Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

●雷鳥(北ア・春の常念岳)

今日、いつもの常念岳日帰りをしてきました。
と言っても今回は、初めての「春山」(=残雪登山。通常は4月~梅雨前まで)です。

今年は5月になっても大して気温があがらず、鹿対策なのかいつもの足慣らし山には入れなくなってしまい、運動不足が中々解消できずに困っていました。30km漕いだくらいじゃ、何にもならない……
仕方ないのでスノーシューツアーなるものに行ってきたところ、これがまた「好天の中、残雪ハイキング」を狙ってわざわざ4月の半ばにしたのに予報がガラっと変わり、当日は「地元民もビックリ」な大雪で、残雪ハイキングどころか新雪ラッセル」  「大雪だろうと大雨だろうとロープウェーが運行すれば決行」だし、有休申請しちゃったしで、イヤイヤやってきましたが……(他のグループはキャンセルしてた…)
そんな膝まで積もる雪、頭にどさどさ積もる雪を掻き分け掃いながら黙々と歩いていると(おかげで夜に大熱出した…) 、ガイドさんが言いました。

「こんな日は雷鳥も巣に篭って出てきませんね。特にメスはズクなしで、冬はほとんど巣の中なので、
見かけるのはオスだけです。」
 
あれ? 私が今まで出会ったのは、全部メスだけど…… あ、そうか、夏山しかやらないからか
夏は子育て時期なので、メスの方がよくハイマツ帯をウロウロするんだそうです。
他の鳥類に漏れず雷鳥もオスの方が派手と言いますし、一度はオスを見てみたくなりました。
 
 「残雪の間は繁殖期で、登山者も少ないのでよく見られますよ」
 
朝はまだまだ寒いけど、再び春山をやろうという気になってきた―――。
そんな矢先、梅雨の足音が聞こえ始めたこの週末、気温は程ほどでも中々の好天。
最後のチャンスです。行ってきました。
 
結果はすっごい雷鳥フェスティバル。特に「石室~山頂」間が多かったです。
イメージ 1残雪を眺めながら休憩していると、ヒョコヒョコと現れる現れる カメラを構えたらまっすぐ近寄ってきてしまって、ピントが合わせられなかったり…
←目の前を悠然と通過…… ホント逃げない…
  ↓これがオス。夏(繁殖期)のデザイン。
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お腹も脚の付け根も、羽毛フサフサでかわいい…
こっちは彼の妻↓ 冬は雌雄共に真っ白です。
イメージ 5
 
イメージ 7メスが新芽をついばんでいる間、オスはずっと周囲を警戒していました→
 
「ズクなし」というのは信州の方言で、「なまけもの」とか「役立たず」みたいな感じで使われてます。「ズク」は良い意味ですが、その「ズク」が「無い」ってことで……(良い意味での「ズク」を使っている好例はこちら
 
でもそれを言ったら、オスは子育て一切しないよねえ(笑)
 
森林限界~石室間で、残雪のある北側(登山道からはかなり遠く)にも↓
これもオス。
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縄張りを見張っているそうです。エライエライ。南側でも声はずっとしていたので、目をこらせば見えたかも。
 
他にも沢山見たし、残雪の上にはたくさん足跡があったのですが、、ガスっていて暗かったのと遠かったのとで、ちゃんと撮れたのはこれだけ…
 
 でも、松本に引っ越してくるまでは見たことが無かった雷鳥が一度にこんなに見られ、元々雷鳥の写真を撮ろうと思っていたわけではないのに労せずこんなに撮れて、楽しかったです。雷鳥が実際に飛んでいるところも初めて見ました。(昔は「雷鳥=飛べない鳥」だと思ってた…
 
しかし、登り初めにするには、常念は少々キツかった
  「今度はウサギ足の雷鳥(真冬仕様)を見てみたい」
……なんてことは思いません。ええ、絶対に。
 
<ご注意>
雷鳥(ニホンライチョウ Lagopus Mutus)特別天然記念物(保護動物)で、大変弱い生きモノです。
絶滅危惧種2類で、その8割が北ア(特に立山に多いらしい)に生存。
なので触ってはいけないし餌をあげてもいけないのは当たり前として、近づくのも追いかけるのも「キャー雷鳥だー」と騒ぐのも、禁止。ストロボも激しいシャッター音もダメ。巣を見るなんてもっての外です。
私は登山中にたまたま見かけた雷鳥を撮りましたが、撮影中はひたすら固まり、スペシャルズ―――ム
新しいデジカメを持っていって良かった。。。 
※もし山中で保護動物(カモシカライチョウ)を目撃したら、こちらへご協力を。
 
<登山道状況>
残雪は北側に多く、南側はほとんど解消。
三股ルートでも雪があるのは「尾根出合い~ハシゴ(森林限界開始地点)」と「石室~山頂」くらい。
イメージ 9森林限界直前
  森林限界を過ぎれば、登山道に雪は皆無↓
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 ↓石室から先はこんな感じ。右手が北。
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 ↓常念乗越が右手に見える辺り。左奥が山頂。
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 雪はシャリシャリな上に、前者は8割夏道、後者は5割夏(岩)道なので、アイゼンはつけない方が良い感じ。
何回かズボっといきましたが、全行程を夏用の登山靴で凌げました。
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と言っても、「バランス感覚の悪い人は、こういう箇所で簡単に滑落するんだろうなあ」という部分がたくさんありましたよ  アイゼンは必ず携帯しましょう。
 
常念乗越からのルートとの分岐点→
左奥が山頂。常念乗越からのルート、この分岐点より下の登山道上に雪は見えなかったです。
 
蝶ヶ岳方面の大下りにも雪はナシ。(森林帯は不明)  夏道との比較はこちらをどうぞ。
 
雪道はシャリシャリと言えども夏道に比べれば歩きにくいのですが、ショートカットできたのと休憩時間が短かったおかげで、滞在時間は夏山(9H)よりちょっと多いだけの9時間半。
 
そして気温は7時スタート16時半帰着で、コンスタントに10℃前後。下界の最高気温は24~26℃くらい。
ダウンや手袋も持って行ったのですが、ずっと無風状態だったので長袖シャツに夏用半袖ポロ、その上に冬用シャツ、下はレギンズに夏用半ズボン +指ナシ手袋で十分でした。

天気さえ良ければ寒くないし、それほど暑くもない。麓近くは笹もそんなに茂っておらず花も綺麗で、上部は雪と岩と雷鳥……何より、元々このルートには少ない登山者が、更に少ない!!
春常念、オススメです  
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 ※日帰り常念(三股の前常念ルート)は中級者から。初心者は無雪になるまで入山しない方が無難。
 
※中級者でも、いざとなったら1泊できる位の装備は必要。石室は緊急避難小屋なので、緊急事態であれば泊まってOK。(最初からここに泊まる予定を立てるのはマナー違反。水場もトイレもなく、人間の排泄物が病気を媒介し、雷鳥を死滅させる可能性アリ。)
 
 ←穂高。残雪スキーツアー
  が始まっていますね。
 
 
*******************2013年11月3日****************
今年の秋は台風のおかげか妙に暖かく、まだ朝は10℃くらい、日中に至っては20℃の日もあるというミラクルなことになっています。毎年こうならいいのに……というわけで、初冠雪後ですが、行ってきました。
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                              う・・・ ↑↑↑ウサギ足……っっ  クラッ