Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

能・『融』(とおる)――矢来能楽堂

珍しく、神社に関係のない中世題材の演目です。
何故これを観に行ったかと言うと、ここのところ「お!」という神社演目がないのと、
この『融』のような男舞いを観たことがないのと、この『融』に使われている「中将面」の
演目も観た覚えがないのと、矢来能楽堂に行ったことがないのと。
まあ、色々あって、「とにかく一度は観てみたい」と暑い中ノコノコと行ってきました。
前半の部の『三井寺』はボイコット(笑)

この『融』、光源氏のモデルになったという噂の源融みなもとのとおるがシテです。
主筋は風雅と栄華を誇った融の大臣を偲ぶというもので、後半は融の霊が舞います。
書物で見ると「男舞いの早舞い」とあり、写真は中将面にいかにも「麻呂」ないでたち。
……いい!

今まで観た演目には無いキャラです。
ちょっとウキウキドキドキ、勝手な期待を胸に行っちゃいました。
それが仇になったというか…

まず、融がザンバラ髪で出てきた時点で目が点。
「麗しの麻呂」は一体どこに?!;;
狩衣に指貫?奴袴?という、能ならではの組み合わせも裏目に出まくり。
これじゃまるで
ホームレス亡霊ですがな…イヤあ;;

しかも、能楽堂自体がなんというかその…
いえ、いい造りなんですよ。
こじんまりして、舞台が客席に近くて。そして正面後ろは座敷なんです。
そう、噂の畳席!
正座は空手時代に慣れたので、さほど苦ではありません。逆に畳でお能
観るのってちょっと憧れだったので、すんごい楽しみにしていたのです。
なのでこの分も期待ボウボウだったのですが、いざ現場に行ってみると……―――狭いっ!!

一般売り出し日に電話をかけたのですが、既に定例会販売で良い席は埋まってしまって、
とれたのは座布団自由席「い列」。
それでもまあいいかと思っていたのですが、とにかく狭い!;;
あれはとても鑑賞するスペースではないです。詰めすぎ。
前方の座布団「あ列」と、後ろのベンチ席「う列」の間に隙間無くきっちり敷かれた「い列」。
正座のしびれを逃がす為の姿勢直しの余地もありません。明らかにひどい配列です。
なんかアコギな運営だなあ…と思ったり……。

矢来さん、頼みます。
1席8000円にしてでも、「い列廃止」にした方がいい!!
満席完売で観られない方がまだマシかも、と思うほどヒドイ席ですよ……
「あ列」も「う列」も狭くて辛そうでしたもん;;

そして、全体的に落ち着きと締まりの無い演者が多かったです。
謡う時の顔が歪んでいたり、座っている姿勢が左右均等じゃなかったり。
更に囃し方(能管と小鼓)の髪型が、だらしなくて大変気になりました…
舞台で髪をいじるなんてもっての他だと思うんですけど??#
「客席と近いので普通の舞台より目立つ」という点を考慮しても、かなりひどいと思います。

シテの男舞い&早舞い自体とキリリとした大鼓・太鼓が、とても良かったのは救いでした(*^^*)
↑これはもう一回観たいなあ……