Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

博物館/縄文◆馬高縄文館(新潟県長岡市)

新潟県立歴史博物館にとても近く、馬高遺跡・十三遺跡に隣接しているこちら。


「この遺跡の出土物を展示しているんだろうな」「縄文なら守備範囲だから行ってみるか」程度の気持ちで、「発掘された日本列島2020」ついでに行ってみました。

*** 馬高縄文館新潟県長岡市***

新潟県立歴史博物館の前の道を北上すると、R8との交差点の手前左手。
長岡ICからはR8を西進し、「関原5」交差点で左折、すぐです。

向かいにはJAの直売店あり。
Pは館の北側で、西隣の遺跡 ↓ には復元された竪穴式住居が見えました。

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直売店のP入口にもあったのですが、本家のこちらは当然、双頭 ↓↓

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 デカい・・・        「縄文文化の王者 火炎土器」・・・↓↓

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そして施設中央の自動扉から中に入ると、真正面に「もっと大きく作っちゃいました」レプリカ ↓↓(64/1スケール!)

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わかる。この存在感のあるデザインは、ビッグサイズで飾りたくなる。。。

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                  この団体名がまた・・・ ↑

欲しいんですよね、縄文土器。デカいのを庭にどどンっと置きたい。
好みとしては水煙式土器(曾利式)の方が上ですが、火焔もイイ。王冠でもイイ。

でもミュージアムショップの販売品はどこもフォルムが適当で、無料でも欲しくないレベル。ネットで見たその筋の職人のレプリカ販売品も、本物に近づけすぎなのか画像を見る限りどこかイマイチで。。。

それと違って、長岡で見る大きめのレプリカはさすが、良い造りです。
壁棚に飾ってある1/2スケールくらいのも、とても素敵。「土器造り同好会」なだけはある。県立歴史博物館ミュージアムショップの監修品もここで造ってるとみた。

この人たちにオーダーしたいいいい・・・

 

気を取り直して。
入館料は¥200。新潟県立歴史博物館の半券を見せると¥50引き。

受付反対側には簡単な学習スペースと休憩スペースあり。
展示室の入口前には出土状況の再現ジオラマがありますが、ガラスが曇ってよく見えません。

まず最初に、火焔ルーム(もう驚かない)↓↓

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「発掘された日本列島2020」の展示で知ったのですが、日本で一番多く火焔型土器が出土してる処なんですね、長岡市って。

で、ここで気づいたのですが日本で初めて火焔土器が出土した遺跡がこの、馬高・・・と。     これです↓↓

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       ↑ 近藤さん、大みそかにこんなモノを発見するような何をしてたの??f:id:wistorian:20190926192535g:plain

道理で、火焔推し激しすぎるわけだ(笑)

       ↓王冠型土器    火焔型土器の浅鉢↓(鋸歯無いけど・・・)

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ほほう、火焔様式にはA~D型があるのですな・・・↓↓

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次は火焔&王冠の「違い」を解説 ↓↓  手厚い。

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理解が深まったところで、さっそくの↓↓物量的攻撃↓↓(オール市内出土品)

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この蛇頭みたいなの好きーf:id:wistorian:20190926193723g:plain↓↓  胴体の文様は王冠の方が綺麗なの多い気がする

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 ↓↓ お、ちゃんと他所の縄文土器についても説明してる。偉ーいf:id:wistorian:20190926193319g:plain ↓↓

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  火焔型の分布 ↓↓  結構東北の方までいってるんですね。

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     越後の中では、やはりこの中越エリアに集中してる ↑↑

ここで常設展示の最奥にある企画展示エリアに行き当たり、大武遺跡の(火焔じゃない)土器を見てつかの間の火焔ブレイク ↓↓

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再び常設展示に戻ると、馬高で出土した普通の縄文の遺物(土偶や装飾、石棒)の展示や三十稲葉遺跡の展示で、火焔はありませんでした。 ↓↓ この三角カワイイ

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あれ??  ↓↓ 三十稲葉遺跡も結構独自性があったようですが・・・ ↓↓

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どうやら火焔型土器が出土したのは馬高遺跡だけであって、その後代に栄えた隣の三十稲葉遺跡は、「普通に縄文だった」ようです。
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なのにカタログは全部、火焔。(常設展示のカタログは無い・・・)

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今日一日で速報展県立歴史博物館とここを観て、頭の中はすっかり火焔になってしまいました。刷り込み的な・・・


インパクト強いですもんね、火焔。
県立歴史博物館がこんな郊外に建てられたのも、馬高(を支持する有力者)に引っ張られてのことなのでしょうねえ(邪推)。

        県立歴史博物館には ↓↓ こんなポスター ↓↓ が・・・

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もうお腹一杯。。。。

この後は長岡市街地で神社巡りをしたのですが、ポスターの通り交差点や駅など、
街中に火焔土器レプリカ(大きい)がチラホラあってもう、見るたびに悶絶。

 

水煙式土器もこのくらいやっちゃえばイイのに! 




 

 

 

 

 

 

韓国について

昔からかなり色々思ってまして。

 

まず私は、昭和末期から、韓国に非常に興味があります。

韓国(朝鮮半島)は「弥生文化の源」であるし、「渡来文化の発地」でもあるし、DNA的にも「我らの祖」と言っても差し支えないし。。。。

 

それは韓国だけじゃなく、キルギスコーカサスベトナム北方もそうで、興味度で言えば「その先」のシベリアやずっと先の中南米にも言えることなのですが・・・

モロ「お隣」だと、やはり 特別な感じ 

しかもニホンの弥生時代が「歴史」と言えないのに、朝鮮半島は中国の影響で史料が中々に残ってる(中華思想漬けだけど)。つまり「弥生学の師」なのです、韓国。

 

なのに「ああ、韓国へ行きたい」「韓国語を習いたい」と熱に浮かされていた1980年代終盤(平成元年)。通学でたまに通る大宮駅で、チマチョゴリの女の子を見かけて「かわいい」「あれ、着てみたい@」「知り合いになりたいな~」と言った私に対しての、実母の言葉が最初の衝撃でした。

 母「やめてちょうだい、あんな朝鮮人の服なんか」

 母「恥ずかしいでしょう!」

ポカーン・・・・・・

 

朝鮮人? ああ、北朝鮮民共和国ってこと? そっか、大韓民国じゃなかったのか・・・? でも、何が恥ずかしいの???

 

 母「あれは民族衣装でしょ。悪目立ちする、すごく変。」

 W「和服だって民族衣装だよ?」

 母「日本の衣装はいいのよ、ここは日本なんだから!」

 

どうも要領を得ませんが。。。

つまり「チマチョゴリを着ているあの子たちが、日本で悪目立ちしていて変」「同じことをすると恥ずかしい」ということらしい。

チマチョゴリ、16歳の私には「カラフルでエキゾチックでステキ@」にしか見えなかったので、この時は実母を「変な人だな」「古臭いこと言う人だな」「もしかして学が無い?」と思いました・・・

 

でも、その吐き捨てるような言い方に「背景に何かありそうだ」と感じ―――

知りたいと思って調べても、当時はWindows95も無い時代。携帯どころか、ポケベル前夜です。まだ国会図書館も利用していなかったし、お金が無いので行くのは図書館か古本屋、当然韓国についての書籍はあまり見つからず、あっても「日本人が書いた、漢字表記のもの」ばかり。ハングル文字などは「日本古代史のなんちゃって文書を解説する本」に、イツモ文字との対比で出てるだけ。

呆然・・・です。

 

それなりの大学へ行けば学べたと思うのですが、いかんせん理系だったもので・・・高校でも世界史を学ぶ機会は無く、独学で日本史(但し奈良時代まで)を勉強しただけ。韓国併合どころか、江戸幕府にすら行き着けません。通った大学は学部柄「神道」なので『新撰姓氏録』や『古事記伝』などの国学関係書籍は普通に図書室にあったし、中南米(移民先)の記録などは豊富だったのですが、アジアはあまり無くて・・・

 

そうやって「韓国・・・」と思いながら漫然と過ごし、卒業後は海外へ赴任。忘れたわけではないのですが、赴任先の文化に夢中になり、韓国熱は水面下にすっかり沈んでおりました。

 

ところが1999年春に帰国してみたら・・・

 

なんと、韓流ブーム(by ヨン様)とやらがニホンを席巻したとかで、誰もが「韓国、いいよね」「韓国行きたい」と言うじゃありませんか・・・!!

再び、呆然・・・ここ、ホントにニホン???

 

ああっ、ちゃんと「ハンりゅう」って言ってる。。。「アンニョン」通じる!

ソウル直行便も増えてるし、韓国行(プサン!!チェジュ!!)のツアーパックがこんなにある!!

 

アイドル頼みのインフレ的なフィーバーでしたが、以前の風潮を考えるとまさに「別世界」。「私、韓国好きなんだ」と言っても、誰も「はあ??」って眉しかめた顔しない、初めての世が、ニホンに・・・!!><  ちょっと、感動しました・・・。

 

さすがに母ももう「バカチョン」「毛唐」なんて言いません。というか、そんな恥ずかしい言動は家族も周囲も許しません。

良し良し。これでこそ先進国、平成ってものだよなあ・・・

 

しかし、飛んで令和の2019年。

韓国で反日不買運動が盛り上がったこの夏、北アルプス表銀座から西岳に入り、槍ヶ岳を目指すテン泊縦走をしていた時。

有名ルートではよく、韓国人の登山者に遭います。中国人より多いですし、山域によっては「最も多い外国人」です。朝鮮半島には高い山、ありませんもんね・・・

でも山中の標識や小屋の案内にハングルは無いし、地図を見ている様子も無く、ひたすらスマフォで頑張っているので少々心配で余計目につく・・・この縦走でも、何人かに遭いました。

皆さんすれ違いでも「アリガトー」「コニチハー」「スミマセー」と変な日本人よりよっぽどにこやか。欧米人との違いも何も無く、新羅オタクの私は「どこ出身かしら・・・キョンギドだったらトモダチになりたい・・・タオル落としてみようかな・・・」と変な妄想を膨らませておりました。

 

さて本題。

西岳は地理的に「ここに荷物を置いて、槍ヶ岳へピストンアタックしよう」な人が多いのですが、無常にもヒュッテ西岳は

「テントも荷物も置いていかないでね!」「小屋にも置いていけないからね!」

なツンツン小屋。来てみて初めて知るこの部活ルール。私は「はあい」と返事しておいて、小屋から離れた登山道沿いにザックをデポしてピストンしましたが、私よりずっと年配の方数人は、言われた通りテン泊装備を背負ってピストンしていました。

日本のシニア、すげえええええ。

しかし―――

 

「凄いですね!私そんな体力無いので・・・ズルしてすみません 」

「いやいや、私らも置いていこうかと思ったのだけどね・・・ほら、テン場に韓国の団体が居たでしょう? ちょっと何されるかわからないからねえ・・・」

 

・・・・えええええ????

耳を疑いました。この「あからさまな人種差別(侮蔑?)的発言」を、何故私に、笑いながら平然と言う??

 

――――私が日本人だから?(日本語ペラペラの韓国人だって居るのに!)

――――現在の好韓日本人は、若い子だけだと思ってる?

    (最近の「にわかファン」よりよっぽど韓国押しだってば!!)

 

それにしたってこんな、「自分はローカルな精神異常者です」と言ってるも同然のことを、まるで恥ずかし気もなく言うとは・・・

自分が他国で「Jap」「日本人は何でも盗むから」とか言われたら怒るし悲しいだろうに、逆の立場だと罪悪感無く平気で吐く、この不思議。。。

 

ええと・・・

そもそも、何人を想定していても、犯罪者を増やしちゃ(=金目のものを置いてっちゃ)イケマセンよね?

そして金目のモノじゃなきゃ、重量勝負のテン泊縦走(→この西岳を通るということは「=最低2泊のロングコース」です)、つまらないモノを掠め取り嬉々として背負うような筋肉バカは居ませんし、居たら逆に「おお、くれてやるわ」ですし。それにこのご時勢、韓国から日本にただ登山に来るってことは、それなりに見識と矜持のある人ってことだと思いますよ・・・?

 

もしくは「何も考えていない山オタク」かもしれませんが、それなら尚更、私たちと同じく「山ファースト」でしょう。

もちろん、槍ピストンから戻って荷物を見ても、誰一人触りさえしなかった模様。当たり前です。そんな酔狂、山に居たらビックリだ。クマが物色したり、カモシカが蹴飛ばしたり、ライチョウに糞される可能性の方が遥かに高い。

(北海道はそういう意味で「基本、デポ禁止」らしい)

 

かの発言者は、お見受けしたところ70代。戦後すぐの生まれ、かな。ああ、実母と同年代か。。。

「何を言ってももう仕方のない世代だ」と私も諦めちゃいけないのですが、固定観念とか、育った時代背景が押し付ける価値観っていうのは、難しい、です・・・ 他人がどうこう言って簡単に変わるものでもナシ。そうでなくとも「他人を変えるのは至難のワザ」「だからまず、自分を変えよう!」が平成のセオリー、ですしね。。

 

******それでも言いたいこれだけは******

中国政府のゴリ押しには誰だってウンザリするけれど、それが政治ってものだし、中国人の「個人」には関係ないでしょう?

海外に行って「日本軍は昔こんなことをした」って言われても、戦後のワタシタチは「過ちを繰り返さないよう、お互い過去を忘れず交流し、理解しあう努力をしよう」としか言えないでしょう?

過去ならまだいいけど、現在の中国人個人、特に内陸人や少数民族人などは選挙権ナイに等しいのだから、「いや、そんなこと言われても・・・」ですよ=3

 

トランプになった途端にUSAへ対する感情が悪くなった人! あの国の選挙は特殊なの!それに、マイノリティを大事にする風潮あるの!あれが「クニの総意」だと思われて困るのは、こっちもあっちも一緒なの!!

 私だって「アベが嫌いだからニホンも嫌い」「あなたも嫌い」と言われたら「ちょっと待って――!!」「国家と個人を一緒にしないで――っ!!」「あいつに投票してないしー!!!」「そもそも首相は国民が選んだわけじゃなーっっ!!」って叫びますわな。。。。

 

根本的な選択権のハナシをすれば、「選んでこの国に生まれたわけじゃないけれど、移住するほどの不便は無い」のが普通です。「移住したいけどできない」人は確実に居ます。亡命とか脱○とかする必要のない人生は、じゅうぶんシアワセなわけです。

だからって、「お国」のやることに誰もが納得・賛成しているわけではない。これは「戦争を忘れない」はずの日本人が、一番わかってなきゃイケナイことなんだと思うんだけど、なあ・・・?

★北ア・白馬岳(長野県)~風吹・千国揚尾根~

久々にしっかり降った梅雨で楽だったけれど、明けたら今年もバッチリ猛暑な2019年。マイホームも庭造りもひと段落しました。「よし、涼しい山で過ごそう!」と久しぶりに真夏の縦走へ・・・

でも、標高が高くても遮る物も無い森林限界+ハードな行程では、丸焼きの暑暑で平地同然。夜は涼しいけれど、日中はドロドロです。。。そうだった。問題は標高ではなく緯度だった。やっぱり真夏は、白馬はくばまで行かないと・・・!!

 

 ★★北ア白馬岳しろうまだけ  風吹かざふき・千国揚尾根~★★

標高差:往路UP約2,020m/DOWN約420m   歩行距離:往復約32km

登山口:北野P(中小谷) 条件:一人、晴天、オールセルフキャリー

日程:2019年8/16(土)~1 

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白馬岳は登頂ルートが沢山ありますが・・・・・・昔行ったロープウェイ利用の「栂池ルート」は登山道大渋滞でウンザリ、新潟側の蓮華温泉ルート」は日帰りに最適ですが松本からは結構大回り、でも超大渋滞の白馬大雪渓なんて絶対行きたくありません そして9月中旬からは白馬でテン泊出来なくなる寒がりのWにとって、白馬は非常に「アタックしにくいエリア」。なのに山頂では毎回モヤモヤのガスガスで、一度も眺望を味わったことがないため「いつかは!/今度こそ!」リストに入ったまま、数年経過。。。。こんなのばっかりだな、もう・・・

しかし、見つけたのです。例え大繁忙期でもPにスルっと停められそうな、マイナー登山口を!! 

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恐怖の9連休のラストの週末は、好天予報。

まずは朝5時に自宅を出発し、高瀬川沿いを北上。白馬から大人しくR148に入り、南小谷まで行きます。目当ての北野登山口「道の駅 小谷」から南下するとわかりやすいのですが、今回は「南小谷駅」を過ぎた後の「下里瀬」交差点を左折し、「中土」の駅前で左折して西側の集落を縫いながら登ってショートカット。

 この後T字路が2回出てくると思ったのですが実際は駅から4.5km程の地点に1回だけで、そのT字路を左折すると「道の駅 小谷」からの道に合流。直後のゲートには「林業用道路です」の注意看板に加えて、ここが小谷ヒルクライム「深山遊園コース」である旨を記す標識も。あ、このコース案内を見ると登山口のアクセスわかりやすい! へえ、この道、「6月一杯まで通行止め」なんですね。

以前土沢登山口から風吹かざふき岳に登った時に「北野登山口は最後まで舗装路らしい」と聞いた通り、舗装は最後まで施されていましたが・・・

わわ、木の枝が大量に道に落ちてる・・・ゆっくり踏み倒して進んでも、車とこすれて凄い音が 誰もここ、通ってないのか――っっ!! 3回ほど車を降りて、大枝を撤去。マイナールートならではの面倒が・・・

そうでなくとも、頻繁に出てくるヘアピンカーブにはミラーが1個も無いので、速度は出せません。サードギアでドコドコと、「深山遊園コース」の終点から更に坂を登ると・・ゲートから4kmほどの、↓舗装路の 終点突き当たりにP(H約1,100m?)。

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無人。というか、何も無い・・・↓   鳥獣保護区域の案内看板が一個だけ↓

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地図を見ると北野Pはもっと上らしかったのですが、ここからは大きめ石のジャリ道。新車のお腹をこれ以上傷つけたくないし、このPには日陰になる場所があったので、ここに停めます。

ジャリ道では 蝉の大合唱。暑い・・・そしてやっぱり、ザックベルトの形状が合わない・・・3月の20%OFFでは靴を買い換えようと思ってたけど、ザックにしよう…

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途中、舗装されていたり↑ 車が停められそうな場所↑が、2~3箇所ありました。下のPから500m(10分)ほどで、↓北野登山口(H1,333m)到着。ここ↓も数台停められます。

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が、日当たり良好   唯一の車は、おそらく「山荘主人の車」↑↑

風吹かざふき大池へ登るルート」のメイン登山口は土沢つんざわ登山口だから、ここが満車になる(?)のは紅葉のシーズンくらい。且つ、白馬岳アタックにしては長丁場だし、この時期にここを選ぶ人は少ないだろうと思っていましたが・・・まさか一台も無いとは(笑)

 

<1日目> 北野P--->白馬大池

標高差:UP約1,300m/DWN約230m、距離:11km、時間:4時間40分(8H)

落ち枝で予定より少々遅れました。朝7時、白馬登山、スタート! 

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最初は緩やかに↑↑草っこワサワサ・・・  土沢つんざわルートと同じ標識!↑ この3.5kmは風吹山荘までの距離ですね。この登山口周辺までが「深山遊園」らしくて、村でタケノコや山菜管理をしている旨の看板アリ。登山道左右には「側道には立ち入るな」的な注意書きとロープが出てきます。右手にはベンチのある広場もあった。そしてくだりになると、早々と木道↓(ゲタ)出現。土沢つんざわほどじゃないですが、結構な湿潤です。

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何度か森林帯を緩く小さくアップダウンする↑とこが、唯一土沢つんざわルート違う点かな。そのうち急坂の小さいジグザグが始まり、道は狭くグチャ気味で休憩出来るようなポイントが無いとこまで同じに。「あと2.5km」(=1km地点)の標識を過ぎて巨木が見えると尾根の先っぽい広めの場所↓に出たので、やっと休憩=3 この後は↓緩~く移動。

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またくだって登り↓この階段を登ると「2km地点」↓ ↓初のミニベンチあり。

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この後、また急坂ジグザグが始まります・・・このルート、土沢つんざわより登山口の標高高いけど距離は500m長いし、緩い部分がある分急斜面凄いし、何度もアップダウンしてるから標高差も多いのでは・・・う~ん、体力無い人は、土沢つんざわルート(片道3km、アップダウン無し)の方が良さそうですね。

この鉄のミニハシゴ↓を登ると「3km地点」を通過し・・・↓

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尾根先に出ます↓。ここからまた緩くなって、岩が集合している横を通ると

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植生保護のためらしき低い木道(区切りがあって歩きやすい)↑ 

前回下から見た階段↓(これも滑り止め構造があって降りやすい)を降ると・・・

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沢登山道との合流点です(右手が土沢方面)↑ ここを左手に進むと、北野登山口から1時間40分(3H)で、↓風吹山荘(H1,780m)。 

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今回の登山口~白馬岳の位置関係はこんな感じ↓ キャップ無しストック禁止!↓

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ここから更に下草激しく、↓木道の上にも生い茂りまくり↓

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誰も通らないからか昨日の雨をまだまだたっぷり含んでいて、あっという間に靴がグッショに つま先からやられるので、スパッツしても意味ありません。く・・・っキモチ悪っ まだ先は長いのに   風吹大池↓(この周辺は前回の記事をどうぞ)

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山荘から10分ほど登ると↓風吹天狗原。f:id:wistorian:20110101024528j:plain

高層湿原の後期でもうあまり池塘は無いのですが、人が少なくて雰囲気良い ここで初めて他の登山者に遭遇。Pから栂池との合流点までに3名とすれ違い。

木道を進んで↓ミズバショウの道(3/13)に入って登り、左手が崩壊斜面な↓降りになると

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山荘から15分ほど(1km)で、↓蓮華温泉方面(笹目尾根ルート)との分岐点(H1,837m)

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いよいよ栂池の天狗原に向って↓千国揚尾根4kmの旅です。う・・更に↓↓下草が・・

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左手眼下は崩壊斜面で綺麗だった↓   この区間にも池塘あり↓↓

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森林帯だから日陰でうっそうとしてるにしても1800m超えのしかも「尾根」なのに、ここも凄い湿潤で・・・(土質のせい?) 隙あらばタルミや船窪で繁茂するミズバショウ(大型)↓↓ ゲタもたくさん設置されてましたが↓↓、追いつかない感じ。。。

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=休憩場所が無い。たま~に倒木や岩があっても苔や腐敗でビチャビチャだし、なにより低地で窪地で蚊が多い 靴紐結ぶために1分立ち止まっただけで4~5箇所刺された・・・ またアップダウンも多い多い・・・ここ通るの秋にした方がいいかも・・・「13分の3」を過ぎると↓道が荒れてきてますますグッチャに↓

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ところが「3km地点」を過ぎるといきなり道が乾き、ネマガリタケが繁茂。刈ってあるけど歩きにくっ そのうち段々緩くなってきて、「13分の2」からはしっかりした木道が出現↓し、湿原チックに。右手には白馬乗鞍岳の東斜面↓が見えてきた。

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木道が壊れてる部分は、シノタケを刈った脇道↑(歩き難い)を通るようになり・・・

↓栂池天狗原の東端に、到着!↓

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うわああああ~・・・綺麗・・・ 高層湿原の段々池塘・・・↑↑ 凄いっっ

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狭いですがここ、メインエリアよりステキ・・・なのに人っこ一人来ません(笑)

時間に余裕アリアリなので、滅多に人が通らないという「山の神尾根ルート」との分岐点の木道へ座り込み、湿原や乗鞍岳の斜面を見ながら長めのコーヒータイム

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もっと滞在したかったのですが日差しが強くなってきて素兎になりそうだったので、20分で白馬大池に向って続行。歩き始めるとすぐ、山荘から2時間(3H)で、栂池ルートと合流↓(H2,200m)。←栂池 山頂→    木道の幅が2倍になった↓↓

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ここから人が多くなりますが、もう午後だったので意外にマバラでした。そして渓流岩道開始↓ この岩のまま登りがキツくなって水がなくなり↓↓10分ほどすると・・・

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視界が開けて↓栂池天狗原が一望!↓ ←風吹方面   ここ↓が合流点  栂池→→

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この斜面↑はとにかく岩ゴロ道↓(大好き)   ↓雪田もまだ残ってた

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雪田の後を少し登ると、また↓緩~く広~く なり・・・

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合流点から40分で、白馬乗鞍岳のケルン(H2,450m)↑ 標識に「山頂」「2436.7m」とあるけど「2436.7m」の三角点はもっと下だし、実際の最高地点(H2,469m)はもっと南。ここから西へ進むと、↓雪倉岳白馬大池↓、赤い屋根の↓白馬大池山荘

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相変わらずイイ立地・・・ 再び↓岩ゴロ路を降っていくと、池の畔に↓

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池の水はとても澄んでいて、↓クロサンショウウオ↓が大量に棲息。 ちっさい・・・

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オオサンショウウオを想像していたので、最初見た時コレ、足の生えたオタマジャクシかと・・・  栂池合流点から1時間(2H)で、白馬大池山荘↓(H2,380m)。

 

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ここのテン場は1張¥1200と高めですが、3方がピークに囲まれていて風は穏やか、フルフラットで段差も無し、トイレはテン場に近いのに綺麗だから匂わない、しかも雪解け水が豊富で無料な上にテン場に蛇口で供給!と↓ ↓ 、北アにしては環境が大変良いのです ↓白馬岳方面から見たテン場と山荘

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しかし夜になったら・・・うわ、寒い!!しまった、そういえばお盆を過ぎたらもう、信州も山も真夏じゃなかった。。。 防寒寝具を持ってきていなかったので、急いでカイロ貼付

 

翌朝3時半頃。明るいので朝かと思って起きたら、恐ろしいほどビカビカの月が一帯を照らしまくってました。。。そういえば以前ここに泊まった時も、キモチ悪いほどギラギラの天の川や世紀末かと思うような流星群が見えたっけ(なのに翌朝は大嵐)   でも今回は、雲ひとつない晴天!↓(朝5時)             月↓

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テントはそのままですが食料は全部持って・・・軽装で出発!

<白馬岳ピストン> 大池山荘<――>白馬岳

標高差:UP約740m/DWN約190m、距離:往復11km、時間:3時間10分(6H10m)

しばらく歩くともう暑い・・・結局防寒着ゼロで往復できました。さすが、8月。船越ノ頭に登ると↓↓アップダウンが始まり、早々と山頂が丸見え↓ さすが晴天・・・

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白馬大池山荘から50分(2H)で↓↓小蓮華山(H2,766m)。  健在

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ここから山肌がどんどん白くなり↓ 小蓮華山から20分(30m)で↓三国境(H2,751m)

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この稜線でずっと右手に見えている雪倉岳富山県)↑がとても綺麗で、たくさん写真を撮ってしまった。。。。あそこもいつか行きたいけれど、テン場が無いんですよね。朝日岳とセットで一泊周遊、かな。 この先はもうアップダウンは無いけれど、何度か緩急を繰返し↓↓・・・三国境から30分(1H)で、白馬岳山頂↓(H2,932.2m)

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初の山頂眺望・・・!  ↓立山          ↓剣岳

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肉眼では見えてた富山湾↓   平野にうっすらと↓↓黒部川の流れが・・・

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栂池自然園や栂池天狗原まで見えたし、この↓傾斜の差もまざまざと・・・

 ←信州側(ガケ) 山頂から↓南を撮影。   山頂↓  富山側(なだらか~)→

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これで目的は果たしました。8時チョイ前、下山です!

大池↓が見えてくる頃には、また信州側(右手)からガスが!><f:id:wistorian:20110102015317j:plain

予定より時間を縮められたので、頭手前でガスを背に、絶景を見ながら長めのコーヒータイム 山だと甘いモノがとても旨い。。山頂から1時間半(2H40m)で帰還すると、同じ白馬岳ピストン組がたくさん居たらしく、まだ3分の1のテントが残っていました。水や栄養を補給し、テントを撤収して、11時出発。

 

<下山> 大池山荘――>北野P

標高差:UP約230m/DWN約1,300m、距離:11km、時間:3時間25分(5H50m)

下山は栂池ロープウェイ組と時間が重なり、なんと乗鞍岳東端から雪田が渋滞

ここら辺↓(奥)が風吹。             栂池天狗原↓

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子供が縄を伝わないと降りられず、後続の他人の大人たちまでヨロヨロと縄を伝っておりてます。この縄待ちが渋滞を引き起こしてる。階段状の足跡があるのに、何故・・・縄持たなきゃおりられない程度の登山スキルならアイゼン持ってくるべきだし、そもそもこんな傾斜も緩く危険の無い雪田(もし滑っても下が盛り上がってるから止まる)はストックあればじゅうぶんです。。。これだから意識低い系の素人が多い簡単人気ルートはイヤなんだ

10分以上待っても全然進まなかったので、行列から離れた処(=万が一滑っても他人を巻き込まないルート)へ行って雪田に降りて、カカト降り。ストック無しでも全く問題ありませんでした。。。 ↓待ち時間が長かったので風吹方面の崩壊部分を拡大撮影

f:id:wistorian:20110102045346j:plainこの先でも、岩ゴロ道をスルスルおりられない人(主に女性と、ヤワっこい男性)が渋滞を引き起こし・・・

気の利く人は常に背後を確認していて、こちらに道を譲ってくれますが、自分のことで一杯一杯の人は全然ダメ。こういう人にいきなり「抜かします」なんて声をかけたら、こんな岩道では驚いて転びそうなので、仕方なく無言で後をつける始末。 クマ鈴は鳴らしているのに、こういう人ほど負けず嫌いなのか・・・背後に気付くと無理にスピードアップ(それでも凄く遅い)して危なっかしいので、一定の距離を取ります。まるでストーカーです 体力も筋力も無いなら、もっと余裕を持ってゆっくり行動して、優雅に譲る方がスマートなのに。。。

最近煽り運転がクローズアップされてますが、「異常な短気で煽る人」と同様に「煽られるような行動してる我の強い人」も、撲滅してほしいです。

 

おかげで山荘から50分(1H30m)で、分岐点(H2,200m)到着。この先休憩できる場所がしばらく無いので、昨日と同じ場所で再びコーヒータイムしてから千国揚尾根へ突入。乗鞍岳の雪田が見える↓のもここが最後・・ この地塘を過ぎると↓栂池天狗原は終わり。

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帰りは草露も無く、日陰が多く風もあったので昨日よりは快適ですが・・・蒸し暑い。多分もう、このルートを通ることはないだろうなあ・・・

蓮華分岐から5分くらい降り、風吹大池の畔のベンチで休憩↓

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ああ、直射日光が熱くて暑い・・・やっぱりもっと遅い時間に下山したかった

栂池との分岐から1時間30分(2H20m)で、風吹山荘(H1,780m)。ここからが、キツいんんですよね・・・まず最初の急階段の登りはイイとして、その先はアップダウン祭りだし、休憩場所2箇所しか無いし、↓この降り急斜面↓と言ったら!

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段差がない急斜って本当にキツい。靴が前にズレて、爪が・・・っっ 

早い時間に低地におりたくなかったので、ミニベンチと巨木のところでたっぷり休憩 風吹山荘から1時間5分(2H)で、北野登山口(H1,333m)帰還。そこから10分弱でP帰還。まだ16時前・・・蒸し暑い~~

そして帰りの車道でとうとう車のお腹に枝がひっかかってガリガリ言うので、「深山遊園コース」の終点で停車したら、「池のほとり」だけあって湿気ムンムンで車の中にハエがわんさか入り込み。窓全開にして追い出そうと手で払っていたら蜂も混じっていたらしく、うわ、右手刺された! もう、散々です・・・

総合評価・・・千国揚尾根は9月以降に通った方がいい!

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帰りは林道をまっすぐ降りて、「道の駅 小谷」で温泉 

白馬や蓮華と同じくここも熱すぎ湯。でも施設は新しい方で、鉄臭い賭け流しのお湯は最高 何より日曜の16時だと言うのに、僻地すぎて観光客が全然居ない(笑) それに松本平に比べればとても涼しい。。。小谷、やっぱり好きだわ・・・

現在、安曇野ICから糸魚川までの「高規格道路」を計画&施工中。生きているうちに完成してほしいものです

●テントを買う(再び)

ずっと父親のお下がりや貰い物で凌いでいたので、初めて自分でテントを買ったのは実は8年前。エスパースソロXでした ↓

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        色は↑これ一色だけ・・・(今は濃い緑もある模様)

エスパース安曇野市の会社ヘリテイジが作っているテントで、私が選んだのはシングルウォール構造&フライ不要のオールシー ズン用。完全一人用です。

山で出会うベテランたちは「テントの最高峰はダンロップだけど、コスパで言ったらエスパースが勝る」「それ買って正解」とベタ褒めしてくれましたが(みんなイイ人・・・)、常連店のカモシカではテントはエスパースしか売っていないので、好きでこれにしたわけじゃないんです・・・

本当はもっと綺麗な黄緑とか、明るいオレンジとかが欲しかった!>< 

 

と言うと大体「黄色やオレンジは虫がすごく寄ってくるのでやめた方がいい」って言われるのですが、この明るい緑色にもかなり寄ってきてました。そういう意味では青が一番良いのでしょうが、私、青い色を見て眠るのがイヤで・・・・

そして最近結露も凄くなってきて。フライがある方が撤収楽なんじゃないか?という気がしてきた。。。フライをバサっとやって結露を一掃してる人を見ると、毎回テントの内外をせっせと拭いてる身は羨ましいのです。

 

「最近は設営しやすい吊り下げ式が人気なんだよ」

へええ、そんなのもあるんだ。。。見たこと無いかも。

いつも大物は3月のカモシカセール(20%OFF)で買っているのですが、何だか新しいテントが欲しくなってきた。

 

でも、どこで買おう?? カモシカだとまたエスパース(吊下げ式は無い)になってしまう。。。好日山荘は入ったことがない。他の店だとまともなテント無さそう・・・

そこで、むか~し昔、時間つぶしに入って靴下を買ったことがある石井スポーツ松本店のサイトを開くと、移転前のセールをやってます。移転先は平田の「R19より東」と、また行き難い処に

今のうちに、GOっ!

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久々の石井スポーツ(←街中なので滅多に来ません)。

「セールだと現金オンリーの可能性もあるな・・・」と万札握って行くと「テントはセール対象外です」なあんだ。そのおかげか在庫は結構あって、でも8割がアライテント、あとはNEMO(ニーモ)ダンロップ系。

「うちはアライテントと共同開発してるので・・・」

あ、だから最近のテン場ってアライテント多いんだ! 綺麗な色のテントは大体がモンベルアライで、北アの実数で言えば二大巨頭。二社のフライ付のソロテントを見ると・・・うわ、3万円台だ! 安ーい

 

<フライ問題>

店員さんに「今までエスパースのソロXを使っていたのですが結露が凄くなってきたので、次はフライ付が欲しいんです!」と説明すると、なんだか苦笑気味の顔。んん?いま、鼻で笑った??

 「フライしたって結露は同じですよ」

 「フライの内側から結露がテントに落ちてくるし、酷い時はテント内部も結露」

 「予算が厳しくないなら、軽さを考えたら、シングルウォールが一番

 「前室フライをつければデメリットもカバーできるし」

むむむ、そうなのか・・・??

実は私、一度もフライ必須のテント(防水性がゼロの薄いやつ)を使ったことが、無いです。だからフライに対する幻想が膨らんでいるって自覚は、ある。フライさえあれば、結露にも寒さにも悩むことなく快適で素晴らしいテントライフが実現するんじゃないかという可能性が・・・

「無いです」

ときっぱりと言われたので、初心は見事に砕けました。

 

<サイズ>

逆に店員さんが心配していたのはサイズ。

 「軽さだとオススメはこれなんですが、ソロは幅が90cm。フライが無いと

  靴をテント内に入れなきゃいけないので、幅は120cmあった方が・・・」

 「それか、前室フライを・・・」

カモシカでもそれ言われたけれど、実際「幅100cm」を使って8年間、困ったことは一度もナイのです。

 「だったら、これが最適です」

私もそう思ったのは、プロモンテの最新ソロテント、超軽量タイプのシングルウォール「VB-10」!

はい、薄カーキ色です。希望と全く違います・・・ でも、青よりはマシ! 

税抜¥49,000。幅90cm*205*100高、ポール等含めた総量は1290g!軽っ!

ソロXは税抜¥51,000(これを20%OFFで買った)で、幅100cm*210*100高、1410gでしたから、遜色無いですねー

 

フライ付に比べれば値段は高いですが、テントを購入したら提携駐車場のサービス券を2時間分!くれました(購入金額に応じて違う?)

せっかくなので、気に入っている中町のカフェで一服 &パルコでゆっくり安買い物。街に来るのはいつも夜(=呑み会)なので、滅多にないステキな時間でした。

 

次の週末、さっそくテント試しへ!

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テントを試すには安定したテン場が良いので、白馬大池にしてみました。

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テン場はフルフラット、山に囲まれているので強風も無い。水は豊富で無料、トイレも綺麗 夏季休暇中でしたが幸いそんなに混んでおらず、珍しいタイプのテント(F1?みたいなのとか、北欧?みたいなのとか)もチラホラ・・・

 

まず、説明書を読みます

テントを定位置に広げて置いて、折りたたまれているポールを・・・え?最初に全部繋いじゃうの?! もう、ここからが全然違いますね。。

前のはX字のスリーブにポールをフルに通すタイプ。通しながら少しずつ繋ぎます。買ったばかりの時はテントの短辺に座ったまま長いポールをカチャカチャするすると通せたのですが、経年劣化なのか最近は途中で突っかえるようになり、結局両手で布とポールを全域、少しずつずらしていかないといけなくなってしまって・・・  最後、「四隅のスリーブ」にポールの先を入れるのもかなり力が必要で、寒い時はかじかんだ手や手袋をはめた手では中々はめられずに大変でした。

 

でもこの最新テントはその「四隅のスリーブ」がゆったりしてて↓ ポールの先端をスポっと入れるだけ。力要らず!

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テントは地面に平たく広がったままで布のツッパリが無いから、Xに立てる時も前ほど力が要らない。ななな・・・なんて!!

ポール中央の器具(透明)↓にテント側の器具(黒)をスライドで差し込むとテントが立ち上がります。

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            3個×4本の器具(青)↑も斜めに入れて装着すると・・・

             完成↓  え?もう??

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うわあ、早い。。。。

しかもこれ、前のより幅は10cm狭いんですけど、中に入ってみると前のより広く感じるんです。その原因は、高さ。サイズとしては「高さ100cm」と数値は同じなのですが、テントの屋根部分が綺麗にループしているのではなく、器具(青)の部分が引っ張られていて実際は「六角形の上半分」な感じ。だから端っこも鋭角ではなく少し広いし、中央部の高さも高くて全体的に容量が大きいんですね。う~ん、これはかなり快適!!

前のは、中で足を伸ばして座って本を読んでいると頭がテントについてしまうので、座面を少し中央に寄らなければならなかったのです。これはそんなこともなく、端っこに座っても頭上はゆったり。幅もザックの置き方を変えたら全く問題なく、靴を中に入れても余裕で寝転べました(参考までに、身長162cm:足のサイズ26cm)。

多分、この引っ張られている部分から劣化していくんだろうけど(笑)

 

でも、小屋に泊まったら1泊7000円(最低値)。「8泊すれば元は取れる=1年で元は取れる」のだから、試しに買ってみたにしては良い選択でした

 ****** ま と め *******

入口が半分ガバっと開くのも、通気が良くて快適。背面の通気口のガワが垂れてしまうのと、通気口のモスキートネットが絞りタイプ(どうしても隙間ができてしまう)というのがアレですが、風を通したい時には本とにイイ!です。

確かに虫、あまり寄ってきません!!

店員さんが気にしていた結露は、まあ、前のと同じようなものでした・・・

 難点は、入口のジッパーの始点が上と横の2つに分かれているので、テント内部からすると、中央の下から「上へ」と「左へ」しか開けることしか出来ません。「ちょっと外の様子(特に天候)を見るのに、上半分だけ開けたい」ということが出来ない、のは不便ですねえ・・・

あと、開けると常に下が開放されてしまうことになるので、地べたを這う虫が入ってきやすいです・・・(怖) 実際、設営して5分でカミキリムシ入ってきました・・・

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<余談>

前のとは畳み方が違ったので、撤収も説明書を読みながら。

えええ・・「中のゴムが傷んじゃうから、ポールは真ん中からたため」だって。。

そんなイマサラ・・・

なんだかメーカーのサイトに熱い記事も載ってた。そっか、グラウンドシートのサイズも変更しなきゃだ・・・テントはいつも下山してすぐに車内で干して納屋で陰干ししているけれど、確かに「1回でもウッカリしたらアウト」です。どんなに最高の素材でも、速攻カビます。そう思うと、都会暮らしの山人はよく頑張ってるなあ。。。。なんて。

● 山の落しモノ

色々登山をしていると、落し物を拾うことが多いです。

今回はそんなお話―――

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この日はいつもの北ア・常念岳(三股ルートに限る)からの下山中、ハイマツ帯で「フライ(赤)」(※)を拾いました。 

    ※テントの上に張る、防水用の幕。最近のは軽量でテントセットと別売りが多い。

 

時刻は13時台。専用袋に入ったままハイマツにひっかかってブラさがっていたので、先行者が気付かないわけもないのですが・・・・なぜか誰も拾わず、ユラユラ揺れていました。触ると袋は乾いているのに、中のフライ本体はシットリ濡れてます(=昨夜使ったものであって、登山者ではなく下山者が落としていったモノ)。

 

今までの経験から言って、追いついた人全員に「落としませんでしたか?」と聞いてもヒットしたことは一度もないし、今日は「下山ゆっくり党」なので、追いつけるかどうかもわかりません。が・・・

「下山者のモノ」ならば、ここにあっても確実にゴミになるだけです。

先日、壮大なゴミ(テントの皮)を二ノ俣に飛ばしてきた者としては・・・・ふふふ・・・当然、回収・一択!!

とにかくキャリって、三股登山口の「落し物トレイ」にでも置いていこう。。。。

 

ところが。

森林帯に入って「尾根出合い」に着くと、女性二人がちょうど休憩を終えて出立しようとしていました。いつもムダを承知で聞くのですが、その2名に近づくと・・・

おや? 二人のうち一人は、赤いザックに赤い服です・・・・。

 

いやいや、期待しちゃイケない。今まで一度だって、落し物を持ち主に手渡せたことなんて無いんだから。。。でも、形式的に一応、聞いてみました。

 

「赤いフライ、落としませんでした?」

A「・・・落としました!!」

 

え? 今なんて言った!!?

 

「それって・・・それって・・・」(←動揺)

 

言葉で言うより見せた方が早い。自分のザックのサイドポケットにしまったフライを「これ?」と指さすと、二人して「あああああああ――っっ!!」と大歓声。

 

「ホントにこれ?!」

「コレですうう――っっ!!」「凄い、コレ――っっ!!」

3人「ええええ――っっ!!」

 

「もう諦めてたんです。

  でも諦められなくて、登山道を戻ろうかとか思っていたところで・・・!!」

「こっちだって、まさか落とし主に会えるなんて、初めてですよ・・・っ!!」

感動のあまり思わずハグして、記念撮影までしちゃいました。。。。

 

何でもこのフライはお気に入り(やっぱり赤コーディしてたそう)で、落としたことでかなり落ち込んでいたとかで、追いついてきた人に聞いても「ああ、あったよ」と言うだけで誰も拾ってきてくれなかったので、半ば恨んでいたとか。。。。

「普通、拾って持ってきますよねえ?!」

いや、残念ながら、そうでもないんです。。。

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落し物に気付いても、登山者のモノか下山者のモノかわからなくて迷うのか、「取りに戻ってくるかもしれないし」と思うのか、他人のことなど知ったこっちゃないのか、気遣う余分な気力も体力もとうに果てたのかはわかりませんが・・・・・・実際はそのまま素通りする人がほとんどです。

 

でも、例えば今回のフライ(薄いナイロン)なんて、雛ライチョウがハミハミしたら、胃に溜まって死んでしまいます。食料だった場合は、野生動物の餌付けになっちゃいます。金属なら、酸性雨に溶けて有害物質を出すかもしれません。。。山にとってのメリットは、確実にゼロ。

 

だから、落し物へ対する正しい対応は確かに、どのルートだろうととにかく拾え、どこかに安置しろ。

コレ、基本です。

 

下山者登山者どちらのモノにしても「拾って登山口に降ろす」が正しいのです。

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「山頂や小屋で落とし主遭えるのでは?」と登山者が拾っていくのも、もちろんOKですが、落とし主に遭えなかった場合はどこかの登山口まで降ろすか、下界できちんと処分しましょうね。

落し物を小屋に預けるのは、小屋の負担になるので×

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何がベストなのか迷って「拾わない」を選ぶ人。

これが一番ダメ。です。「落し物= ゴミ」です。「拾う余力すら無い」なら仕方無いですが、極力拾いましょう。

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実は、一番よく拾うのは、ストックのキャップです。

縦走すると、1~2個拾います。

これは処分せずにザックに貯めておいて、キャップ無しのストックに全体重を預けるようなマナーの悪い登山をしている人を見つけては、「宜しかったらこれ・・・」と差し出しています。趣味です。

 

そんなこんなで、とにかく色々拾って処分してきたW。

人生ハツの、記念すべき落し物直接返★還でした。乾杯!

★北ア/表銀座(1)・燕~西岳~槍ヶ岳

常念押し(三股ルートに限る)な私は、季節を変えて毎年2~3回は常念へ登り、燕にも足慣らしと称して年1は登っております。が――――――実はまだ、あろうことか、燕~大天井~常念の所謂表銀座(超・メジャールート)を通ったことが、ありま、セン。

なぜならばソロで避衆派車移動で、「体力は払うけど金は払わない派」だから。

三股P、公共交通機関が無いんですよねえ・・・(=>タクシーで片道¥6000位?)

幸い燕岳の登山口には公共のバスがあるので「いつかは通る!!」と極力金を使わない方法をしつこく考えて悩んで幾数年。。。珍しくしっかりした長い梅雨が明けた直後の2019年8月最初の週。偶然、晴れ予報期間にドカンと有休取れるタイミングが来たので、行ってきました!

 

★★表銀座(1)・燕~西岳~槍ヶ岳★★★

標高差:UP約m/DOWN約m  歩行距離:合計約km

登山口:中房温泉 下山口:三股P 条件:一人、晴天、オールセルフキャリー

日程:2019年8/1(木)~3泊

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この山行、前半のキモは 交通手段(車)の配備です。

 

① バス停に荷物をデポ

まず初日(平日)の朝5時半、車で穂高温泉郷にある「しゃくなげの湯」へ行って、登山用P↓(北側の第5P、無料)へザックを置いてきます。こちらは南側の第1P↓

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先着1台だけ↑ 穂高駅の登山P(無料)より、こちらの方が空いてるかも。

こんなの取っていく人も居ないと思うけど、一応日陰になるような外灯ポールの下に、鍵付ワイヤーで固定。

② 三股Pに車をデポる

さすが平日6時。最奥の三股Pが、まだ10台くらい空いてました(夏の土日は5時でもムリ)。なるべく長時間木陰になるような場所へ車を停めて、積んできた折り畳みMTBを出します。前の車(カローラレビン101)だとかなり工夫しないと積めなかったのですが、新車(フィットRS)は荷室がフラットになるので楽々

③ 自転車でバス停に戻り、バスに乗って登山口へ

念のため空気圧を再調整し、来た車道を一目散にくだります。点滅ライトをつけっぱにし、熊対策に鈴を鳴らし、途中にあった大きな落石をどけながら・・・この三股の林道は二箇所ほどアップダウンがあるので大変かなと思ったのですが、白沢に比べたら全くの無問題。MTBでも普通に座ったまま漕ぎ登れました。良し!

対向車もあるので慎重に進んでも、この林道区間は15分もかからなかったみたい。「ほりで~ゆ~」のあるゲートへ戻って「あづみの公園」を抜けたらT字路を左折、穂高地区へ向かいます。この区間も全体的に下りで、大したアップダウンは無いのでラクラク。おかげで「しゃくなげの湯」P到着は7時。しまった、早すぎた。。。ここから中房温泉行のバスが出るのですが、次は8:30発です

かと言ってこれ以上遅いと三股Pには停められない。こんなんだったら、もうちょっと早く出て6:40発のバスを狙えば良かったな。。。

仕方ないのでザックを外して自転車をポールに繋げ、周辺↓を散策。

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凡例に「バス停↑アイコン」はあるのに、地図上の実際の場所に無い・・・置忘れ??中房行のバス停は、薄くて丸くて黄色い「芝生ひろば」の、左の太い道沿いにある小豆色の四角の、道はさんで反対側です。

 

このエリア、「しゃくなげの湯」の移転と同時にかなり拡張・整備されました。道の駅みたいな「Vif穂高」は8時オープンで、足湯は清掃中、トイレも閉まってるけど……足湯が昔あったラウンド十字路の場所に多目的トイレが設置されているので、ウォーキングしながらぐるっと一周。途中の東屋でのんびり朝食を摂りながら、iPhoneでちょっと仕事。          バス停↓     この奥のラウンドサークルの先↓右手に多機能WC

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あ!↓ここから新宿行が出てる!  でも中房線との乗継ぎ5分↓ タイト

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中房温泉行のバス穂高駅(登山者用P無料)から出発し、この「しゃくなげの湯」や常念坊、有明山神社P(登山用P無料)を通ります。所要30分ほど、片道¥1200。平日なのに、乗車率95%(全席着席)。燕山荘の影響か、若者・子連れ、多いです。。。

ヘアピン狭歪ロードに揺られること40分、中房温泉に到着(H1,450m)。

 ***** ***** ***** ***

 <1日目> 燕岳 ↓ には行きませんでしたが・・・ ~合戦尾根~

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タイム:4時間(4h10m)、標高差:UP1,254m、距離:約4km

この部分は燕岳の記事でもご覧ください。

普段ここを真夏には登らないので、とにかく暑い、そして重い!

もちろんビールを積んでいますが、今回は少なめなのに―――新しいザック、ベルト部分をSサイズに変えてバッチリ!と思いきや、問題はサイズではなく構造だったようで。。。腰全体ではなく「腰の脇」だけが締まる仕組みなので、坐骨神経痛が再発しそう・・・っっ

登り続けるためにはベルトを緩めるしかなく、肩にかかってくる重量が凄いことに。

 

それでもゆっくり登って何とか登山口から4時間(4h10m)、15時前には燕山荘のテン場(H2,704m)に着くと、うわあ、平日なのにかなり混んでる・・・いえ、8月だから当たり前なのですが、他人のことを考えていない or どれだけ混むかわかっていない張り方をしている若い子が多くて、ムダに半端な隙間が多くて大きなテントはムリな感じ。結局夕方18時くらいまで続々とテント組が到着し(←これも酷い話)、これから夕食でも作ろうかって時にテント移動を促されて大変そうでした。最初から端に詰めて張っていればそんな苦労も無かったのにね・・・

小屋泊の方も若い子が多く、子連れ(4羽)のライチョウがテン場近くをずっとウロウロしていたのですが、発見しては騒ぐ、後追う、それで登山道外のお花畑に侵入するする・・・

燕山荘は財力があるというか何というか・・・山雑誌で「憧れの山荘1位」に輝く山小屋で、精力的に宣伝・営業。規模も大きくツアーや学校登山も多いです。晴れた早朝は下界から見てもビカビカ光ってます。その分、テン泊者(金を落としていかない)に対してかなり冷たっな感じ。繁忙期だからってのもあるんでしょうね。。。

小屋の中は快適なのかと思いきや、やはり繁忙期は「1畳に2名」だそうで「スタッフもゾンザイだった」(伝聞)。何が良いのかわかりません。。。立地かな。

★テント:1泊1000円。大きめの段々構造でフラット。水は1L¥200。

 トイレはテン場の北にある小屋で、紙:持ち込み、ボットン。

 

 <2日目> 燕山荘―>西岳ヒュッテ ~喜作新道~

タイム:3時間35分(5H50m)、標高差:UP約680m/DOWN約695m、距離:約10km

 朝5時、テン場はもう賑やかで、こちらも何となく起きてしまいましたが、この日は西岳のテン場へ移動するだけなので、小屋でお湯を買ってゆっくり朝御飯を摂って、7時出発。        小屋の前を北へ↓

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  この斜面(登山道左側)↑は、コマクサが大量に生息。(半栽培?)

 大天井岳(奥)↓    ↓↓「表銀座」全景↓↓  ↓槍はずっと雲っ被り・・・

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大天井岳までは7.8kmだそう。 どこが「蛙岩」だったのかは、さっぱり不明。

ああ・・もう↓信州側からガスが・・・ このハシゴ(下から撮影)↓を降りると 

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 反対側の登り↓のもっと右側→→の岩壁↓に、「喜作レリーフ」!↓↓(北アの英雄)

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  ここ↑から少し登ると・・・ 

燕山荘から 1時間半(2H20m)で「大天井分岐」↓  

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←左へ登ると大天井岳山頂ですが、Wはここをそのまま真っ直ぐ進みます↑

 大天井岳の西側を右巻いて↓・・・  大天井岳直下↓ 岩とハイマツが美しい・・・

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     牛首山展望台↓が見えてきた       鋸刃岩↓ 「あと15分」!

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              眼下に赤い屋根↓が見えてくると・・・

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また大天井岳山頂への分岐↓があって    この先にクルマユリ

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この槍ヶ岳までのkm数↑は足りないと思うんだけど・・・大天井分岐から30分(40m)で、大天井おてんじょヒュッテ!↓↓ ん・・・?おてん「じょ」??

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           わお!松本ブルワリーのIPAがある!!↑↑ 

ランチは牛丼って! >< 布団干してて小屋前にベンチ、造りも良さそう。「良い小屋」な雰囲気がビンビンします。でもここ、テン場が無いんですよね。 

ここでエネルギー補給をしてから「喜作新道」へ入り、西岳へ向かいます。

最初は下り↓

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この部分も↑クルマユリキスゲミヤマキンポウゲがワサワサと↑ そのうち登りが始まると、やがて「ビックリ平」(H2,549m)に到着↓↓

    牛首展望台↓(尾根道は廃路)   ↓大天井岳  

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ここから暫くは緩く移動(↓砂の広い部分が多数あるので休憩に◎)

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             む、ちょっと見えた↑  ↓東鎌尾根はずっと見え見え。

←西岳。かなり↓→くだってから、登る→↑のも、丸見え・・・  これ↓は北鎌尾根

f:id:wistorian:20110101044009j:plainこの日後半から同道したテン泊縦走者(明日は「槍ヶ岳山荘」泊)は「うわ~あれはちょっと・・・凄いわあ~・・・」と何度も唸って「あなた、本当にあそこをピストンするの?」と何度も言う。あのね、そういうことは、考えちゃいけないんですよ?

 

アップダウンが数回あって、やがて↓左巻くようになり・・・

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ここ↑はチングルマ(晩期)、シャクナゲ(ピーク)、コバイケイソウミヤマキンポウゲなどがワサワサ。   ↓たまに岩岩。  ↓左巻く、左巻く・・・

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大天井おてんじょヒュッテから1時間35分(2h50m)で、↓↓ヒュッテ西岳(H2,685m)。

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何、あのテン場・・・↑ 「西岳のテン場は槍の眺望が良い」がウリらしいのですが、あの立地は 強風祭りでは??

 

そしてこの小屋、評判悪いんですね・・・明日の予定を聞かれたので「槍ピストン」「状況によってはここにまた泊まる」と応えると―――

「テントは置いていかないでね!」「テン場はヘリポートになることもあるから」「小屋にも置いていかないでね!」

は??ピストンなのに、荷物持ってけってこと?

それってこの小屋の存在意義ゼロじゃ・・・・・・

「2泊する場合もですか?」

「そう、2泊する場合でも、テントは畳んで持ってってもらうよ!」

吐き捨てるように・・・まあ、田舎の古い人って乱暴な言い方しますが悪い人じゃないんですよ(翌日水買う時なんかはニコヤカで気味悪いくらいだったし)。でも、そういうルールだと知ってたら、大天井泊で組んだのになあ・・・

「戻ってこられない人も居るからね」「置いていかれると迷惑だからね」

と言っていたので、過去に色々あったのでしょう。だったらサイトにそれをはっきり載せたらどうかな? どう考えたってここ、槍ピストンに最適と思われて当たり前の立地だし。わざと載せないってことは、詐欺も同然。「北海道ではデポ厳禁」と聞いたことあるけど、北アでは初だわ。。。

まあ、おかげで「槍ピストン後に大天井まで戻る」という決心が着きました。

 

そうと決まったら↓テン場へ行って、さっさと設営!

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幸い風はそんなに強くなかったですが、槍はずっとこんな感じで↑↑モヤモヤ雲被り。平日で僻地なのでそんなに混まず、しかし16時から雨がかなり降ってきたので、この日はずっと、テントの中で呑んで終わりました。。。

★1泊1000円、稜線なので斜め多し・・手前スペはフラット。水:1L¥200。

 トイレは¥100で小屋前の屋外建物、バイオ?で綺麗。紙アリ、手洗水あり。

 

<3日目> 槍ヶ岳 往復  ~東鎌尾根(喜作新道)~

タイム:往路:2時間45分(4h30m)/復路:2時間20分(4h10m)、

標高差:往路UP約800m/DWN約320m、距離:往復14km

 

朝3時半、雨は小降りになり、外へ出た時はもうほとんど止みかけ。風はやや強めですが、予定通り決行です。

もちろん最低限の荷物だけにし、大きい荷物は小屋より北の、登山道沿いの広いところに放置。(年配の方たちはちゃんと担いで往復してましたが・・・)

 

小屋上の分岐(H2,690m)↓(暗かったので、戻ってきてから撮影)

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   小屋からはまず、200mほどガガっと下ります↑↑↑↓↓

   ↓槍                すごい高度差↓↓

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          ちょうど下ってる人↑が、ガレってる。

この部分が一番、テン泊装備ではキツいかも。。。置いてきて良かった。。 この最初の降りから100mほど登って、100mほど降りると・・・  天上沢の谷間↓

ヒュッテ西岳」から40分(1h)で↓「水俣乗越」(H2,475m)。狭い。。

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この標識↑の向こう側へ降りると、北鎌尾根へ登る上級コース。手前の槍沢へ下りれば、上高地へ下れます。

そして、ここからが東鎌の真骨頂!という感じでした。。。。

    最初は緩やかに移動するし↓ 槍もよく見えているのですが・・・↓↓

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まず、朝6時前だというのに蒸し暑くて虫が多く、ゆっくり休憩も出来ない。これは時期が悪かったなあ~・・・↓登らせておいて、急激にくだる↓ なアップダウンあるし

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全体的にザレガレの中、↓階段・ハシゴが多数↓出てくる↓↓

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あと1.3km↓(槍ヶ岳山荘までの距離)。 ここまで来るとだいぶ近い↓↓

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ここ、ハクサンイチゲ多いですね@   このガレガレ斜面↑をジグザグ登ると…

水俣乗越」から1時間35分(2h10m)で「ヒュッテ大槍」 (H2,884m) 槍↓↓

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おお~・・・・いいですねえ・・・

この先で3方向に分岐している↓ので注意(槍方面は右手に登り)。

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ここから槍直下まではガレガレ&岩ですが、「緩やか~に登り」、楽ちん↑

左手眼下に↓殺生ヒュッテ   槍直下を更に左巻くと・・・↓

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            赤い屋根↓が見えてきた!

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直下すぎると槍っぽくない↓    天狗原(左)へ行く槍沢分岐(左)↓↓

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「ヒュッテ大槍」から30分(50m)で、「槍ヶ岳山荘」(H2,980m)↓  どどーん・・・

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でも、いい景色!(西鎌尾根方面)↓

  ↓野口五郎岳? ↓三俣蓮華岳    鷲羽岳↓    ↓水晶岳f:id:wistorian:20110102001200j:plain槍山頂までは↓ここから「片道30分」。

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ご覧の通り大したことない岩道↓で、

「登り」↓と 「下り」↓  それぞれ片側通行と、問題無い設定なのですが・・・

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追い越しは危いので自粛。そうすると、素人や「岩を怖がる人間」が一人でも居ると、大渋滞なんですね~・・・ 

         ↓最初のハシゴ(上から) 最後のハシゴ↓   右奥↓は下山用

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しかし!ちょうど登りは前に誰も居なくて(←8月土曜にコレは奇跡!)

 10分で山頂↓↓(H3,180m)到着★              ↓北鎌尾根

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え~と・・一応100名山で、ニホン第三位の標高デス。

山頂も私入れて5人くらいしか居なくて・・・登ってる時にすれ違った下山者が「山頂は渋滞、撮影待ちで社の前は行列してたので、諦めてすぐ帰ってきた」と言ってたので、本当に運が良かったです。

             西鎌尾根方面↓ 次はここ通りたいな・・・

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     穂高にもまたいつか行きたい↓↓(マイカ上高地を通らずに)

f:id:wistorian:20110102004058j:plainでも、山頂は狭くて休憩には不向き、大した用事もない・・・滞在3分。

さあ、東鎌尾根(↓一番奥は常念!)に向かって、帰りますよ~↓  ↓笠ヶ岳

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しかし下りは、子連れの母親が怖がって渋滞引き起こしてて30分近くかかりました

また槍直下を通って↓       山頂から標高300m程一気に下り↓

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「槍ヶ岳山荘」から20分(30m)で再び、「ヒュッテ大槍」(H2,884m)

 これからガガっと降って、ここまで登るのか…↓  ↓テン場この辺

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  改めて見るとすごいわ、喜作・・・   この高度差!↓↓↓↓

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「ヒュッテ大槍」から45分(1h40m)で「水俣乗越」。

さあ、ここから森林です。さらば、↓槍たち。

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 乗越から1回アップダウンした後の、↓この最後の登りが、一番急斜面・・・

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ザレ・ガレ・ザレ! 難易度「小」でも、人が多いと大変

ここで。山口県から来ている高校生山岳部とすれ違い。うわあ・・・なんて元気で素朴で、とってもフレッシュ!さすが16歳!まさに夏のトビラ!!(笑)

この真(魔?)夏の過酷ルートに、とっても似合う若さだわぁ・・・

 

ホントにね、今日は3~4組のシニアパーティとすれ違いましたが・・・ここは、そのお歳でヒイヒイ言いながら通るのってどうなの?クラス、なんですよね・・・年齢制限あるわけじゃないですけど。

例えるならば、自治会の日帰りツアー(Ave.70)が原宿や大久保にきちゃったとか、チーマー(10代前半)が盆栽博物館にうっかり入っちゃった、みたいなもの。TPO(時と場合と立場)もカタチ(団体・・・)も、スペシャルミスマッチ。

私だったら、ツラいルートは若い時にさっさと通って、歳取ったらもっと相応で優雅なルートを通りたい(だから今、頑張ってる)。でも最近は「リタイアしてから山を始める人」が多いみたいで・・・

「北アの真骨頂」とか「ニホン三大○○」とか「山好き垂涎の・・・」とか雑誌やTVで煽られると、行きたくなっちゃうんでしょうね。そのキモチはわからなくもないけれど、だったえらもうちょっと準備(体力つけるとか、時間に余裕を持てる財力を用意するとか)しようよ~

良い反面教師になっています、悪乗りシニア。。。

 

そんなこんなで「水俣乗越」から50分(1h30m)、↓「ヒュッテ西岳」帰還。

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10:25、余裕で間に合った!

★北ア/表銀座(2)・西岳~大天井~常念岳

<3日目後半> ~喜作新道(折り返し)~

タイム:1時間40分(2h30m)、標高差:UP約300m/DWN約350m

距離:約4km、日程:8/4土曜日PM、晴天!

 

槍ヶ岳ピストンアタックが予定より短時間で済んだので、西岳の小屋上の分岐点で雨具のウィンドブレーカーを天日干し(夜間の雨の名残もあり、前半は森林限界じゃないから下草が多くて結構濡れた)。水も買って補給もバッチリ 西岳直登点より北で、問題なくザック回収。気力はややナイですが、体力と時間はたっぷりあるので・・・午前11時、予定通り大天井へ、GO! 

最初はユルリと右巻き↓             牛首展望台↓   大天井↓

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朝は見え見えだった槍も再び雲冠してしまって、またしても「ツンツン」な景色。おいいいいい。結局この、いわゆる「喜作新道」では、一度も「アッパレ槍」は見えませんでした。。。。

f:id:wistorian:20110102050803j:plainあまりにも天気がいいので、この途中の白砂場↑でコーヒータイムを取りながら、朝露グッショな靴下と靴を干します。このまま進んだら、とんでもなく早い時間に次の泊地へ着いてしまう・・・

 

その泊地ですが。

大天荘だいてんそう表銀座伯仲大天井岳山頂直下にある山小屋で、超華々しいメジャースポット。8月上天気の土曜の今日は、ゲキ混みな予感・・・・・テン場もあるので、最初はここに泊まる予定でした。

しかし、実は今朝、テント(皮)を風に飛ばされてしまい・・・―――

 そう、今日は小屋泊なんです。

 

 片やその手前の例の大天井おてんじょヒュッテはマイナーな燕~槍ヶ岳ルートにあり、テン場が無いことも相まって、若干「穴場」的な雰囲気。往路で接した限りは、マメマメしい良小屋の気配を感じました。 

  マメ例↓ (↓松本平の最高クラスなクラフトビール ↓土日に向けて布団干し)

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時は梅雨明け直後の、8月第一週の、土曜日。

テントの無い身でどちらを選ぶかなんて・・・ それはもう・・・・

それでも一応ヒュッテで試しに「どちらの方が混みますかねえ?」「予約はどんなものですかねえ?」と尋ねたら―――

「確かに大天荘の方がメインルートです」

「こちらは、今日は一人で一つの布団を使えます!」

決まりです。久々の山小屋泊は、大天井おてんじょヒュッテで!(素泊まり1泊7200円)

 

その前に―――――――――――――――――――――――――

まだ14時前なので、昨日スルーした「牛首展望台」(H2,766m)へ行くことに。

タイム:登り10分(15m)/降り6分(10m)、標高差:約120m、距離:約4km

  小屋のまん前の 登山口↓        ちょっと登ると、小屋の全景↓

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小屋からの標高差は約120m。それが「片道15分」って中々の急斜です。でも整備はされてる↓                 山頂あれかな?↓

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      「牛首展望台」山頂(H2,766m)↓  あ!お社がある☆☆☆☆☆

f:id:wistorian:20110102065508j:plainちょっと「チベットちっく」な柄の黄布が巻かれた標識が「修験道よりもっとカルト?!」な期待をさせておいて、お社はただの「大天照皇大神」。ち・・・っ 明治の余波がこんなとこまで!(それとも喜作の氏神?)

  あれは燕岳↓    目の前に、昨日通ってきた路↓(誰もが的に)

f:id:wistorian:20110102065733j:plainそして今日、通ってきた路↓    東鎌尾根↓       半見えの槍↓

f:id:wistorian:20110102071415j:plainそして明日、朝日が昇ったら↓行く山(大天井岳

f:id:wistorian:20110102065613j:plainんん?小屋から山頂への「直登っぽい↓ジグザグ路」が見える・・・ 獣道?

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      ←↑燕岳への巻き道        西分岐↑  ↑小屋この辺

                  大天井岳の右手奥には、私の常念

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 ↓高瀬ダム湖もよく見えた     確かに眺望◎!f:id:wistorian:20110102071758j:plain

でも、牛首山(H2,553m)は一体ドレだったんだろう・・・??

 

ここにお酒持ってくれば良かったな~ 昼寝しようかな~と思ったのですが、さすがに真夏の直射日光は強すぎた。顔や首がヒリヒリしてきたので、10分で下山。。

 

さて。小屋泊は、成人してからは「仕方なく」(テント装備を忘れたとか、テン場が無いとか)の場合だけで、この10年では2回くらいしかありません。小屋泊の度に、夜遅くまでヘッドランプで本読んだりプラ袋の荷物をガサガサゴソゴソしたりするおカバさんとか、病的なほどの大音量イビキで迷惑な男性とか必ず居るので、印象悪い。(イビキに関してはテントでもかなり聞こえますが・・・同室内では耳栓も利かない)

でも結果的にこのヒュッテ、凄く良くて!

 

もともと北アの小屋は、日本でも最先端で至れり尽くせり。トイレはバイオで綺麗だったり、衛星テレビが見られたり公衆電話あったり携帯充電も可能だったり、乾燥室はカンペキで休憩室は綺麗で、水は無料でいくらでも汲めたりします(その分、値段は高め)。反面、「山の良さ」も何もあったもんじゃありません。。。

このヒュッテは、バイオは一基だけで基本ボットンだけど綺麗だったし、テレビはあったけれど食堂ではなく小さい休憩室に設置されていて、山の雰囲気は損ねてない感じ。昨日干していた寝具はコダワリの品っぽくて、綺麗で新しめ(「発熱するから温かい」なんてタグが着いてる・・・)。

プラス「気遣い」がある!

まず宿泊部屋が布団6組敷ける広さになっていて、どうチェックインしようと「女性だけ」にしてくれたり、希望を聞いて「グループ部屋」にしてくれたりします。

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いや、接客業ならそれくらい当たり前なんですけどね・・・・山では当たり前じゃないもので。。。八ヶ岳なんかは繁忙期でも無いのにチェックイン順に有無を言わさず詰め込まれたし、布団も汚かった。。。

 

そして、部屋が汚れないように「ザック類は室内持ち込み禁止」。廊下にザック用の棚があり、荷物整理も廊下で! 素晴らしい!! 同室の人(燕山荘前泊)も「この小屋いいわねえ」「今まで泊まった中で一番綺麗」としきりに感心。あ、でも、携帯の電波はドコモでも入らなかったようです。iPhoneなんか当然ダメでした。

 

17時からの夕食(2R制)も落ち着いて、 20時消灯。

予想通り同室人のイビキが始まりましたが、小柄な女性だからか音はささやかなもので、気になりませんでした。ヒュッテ経営者の心配りに、感謝・・・・・・!

 

<最終日> 大天井岳常念岳 ~前常念・三股ルート~

タイム:縦走:2時間35分(常念山脈/4h40m)/下山:2時間40分(三股ルート/5h20m)、

標高差:UP約800m/DWN約2,080m、距離:縦走6.5km+下山7.2km、

日程:8/5日曜日、晴天!

 

小屋の朝食が5時のため、皆さん4時過ぎにはゴソゴソと動き始めます。

今日は7時に出発すれば余裕なのですが「まあいいか」とこちらも早起き。のんびり朝食を摂って、5:45、出発。↓牛首展望台       西分岐↓「常念岳5.5km」→

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 この5.5kmというのは、たぶん常念乗越までの距離だな・・・↑

 今日は天晴れ!↓   昨日通った喜作新道↓        槍っ↓

f:id:wistorian:20110102225806j:plain小屋からはずっとこんな↓岩ゴロの右巻き道を登り。槍眺望はどんどん良くなる

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つい、似たような写真撮りまくり ↓ナイス北鎌    ↓薬師の方(アコガレ

f:id:wistorian:20110102233859j:plain    小屋から40分(40m)で、大天荘だいてんそう(H約2,870m)↓  敷地すごく広い・・・f:id:wistorian:20110102234120j:plain

 小屋の背後が山頂↑      右手にはテン場↓  フラット!

f:id:wistorian:20110102234219j:plain次はここ泊まりたいな・・・でも、やっぱりビールはイマイチなラインナップ。周辺にはまだチングルマがピーク気味に咲いてました。

ここから、ちょっと前常念チックな↓大ガレ白岩の道を登って・・・・・

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      小屋から6分(10m)で、大天井岳おてんしょだけ(H2,921.9m) !↑↑(社は熊野系)f:id:wistorian:20110102235125j:plain  うん、もうイイ・・・ こんだけ見れば↑↓ もう下界に還ってもイイ。

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 表銀座全景↓↓          燕岳↓これ?   じゃあこれ↓は蓮華かな…

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     穂高↓     ↓喜作新道と東鎌尾根全景↓    ↓槍め・・・

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しかし、ここでも電波入らず・・・予定通り明日出勤するよって、上司に連絡しなきゃならんのに。。。

山頂から3分で戻り、小屋↓とテン場を後にして・・ってここも眺望いい!↓

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いよいよラストの常念路↓(勝手に命名)へ。    ずっと見えっぱ↓f:id:wistorian:20110103001805j:plain     最初は緩やかに稜線を↑天空散歩・・・・・・  振り返ると大天荘だいてんそう↓ 牛首展望台はもちろん、↓五色が原や↓↓裏銀座立山↓↓↓↓まで!!f:id:wistorian:20110103001839j:plain とにかく緩い↓   例の虫が入ってるみたいな花↓も珍しく群生していて・・・

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「のどかでライチョウなんかも暮らしやすそうなとこだな~」と思っていたら・・・

   うわ、出た↓

f:id:wistorian:20110103002946j:plainしかも7羽もの子連れ・・・ヒナ↓が人間の前後(しかも登山道上)にワラワラと

f:id:wistorian:20110103002907j:plain生存率2割だというのに、この警戒心の無さと言ったら・・・  この先で東大天井の山頂直下を右巻くと↓ 雪田が見えて東へガガっと降るルートに。↓横通岳と常念岳

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ここからの降りは繁盛したハイマツ樹林帯で、途中に廃道が幾つもあり、昔は全然違うルートだった模様。 ↓東大天井岳 右へ行って→ここから↓降り。 廃道の一つ↓

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この斜面↑の植生が結構面白かった。

再び登りになると次はガレ気味↓、広いのでここで休憩。東側がかなり削げてる ↓↓

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横通岳↓を右巻くと、いよいよ常念乗越に向って急激に降り↓

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槍方面はずっとアッパレなのに↓  東側はモックモク~・・・↓

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小屋の赤い屋根↓が眼下に見え、最後は荒れ道の樹林帯へ↓ ここ歩き難い・・・

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大天荘だいてんそうから1時間50分(3H)で、8年振りの「常念乗越」↓(H2,460m)

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この常念小屋も評判悪いのですが、初めて中に入ってみると西岳と同じく「田舎の古い人の乱暴な物言い」なだけな感じ。ただ、小屋の中年スタッフにルートの質問をしたら「やだそんな巻き道知らな~い、危ないからやめてやめて~」「遭難でもしたら救助に行かなくちゃいけないし~」だと・・・「いえ、来なくていいです」と言ったらキョトンとしてましたが。。。「山小屋は緊急避難や補導所の役割も兼ねている」んだから、小屋で働く以上は「山を把握する努力」をするなり、わかる人をきちんと呼ぶなりしてほしいな。。。まあ、人気小屋にそこまでのプロ意識は期待していないので、この「石室からの新しい巻き道」については後日、自分で検証します。

体力も時間も残っているし、久々に山頂経由しますか=3

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少し登ったところから、↑小屋            テン場↑      乗越↑
あの森林帯さえ無ければ良いルートなんだけどなあ・・・

標高差400mのこの斜面↓が一番急。ガスが晴れて、横通岳もくっきり↓ 暑い・・・

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常念小屋から50分(1H)で常念岳山頂↓(H2,857m) 人多。。

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さて、休みが取れるから思わず来ちゃったけど、8月上旬にこの山域は非常に暑い!晴れ予報を狙ってここまで実際メッチャ晴れて、しかもどんどん南下したから今日は最高に暑い。まして下界はもっと暑いので・・・下山したくない~

でも前常念のこの尾根↓は大好きなので、とりあえず石室へ・・・ ↓美しい

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これが例の、石室の前にある「新しい巻き道」の看板↓ かすれて読めなくなっていたので、設置されたらしき年(2014年)↓の画像を。

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   看板には「常念小屋まで1.5時間 八合目経由」 

下の「常念小屋」の板は「昔の巻き道分岐」(ここよりもっと上)に設置されていた方向指示板なので、右に行けば巻き道なのかと思っていたけれど・・・巻き道にしては1.5時間は長すぎる。もしかして「八合目」というのは山頂直下の「乗越からの道との合流点」のこと・・・??でもあそこは八合目というには上過ぎるし・・・

前常念のいつもの岩で、いつものように長めのコーヒータイム 30分くらいゴロゴロしていると、単独男性がヨロヨロヨロリと下山してきました。心配で声をかけると「こんな岩ルートだとは思わなかった」「登る時に岩で道に迷った」「一緒に下山してくれませんか」。誘われた。この岩がイイのになあ・・・ ↓下から前常念方面を撮影

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無事岩エリアも終わり、尾根出合いで単独男性とサヨナラした後はゆっくり下山。テン泊装備で通過するのは初めてなので、もともと危ない左膝をこれ以上壊さないよう、時間をかけてゆっくりと・・・ これが結構難しい

 

常念山頂から2時間40分(5h20m)で、「三股登山P」帰還★

 

総合評価

燕~常念間はお気楽縦走にイイ感じ!また通りたい!!!

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槍は、次は西鎌からか穂高からか・・・東鎌るにしても、槍沢から。