも出てくる、神話の山、信仰の山。
山開きの起源は仏教・修験道ですが、薬の女神の三娘がこの山を取り合ったとか、岩手山とは姫神山を巡って恋敵だったとか(早池峰山が負けたらしい…)、古い信仰を感じさせます。
 
山名は、山頂付近に「夏でも枯れない池」「登山者が自分の姿を映したり手を入れたりすると、あっという間に枯れる池」「修験者がお経を唱えるとすぐに元に戻る池」があり、その湧枯が早いので「早池」と呼んだことによるとか(現在は「開慶水」)、ハヤチ(疾風)を起こす神が坐すからとか。東北らしく「アイヌ語起源説」もあります。この山の古名・東根嶽(あずまねだけ)をアイヌ語にすると、「ハヤチネ」という音に似ているのだそうですよ。
その神社の祭神もアレなことから、何しろ特異な位置づけの山であることは間違いありません。
 
賢治なら岩手山(2038m)の方がよく出てきますが、どちらも修験道あり、豊富な植生あり、ここらへんでは際立って高い山です。よってどちらも「やま」ではなく、「さん」。(↑小田越から河原の坊へ降りる県道沿いから見た早池峰山山頂。もう、すぐソコ。)

普段アルプスやら富士山やらに親しんでいる地域の者にとっては1900mなんて「低い!」ですが……本州では、飯豊山(福島:2105m)より北で2000m以上なんて、岩手山鳥海山(2236m)だけ。そして、東北の森林限界は約1600mですが、この早池峰山は特異な地質の為登山口からすぐに高原風景になるんですねー。なので「高い!」というイメージが強いです。
「登山口H1200m弱、標高差は800m前後」と簡単そうですが、上記2ルートは岩道。普通の登山とは異なる登りを強要されます。
 
また、早池峰山は前述の通り希少植物の多いところ。これを見に、結構なビギナーさんも訪れます。よって夏季の高山植物期間の土日祝は、鎖場やハシゴ場が大渋滞!!
「山頂のトイレは使わず携帯トイレを!」と強く叫んでいることでも有名です。
詳しくは花巻市HPの早池峰へようこそをご参照下さい。

河原の坊の休憩所では山に関する小さな展示が見られ、途中の早池峰神社も見所あるので、山の姿を見に行くだけでもいいかもしれません。
http://i.yimg.jp/images/weather/blogparts/yj_weather.swf?mapc=3