Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

SKF「サイトウキネンフェスティバル」(松本市:フェスタ)

 
毎年8~9月に、松本市でSKOによっておこなわれるイベントです。
SKOというのは、音楽家・齋藤秀雄氏の偉業を記念して1992年、
弟子の小澤征爾秋山和慶によって決起・結成されたオーケストラ。

「世界の小澤」が総監督をする、「地方の国内最大クラシック祭」
として有名ですが、去年は8月後半に引っ越してきたので当然チケットは手に入らず…
大体6月にチケット発売ですからね。
 
そして松本の店頭販売は、2~3日前からテント村ができる程の行列フィーバー。
それほど熱くない人はネット(ローソンチケット、ぴあ、e+)で申し込みができますが、アクセスが集中して
獲得するのは至難の業。一番お安い席は開始5分以内で売り切れます。

そして今年は、当の小澤征爾がガンで倒れられ…
 
いや、今日その「復帰記事」が新聞に出たんですけどね。
画像に「元気な姿を見せた小澤さん」って書いてあるんですが、それが全然元気そうじゃなくて…
メインのオペラは他の指揮者が振る(おかげでオペラのチケットは取れた/笑)ことになったけど、
2公演振る上に総監督。既に練習も始めたようですが……体調が心配です。
いくら信州と言っても、猛暑。
と言うか、ここは盆地なので日中は大阪並みに暑いんですよ!!?
開催時期をズラした方がいいのに~
 
公演は松本市内の2箇所のホールと、各地で小コンサートが開かれます。
主公演は週末の夕方か平日の19時からという設定で、仕事帰りにも行ける時間。
でも聴衆はほとんど外から来るみたい。
且つ演奏者や関係者が前入り・滞在しているので、期間中の主要ホテルは連日満室です★
 
小澤氏の公演は松本市街地で大ビジョン放映があるので、それを見に行きます。
(東京・六本木ヒルズでも放映するらしい)
 
 
↓鑑賞した記録  
 < オペラ『サロメ』 > 2010'8/28(土) 16時~約90分 
  指揮者:オメール・メイア・ヴェルバー
 
 実はオペラは初めて。東京じゃたっかいですもんねえ~……
 
 場所はまつもと市民芸術館。ボックスは無いものの、本格的なオペラに対応できる施設です。
エントランスからの導線も中々で、ゴテゴテしてないのが好印象。ホワイエも広いです。
クラシックを聴きに行くよりちょっと上品目のワンピで暑い中久々に装って行ったら、結構ラフな
格好の人が多かったです。「気軽に観れるオペラ」って感じでいいですねー。でも、汚い格好の人
はちょっと反省してほしいところです。臭いから。
 あと、ホワイエでグラスワインのサービスがありましたよ 上演前はいつもサイドバーでワイン
をちょこっと飲むので、これは嬉しい☆ 公式グッズはTシャツ、風呂敷、マグカップ等々、色々販
売されていました。オペラグラスの貸出は1000円。しかし、最上階の席でも結構よく見えました。
 
 感想は……
いや、演奏は良かった。私の安い席からじゃ指揮者が見えなかったのですが、知人の「オペラの
方が音楽を楽しめる」という意見に「成る程」と思ったくらいです。メインキャストの歌声も惚れ惚れ。
イタリア語だと思って行ったらドイツ語の上演で「意味わからんやん!」と思ったら、舞台左右に大
きな電光掲示板で字幕ってくれたので存分に楽しめました。
ただ……
 
怖いよ、サロメ
ストーカーと言うか、もう最初からキチがってると言うか……
ヨハナーンの体や唇を「百合のように白い」とか「バラのように何とか」とか褒めて、縄をたぐり寄せ
ながら「触らせて~」って……  こわあぁ……
聖書を学んでいたのである程度の粗筋は知っていたけれども、これほどイっちゃってるキャラだとは
思いませんでした、サロメ。っつうか、もちょっと「宗教さ」とか「訓示的なモノ」があると思ってたのに……
義理父(王様)は職場のセクハラ親父並の発言をするし、バックダンサーはエロティックダンス。
ツっこみたい衝動を抑えるのに必死でしたよ…
これ、大阪弁で上演したらスッゴイ面白そうだな……――なんて、およそ芸術的な世界とは掛け離れた
ことばっかり考えていました(^ ^ ;) 楽しかった(笑)
 
<Bプログラム> 2010' 9/5(日) 16:00~約2時間
場所は松本文化会館
「松本の奥座敷」である浅間温泉近く、やまびこ通りに面し、護国神社の斜め向かいにある施設です。
駅からは遠いのですが、体育館などが隣接し、共用Pは約700台。15時過ぎにのんびり出かけました。
 
Pは満車に近くなっていて、東京からのツアーバスや近隣の高級宿泊施設からの送迎バスまでひしめいています。さすが、世界のマエストロ。
小澤征爾の小曲も無かったら、キャンセル続出だったろうなあ…
 
例の指揮者交代のおかげで、開演時に小澤征爾のコメントが聞けました。
なんでも、3~5分立ち続けるのも医者に禁止されているとか。せかせかと喋って、小曲開始です。
 
●曲はチャイコフスキーの「弦楽セレナード」ハ長調 作品48」より第1楽章。

  ヤバイ。泣けました。
  曲がいいのか、SKOがいいのか、生マエストロがいいのか……どれも初めて聴くので特定できませんが;
  クラシックで泣けたのは、学生の頃に聴いたカラヤンのベートーベンCD以来だ…
  マエストロ、椅子が用意されているのにしょっちゅう立ち上がり……以前と変わらぬ激しい熱演。
  あれ?タクト、持ってない??(席が遠かったので確信はないですが…)
  まるで、楽器がキャストの小オペラを見せられたような気分でした。    
 
次は、期待の尺八&琵琶との共演です。指揮者はここから、下野竜也氏。
 
●曲はノヴェンバー・ステップス(武満徹)。 尺八:三橋貴風/琵琶:田中之雄。
 
  ええと……なんだかな―――;;
  構成が悪いかな… つまり曲が… それぞれの演奏はスゴクいいんだけど、共演した良さが無い……
  周囲には船漕ぐ人が続出。和楽器に親しみがない人には、ツライかもしれません。
 
20分の休憩を挟んで、最後のシメです。

●曲はベルリオーズ幻想交響曲 作品14。
  小澤征爾の代役に、下野竜也氏じゃ格下すぎるという意見をチラホラ聞きました。
  確かに、ノヴェンバー・ステップスも「マエストロが振ったら飽きる人も居なかったのでは…」と思いますが…
  それは下野竜也氏がダメなのではなく、マエストロが凄すぎるだけ。
  大体、マエストロの相応の代役なんて、日本には居ませんでしょうに。
 
  私は下野竜也氏の指揮、じゅうぶん良かったと思います。
  選曲も良かった。使う楽器が多く、見せ所も多くて、豪華です、コレ。
 
  但し、最初から下野竜也氏だったら、この値段は払ってないな……というのは正直なところ。
 
指揮者変更の報が出てから、SKFからは電話が来るわ郵便が届くわで、ビックリしました。
あれだけ報道されたんだから知ってるっつーの。
それに、ある程度の覚悟でチケット買ってるから、謝罪は要らんっての。
でも、それは私が松本に住んでいるからですね。
 
大半の聴衆が外から来るSKF松本。来年はどうなることやら。。。
 
< オペラ『青ひげ公の城』 > 2011'8/21(日) 16時~約90分
  指揮者:小澤征爾
 
今年は何とか不吉なニュースもなく当日を迎えました。
最初はバレエ(モダン…)の『中国の不思議な役人』でしたが、これはまあ置いてといて…
 
少々遅れた開演と同時に、オケピットに小澤征爾が登場。
おおお…良かった、生きてた…!(←おい…)
あれ?最初の指揮は違う人じゃ…と思っていたら、SKOのマネージャーが壇上に出現。
去年のお詫びでも言うのかと思ったら
 
 「大震災の犠牲者に追悼を込めて――バッハのアリアを」
 
………くそう、また泣かされた……
 
おかげでその日はずっと頭の中でアリアが響き続け(笑)
 
いや、オペラも良かったですよー。
でもなんかSKFって、演出がモダンで。それとも、今はどこもこうなのかな……
バレエと続けてモダンさを見せられたので、クラシカル好きな私は「お能が見たい……」と少々ゲンナリしました。
本当は小澤指揮の普通のオケが聴きたいのですが…
 
そういえば、演出なのか偶然(失敗)なのか知りませんが、舞台上のガラス壁にオケピットの小澤氏が
バッチリ映っていて、オケピットが見えなくても指揮の様子がわかりました。サービス?