Wの記録

Wこと天羽の趣味の記録。主に山と遺跡史跡。信州飲食店情報へはリンクの食べログIDから、サークルサイトはツイッター@Wistoria_Tからアクセスください。     (2019年9月Yahooブログより移転。それ以前の記事は画像がズレて読みにくいですが、とても調整しきれないので。。。)

博物館/地域◆函館北方民族資料館(北海道)

以前から、アイヌ関係を探っていると何度か名前を目にした資料館です。
ウポポイでもちょこっと引用されていました。

アイヌの衣装なら、小さいけれどここが一番」と。

◆◇◆  北方民族資料館 (北海道函館市)◆◇◆

この日は函館散策日でしたが、タスクが半端で時間が余ってしまうなという感じ。
そこで、じゃあ噂の資料館でも寄ってみようかと、よく知らないまま行きました。

路面電車の市電を「末広町」で下車し、すぐ。 洋館――です ↓↓

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元は日本銀行だったそうで、大正5年の築。重要文化財とかにはなってないみたい。
壁が厚いせいか、館内の電波は不良。↓↓変わった構成のアプローチと受付 ↓↓

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奥にある↑↑のはアイヌの父」ジョン・バチラーのミニ像。 入館料¥300 ←安!

入ってすぐの吹き抜けには ↓↓ コロボックルジオラマ。珍しい。

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そういえば今まで見てきた「アイヌを扱う展示」において、コロボックルを観るのは
これが初めて。ファンタジー系で有名すぎる(=アイヌっぽくない)から??
その周囲の壁にあるのはアイヌ(江戸時代の「アイヌを描いた風俗画」:アイヌ風俗12ヶ月屏風:平沢屏山)

ここにも当然、↓↓ゴールデンカムイ  アリュート民族の船「バイダルカ」↓↓

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3人乗りの皮舟。「水鳥にも遅れを取ることがない程の舟脚」―――天鳥船?

この資料館は「開拓使」「研究者」が収集した資料や記録を展示しています。
ってことは・・・・・・
あった! 松浦武四郎の↓↓「北海道国郡図」と「東西蝦夷山川地理取調図」↓↓!

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アイヌの地名がビッシリ入ってます。あれ、間宮林蔵関係はゼロか。。。。・
次の展示室1が噂の「衣装部屋」。「アイヌの」ではなく「北方の衣装」でした。

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カラフト、山丹、オホーツクにカムチャッカ半島(←火山大国)、果てはベーリング海峡アリューシャン列島まで・・・「凍てつく地に住む民族の衣装」
みんな江戸末期から明治にかけての収集物、そんな古くもない模様。

 ↓↓よく漫画に出てくるヤツ~           頭巾かわいい↓↓

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注目の山丹服「蝦夷錦」↓↓(下に鏡があって裏面も見えるようになってる)

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             袖のアップ。刺繍がメッチャ緻密でこまかい ↑↑
これは北方の山丹が朝貢で入手した「中国の衣装」ですね・・・

  ↓↓ 樺太アイヌの衣装。刺繍糸の色がグラデしてて綺麗。

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鮭皮靴「チェプケリ」↓↓   トナカイの毛皮コート&ブーツ!↓↓(カムチャッカ

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              とにかく北の服はゴージャス・豪華!
 女性の装飾品:タマサイ(首飾り)↓↓     展示室全体 ↓↓

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  素材が鉄とかガラス玉↑↑ これも、降っても江戸後期ですねえ。
アイヌ耳飾り「ニンカリ」は「儀式時に男女が身に着けたもの」(明治に男性禁止に)、鉢巻「マタンプシ」は「元々男性が労働時につけていたが、明治から女性の装飾品として発展」だそう。

さて、展示室2~7は2階にあって、↓↓こんな感じ。

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小部屋の連続で、展示物はイクパスイシントコなど、ウポポイと内容的に大差なく、
物量的には少ないですが・・・・
ものによっては説明がウポポイより詳しい!(ただし古いから読みにくい・・・)

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   「熊送り」の分布 ↓↓     この制裁棒「ストゥ」はちょっとf:id:wistorian:20190926193801p:plainf:id:wistorian:20190926193801p:plain ↓↓

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       マキリ(小刀) ↓↓        蕨手刀! ↓↓

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函館コレクションの部屋では、アイヌの工芸や音楽に携わる人たちのドキュメンタリー映像を流していました。
トータル20分だったかな? こういうのって観ちゃうんですよね~

吹抜ホールを見下ろしながら南側へ戻ると、民俗学や北方探検について色々↓↓

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こちら側の小部屋はVIPルームだったそうで、壁のタイルや造りが豪華。

 

結局2時間も居てf:id:wistorian:20190926193801p:plain ちょっと館長さんの主観や主張の入った解説・案内が目につきましたが、ウポポイが出来る前なら確かにここ、「アイヌを学ぶ」のに一番良い施設だったかもしれません。
それは「ここが凄い」のではなく、どちらかと言うとアイヌを学べる施設がそれまで他に無かった―――って感じ。

因みにここでは、地元小学校低学年児の遠足と遭遇。

 

ショップには書籍が5~6種類と工芸品がチョロっと。
ウポポイではイザベラ・バード日本紀行』講談社学術文庫)を扱っていたけれど、こちらは『日本奥地紀行』平凡社)。アイヌ神謡集は鉄板

残念ながらこの後に函館山登山だったので、荷物はそんなに増やせない。まあ、書籍は後でネット購入できるから・・・・ ↓↓シャケストラップ購入~f:id:wistorian:20190926192812g:plain

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          展示物の意匠の小物や服を売ってくれたらいいのに↑↑
 ↑↑シャケのデザインが素敵。北海道もくっついてる。

色的に貝か角かと思ったら木製でした。=使ったらすぐ割るヤツ!f:id:wistorian:20190926193801p:plain  

             →→自宅の卓上にぶらさげて飾ってますf:id:wistorian:20190926192917g:plain