以前から、アイヌ関係を探っていると何度か名前を目にした資料館です。
ウポポイでもちょこっと引用されていました。
「アイヌの衣装なら、小さいけれどここが一番」と。
この日は函館散策日でしたが、タスクが半端で時間が余ってしまうなという感じ。
そこで、じゃあ噂の資料館でも寄ってみようかと、よく知らないまま行きました。
路面電車の市電を「末広町」で下車し、すぐ。 洋館――です ↓↓
元は日本銀行だったそうで、大正5年の築。重要文化財とかにはなってないみたい。
壁が厚いせいか、館内の電波は不良。↓↓変わった構成のアプローチと受付 ↓↓
奥にある↑↑のは「アイヌの父」ジョン・バチラーのミニ像。 入館料¥300 ←安!
入ってすぐの吹き抜けには ↓↓ コロボックルのジオラマ。珍しい。
そういえば今まで見てきた「アイヌを扱う展示」において、コロボックルを観るのは
これが初めて。ファンタジー系で有名すぎる(=アイヌっぽくない)から??
その周囲の壁にあるのはアイヌ絵(江戸時代の「アイヌを描いた風俗画」:アイヌ風俗12ヶ月屏風:平沢屏山)
ここにも当然、↓↓ゴールデンカムイ アリュート民族の船「バイダルカ」↓↓
3人乗りの皮舟。「水鳥にも遅れを取ることがない程の舟脚」―――天鳥船?
この資料館は「開拓使」「研究者」が収集した資料や記録を展示しています。
ってことは・・・・・・
あった! 松浦武四郎の↓↓「北海道国郡図」と「東西蝦夷山川地理取調図」↓↓!
アイヌの地名がビッシリ入ってます。あれ、間宮林蔵関係はゼロか。。。。・
次の展示室1が噂の「衣装部屋」。「アイヌの」ではなく「北方の衣装」でした。
カラフト、山丹、オホーツクにカムチャッカ半島(←火山大国)、果てはベーリング海峡やアリューシャン列島まで・・・「凍てつく地に住む民族の衣装」。
みんな江戸末期から明治にかけての収集物、そんな古くもない模様。
↓↓よく漫画に出てくるヤツ~ 頭巾かわいい↓↓
注目の山丹服「蝦夷錦」↓↓(下に鏡があって裏面も見えるようになってる)
袖のアップ。刺繍がメッチャ緻密でこまかい ↑↑
これは北方の山丹が朝貢で入手した「中国の衣装」ですね・・・
鮭皮靴「チェプケリ」↓↓ トナカイの毛皮コート&ブーツ!↓↓(カムチャッカ)
とにかく北の服はゴージャス・豪華!
女性の装飾品:タマサイ(首飾り)↓↓ 展示室全体 ↓↓
素材が鉄とかガラス玉↑↑ これも、降っても江戸後期ですねえ。
アイヌの耳飾り「ニンカリ」は「儀式時に男女が身に着けたもの」(明治に男性禁止に)、鉢巻「マタンプシ」は「元々男性が労働時につけていたが、明治から女性の装飾品として発展」だそう。
さて、展示室2~7は2階にあって、↓↓こんな感じ。
小部屋の連続で、展示物はイクパスイやシントコなど、ウポポイと内容的に大差なく、
物量的には少ないですが・・・・
ものによっては説明がウポポイより詳しい!(ただし古いから読みにくい・・・)
「熊送り」の分布 ↓↓ この制裁棒「ストゥ」はちょっと ↓↓
マキリ(小刀) ↓↓ 蕨手刀! ↓↓
函館コレクションの部屋では、アイヌの工芸や音楽に携わる人たちのドキュメンタリー映像を流していました。
トータル20分だったかな? こういうのって観ちゃうんですよね~
吹抜ホールを見下ろしながら南側へ戻ると、民俗学や北方探検について色々↓↓
こちら側の小部屋はVIPルームだったそうで、壁のタイルや造りが豪華。
結局2時間も居て ちょっと館長さんの主観や主張の入った解説・案内が目につきましたが、ウポポイが出来る前なら確かにここ、「アイヌを学ぶ」のに一番良い施設だったかもしれません。
それは「ここが凄い」のではなく、どちらかと言うとアイヌを学べる施設がそれまで他に無かった―――って感じ。
因みにここでは、地元小学校低学年児の遠足と遭遇。
ショップには書籍が5~6種類と工芸品がチョロっと。
ウポポイでは『イザベラ・バードの日本紀行』(講談社学術文庫)を扱っていたけれど、こちらは『日本奥地紀行』(平凡社)。『アイヌ神謡集』は鉄板★
残念ながらこの後に函館山登山だったので、荷物はそんなに増やせない。まあ、書籍は後でネット購入できるから・・・・ ↓↓シャケストラップ購入~
展示物の意匠の小物や服を売ってくれたらいいのに↑↑
↑↑シャケのデザインが素敵。北海道もくっついてる。
色的に貝か角かと思ったら木製でした。=使ったらすぐ割るヤツ!
→→自宅の卓上にぶらさげて飾ってます